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そんな好奇心から衝動的に作りました。

大西泰斗先生英語セミナー

2005年09月04日 13時31分57秒 | weblog
本日、Inaさんより教えていただいた「ハートで感じる英文法」でお馴染みの大西泰斗講師による、DHC主催の英語セミナーに参加してきました。
セミナールームは満席。聞くところによると参加希望者が定員を大きく上回り、本日9月4日も開催される事となったようです。

実は大西先生の番組は一回しか見たことがないのですが、「こういうことが知りたかった!」という事を強く感じ、とても興味を持ったのです。
大西先生が伝えようとしている事は、言葉や文法をいくら暗記しても、どういう気持ちからその言葉を選ぶ必要があるのか、という感覚をも同時に覚えて(感じて)ゆかないと、実際の場面では使えない、という事だと思います。 

本日のレクチャーでの内容をすべてここに記する事はできませんし、私が書いたことで解釈が変わってしまってもいけないのですが、少しご紹介いたします。

<There 構文>
a. There is the boy in the park.
b. There is Takeo in the park
c. There is he in the park.

上記3つの例はどれもまちがえである。
これを説明するとき、『固有名詞や特定の物(人)を表す言葉を「~がいる・ある」とするとき、There 構文は使えない。』と説明するのは一般的。
では、下記のような場合はどう説明するか?

A: The boss wants me to work this Saturday but I really want to go to the ball game. Who can I find to replace me at such short notice?
B: Well, there's Heather. She's usually willing to help out.

"Heather" は固有名詞であるが、この文章はとても自然で一般的。

ここで知っておきたいのは、
"there" には『何もないところに何か新しい物を引っ張り込んでくる』という感覚を含む、という事。

上記 a, b, c の文章では、the boy(その少年、「その」というからには話者がお互い誰のことを話しているのかわかっている)、
Takao(名前で言ってわかるということは、話者はお互い「たかお」をすでに知っている、
he(彼、と言ってわかると言う事は話者がお互い誰のことを話しているのかわかっている)、
どれも話者の間で既に存在しており、新しくもなければ、引っ張り込んでくる感じもない。 だから a, b, c の使い方は間違え。
"Heather" も話者の間で既に知っている人ではあるが、この会話で「そうだ!ヘザーがいる!」と新たに仕事をしてくれる人を引っ張り込んでくる感覚が必要な為、there構文がぴったりくる。

<so...that...文>
○ He was so tired that he couldn't sleep.
× He was very tired that he couldn't sleep.

なんで very ではダメなの?

a. She is very cute.
b. She is so cute.

上記 a, b を比較すると、a は単純に、客観的に、「彼女はかわいい」と言っている感じ。
b は「彼女は本当にかわいいんだよ。」⇒「だから抱きしめたい。」「だからデートしたい。」など、
"⇒" の感覚が "so" にはある。これを考えると、so...that... は自然に出てくる。

その後大西先生は、「現在番組で行っているような、文章の部分的な語句、表現の説明だけでは英語を全体として把握する事が実は困難。もっと文章単位での英語の感覚を理解してもらえる方法をいま、考えている(現在そのための本も執筆中)」とおっしゃっていました。

その説明の中でおもしろかったのが、

a. ジョンはメアリを愛している。

日本語では、助詞の「は」「を」などの存在によりそれぞれの言葉の役割がそこで既になされている。
助詞と言う言葉を使って「ジョン」や「メアリ」を納豆のようにペタペタ、メトメト「愛している」と言う言葉にくっつけている感じが日本語。(ここら辺の「ペタペタ、メトメト」はわかりやすいのでしょーか?w)
だから、
メアリをジョンは愛している。
ジョンは愛している。メアリを。
と置き換えても通じてしまう。

ところが英語はと言うと、

a. John loves Mary.

一つ一つの言葉が独立しており、パサパサしていて、置き換えはきかない。
『配置』が非常に重要である!

