out of curiosity

blog ってどんなものだろ?
そんな好奇心から衝動的に作りました。

決戦の日

2006年08月16日 01時23分04秒 | weblog

 本年も娘の学校は昨年と同じ日、8月14日に参加が決まった、『第46回 東京都高等学校 吹奏楽コンクール』。 昨年同様、府中の森芸術劇場にて行われるというので、演奏を聴きに行ってきた。 空は青く、大きな白い雲が漂う夏らしい日。 劇場のガラスの壁にもくっきりと雲が写っていた。 

 例年通り、娘は夏休みが始まって以来毎日のクラブ、一週間の合宿も終え、文字通り休み無しの練習。 特に、今年はコンクールでの演奏の順番が5番目と決まっていたので、早朝から身体をアップできるように、コンクール一週間前からは朝早い集合時間となり、緊張した日々を過ごしてきた。

 「見に来るよね?」とは言っていたものの、前日になると「来ても絶対に声かけないでよね。」という憎たらしいことば。 「むぅ。。。」とは思うものの、彼女の演奏はこのコンクールと学園祭の時くらいしか聞きに行けないので、黙って見に行く。 本当は他にもわたしに聞きに来てほしい行事があるのだが、日頃わたしには仕事があるため、「来て」とも言えず、またこのコンクールにしても、来ることはわかっていても素直にうれしいとは言えない年頃のようだ。 最近特に反抗してくるし。。。

 時間まで公園の中を散歩したり、写真を撮ったりして過ごす。 家で仕事をしていると通勤がないので、ダラダラと汗をかくほど歩くこともなくなっており、久しぶりに日差しの中を気持ちよく歩いた。
 水場で遊ぶ子供たちを見て、娘たちが小さな頃はお天気がいいと、5分でも早く公園に出かけていこう!なんて張り切っていたことを思い出したりしていた。

 演奏時間も近づき会場に入る。 2つ前の学校の演奏から聞き始めた。 みんな充分上手に聞こえる。 いよいよ娘の学校の出番になる。 サックスを吹く娘はたいてい一番前のほうに座る。 わたしも会場の前のほうの席に座っていたが、なるべく気づかれないように小さくなっていた。

 舞台に入ってきたときの娘は昨年ほど緊張しているようには見えなかった。 演奏にも余裕が感じられ、のびのびといい音が出ているような気がした。 私自身が2回目で、昨年ほど緊張していなかったせいかもしれない。 けれど演奏が始まった瞬間、昨年よりずっといい感じに聞こえたのは確かだった。 
 それでも演奏後はすぐに立ち上がることができず、あと2校くらいの演奏を聴いてからようやく外に出た。 すると廊下に娘の姿が見えた。 何も言わずに通り過ぎようかな、とも思ったが、軽くひじの辺りを突っついて通り過ぎた。 すると娘はこちらを見て「おぉっ!」という顔をしていた。 いやな顔ではなかった。

 午後6時ごろ。 娘から電話が入る。 妙に興奮した声で周りには友達の声も聞こえる。 「どこ?」と聞くとまだ会場だという。 そうだ。 演奏は午前中に終わっても結果発表までみんな残るのだ。 すると娘が「今年は金だよ。金! ご馳走作っておいて。 ケーキもねーっ!」と叫んでいる。  あぁ。どうりで電話をしてきたわけだ。 よっぽどうれしかったんだろうな、と思いご馳走は作れなかったが、ケーキを買いに車を飛ばした。 

 にこにこ顔で帰ってきた娘に、「ケーキはあるけど、ご飯は普通。」と言うと「いいよー。」とご機嫌だった。 部員みんなで喜び合ったことを、ポツポツと話してきた。 金をとっても全国大会に出場できるわけではないのだが、それでもとてもうれしそうにしている娘を見て、わたしもうれしかった。