配置と言う事では、ネイティブは "give" と言う言葉を聞くと同時に後ろに二つのスロットがあるような感覚がある、と言う人が多いそうです。こういう感覚を日本人も養えるといいでしょう、と。
そして、

I eelied Chris a Martian.

と言う文章を聞いたとき、日本人、ネイティブがどう感じるか。
実は "eelied" という言葉は造語です。まったく意味はありません。
この時点で、日本人は「まったくわからないー」という感覚に陥ってしまう傾向がある。
ところが、ネイティブの多くは、"found, bought, drew, made, sent, got..."などの言葉、「何かしてあげるー、と言いたいんじゃないの」と想像するそうです。
文章の『配置』から、そう察するのだそうです。

この『配置』の感覚を身につけると、会話を聞いていても頭(文頭)から理解できる、本を読んでいてもかえり読みすることなく読める、ようになるはずだと。

そのほかいくつかの「英語を英語として感じるための原則」を伺いましたが、くわしいことは大西先生の新しい本を待つことにしましょう。
そして、7月から3ヶ月間の「ハートで感じる英文法」は9月で終了してしまいますが、続編のお話もあるようなので、期待して待っていましょう。
それから、今回のようなレクチャーも今後定期的に行う予定だそうです。

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レクチャーも終わり、ホールには先生に個人的に質問したい人など20名くらいが残っていました。私はハンドアウトの表の中で見にくい文字があったので、DHCの方に伺っていたところ、先生とお話したい人の波が途切れたので、「いいかなぁ~?」と思いつつ大西先生に近づき、意見をうかがうことができました。

私が伺いたかったのは、現在の中学校における「英文法」について。
文法説明、用語を極力排除してゆく方針にある現在でも、私は中学で習うべき(この辺曖昧ですが)文法説明、用語はしっかり覚えておく必要があると思っている。なぜなら、それはこれから肉付けされてゆく英語の基礎を作る、重要な骨格になるを思うから。高校に行けば更に難解な文章、会話に取り組みそこを理解するとき、明確な言葉での説明はより理解力を深めると思うから。
けれど、大西先生のような言葉に対する感覚を伴う説明も同時にされなければ、結局のところは知識で終わり実際の場面で使えないだろう、という事は私も感じている。
しかし、「今までの英文法を根本的に変えたいんだ」とおっしゃる先生にとって、従来の英文法は意味がない、先生が中学生に教えるなら、やはり文法説明抜きで、番組のような英語の「感覚」で教えてゆくのがベストだと思われるか?

のような質問でした。
とても感じよく、丁寧にいろいろお話してくださいましたが、結論としては「感覚」で教えて行くでしょう、という事。

「んー。」と少し悩んだような顔をしていると、先生から
「ここで話していてもなんですから、外に行きませんか?」って。
えっ! えぇっ!!? 「わたし、お誘いされているのかしら!?」

って、へへ。
もちろんわたし一人ではありませんよ。そこにいた20人くらいの人たちもどうやらそれを期待していたみたいで、私が質問している間もずーっと待っていらしたのでした。(私の質問が終わるのを待ってらしたのね。。。スミマセン)
「こんな事がまさか起ころうとは!!」とあわてて母に電話し、泣きを入れて夕飯をお願いし、皆さんと大西先生を囲む会に参加してまいりましたー!!

六本木のスポーツバーで番組や英語に関する話からプライベートにいたるまで、
様々な話題で盛り上がり、最後にはみんなで写真まで撮らせていただきました。
若い女性が「ツーショットで。」とお願いすると、これまた照れながらも快く応じてくださり、私も調子に乗って、お願いしてしまいました。でへへへへぇ。。。
この写真はもちろんヒ・ミ・ツ。

あ~。なんだか素敵な一日でした。
Inaさんには感謝、感謝です。
機会がありましたら、みなさまも大西先生のセミナーに参加されてはいかがでしょうか。