ブライアン.カプラン 『大学なんか行っても意味はない?』

2020-01-14 21:17:13 | 大学論

この本の表題をみてすぐに読みたくなり、買う本のリストに入れて、時期が来たらネットで注文してよみました。

何故、私がこの本を読みたいと思ったかというと、今の大学の授業料が異常に高いと感じていたからです。

文系の大学に入学して卒業しましたが、それでも授業料は60万円前後していた記憶があります。

それを自分が履修する科目の数×年間の授業数で割ると、なんと1時間半の授業は3000円前後することが分かったからです。

そんなするの!そんな高額なら全部出てきちんとノートしないと!と私は奮起して全部の授業に出て、すべてノートに書いたのです。

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当時の私は、世間知らずだったので、これらの講義は社会に出て役に立つんだと思い、それを実行していたのです。

確かに社会に出て役立つことは確かです。

社会科学にしろ何にしろ、社会をよくするためにあるんですから、それを学んで、いいと思ったことは実行に移すというスタンスが大事ですね。

それは大学時代に考え、そして今でも変わりはありません。

しかしその高い授業料との対価を考えると、やはりそれは高い、いやあまりに高すぎるといわざるを得ないのですね。

1コマ3000円の価値などないのは明白です。

今は当時と違って、更に値が上がり、1コマ4000円くらいするようになっているのが、どの文系大学でも同じです。

試しに、授業に出てそこで教授がいったことや、黒板に書いたことをすべてノートに書いたものを、今一度見直してみるのがいいでしょう。

それが4000円もの価値があるとは思えないのです(苦笑)

そういったものにそんなにお金を払うなら、それと同じ金額の本を買って読んだらいいと思います。

この『大学なんて行っても意味はない?』は非常にいい本と思いました。

400ページを超えて定価5040円の本ですが、大学1コマの授業とだいたい一緒ですが、全然この本を読んだ方が有意義でした。

いい加減な先生はいくらでもいますから(笑)、その先生の授業の内容よりも、古本屋で買った100円で売っている科学に関する本を読んだ方がよほど有意義ということは往々にしてあります。

要するに、対価に見合ってないのが大学の授業なのです。

大学の講義は、高校までの授業とは違って知識を単に覚えるのではなく、理論を学ぶのです。

その習得の仕方は、1年もあればわかるようになるでしょう。

梅棹忠夫氏の書いた『知的生産の方法』といったような本もたくさんあるのですから、それを買って、その学び方を実践によって習得していくのがいいでしょう。

それに低所得でもなんとか大学に行きたいと、奨学金を借りてそれを返済するという人もいましたが、こんにちのようにかまびすしく奨学金破産などという言葉を聞くことはなかったです。

精密な情報を得たわけではないのですが、それにしてはそういう人が多すぎるという気がしてならないのです。

そういう人たちは、私の大学時代のように、必死に勉学に励むので精一杯なのでしょうが、1歩そとにでて、社会をみてメタ認知してみることが必要ですね。

マクロ的に見るのです。

あまりにも授業料が高いのです。

適正価格は、今の6分の1でいいと思っているのです私は。

1つの講義で500円でいいと思っています。

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だってそれくらいの内容しかないのですし、100円の古本にも負ける内容がほとんどでしょう?(笑)

ここで疑問がわきます。

何故、こんなにも日本は教育熱心なのか?ということですね。

やはり、いろんな理由が挙げられますが、教育に熱心にさせることが国の国是にさせる必要があるのでしょうね。

日本は輸出できる資源がほとんどない輸出立国ですから、製品の科学技術を高める必要性があり、そのために製品の開発が不可欠なのですね。

だから国全体に、教育熱心にさせる雰囲気を醸成させる必要があったのですね。

大学に行くことが何かステータスのあるような雰囲気を醸成していったのだと思います。

製品の開発のために必要なのは、お金が不可欠です。

その製品を作るに際してはメイカーだけでは足りないのです。

今の現状では、大学、研究機関、大企業によって健康や清潔、利便性のある製品は開発されているのです。

ですから、その開発のために大学に来てくれる人が多ければ多いほど国是にかなうということですね。

それであんなにもお金が大学には必要なのだということがわかりました。

文系の大学ですら今は1コマ4000円ものお金が必要なのですから、理系ともなればもっとお金がかかるのは明白です。

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それを知った人は、これから何をするかをご自身で考え、行動することが必須でしょうね。

この本の著者は基本的に教育には反対の立場をとっているのです。

ですがやはり人間たるもの誰もが、やはり保守的なもので、教育の意義については論じながら自分の論を確立しているのです。

高い教育を受けた人というのは、概してまじめさと協調性を持ち合わせているということです。

そうですよね。

嫌いなことでもやり抜く気概の高さや、人との協調性を持ち合わせているのが高学歴者ですね。

そういうところはやはり認めているのです。

それに大学卒業者と大学中退者とどちらが企業は採用しやすいかを考えると、やはり前者でしょう。

金銭的な問題でどうしても中退せざるを得なかったという人、あるいは大学にいる意義を認めることができないことを悟り、自主退学した、という人もいるでしょう。

その人は、面接の際にその旨をはっきりと面接官に言えばいいのですが、応募者があまりに多くて、まず書類選考という場合には、振り落とされることは必至ですね。

大学を卒業した方がいいのです。

そういったシグナリングの効果も当然認めているのです。

「教育は出世に役に立つ。 仕事に教育を生かせてもいかせられなくてもだ」とすら言い、「勉強したことの大半は一生使わないだろうが」とも言います。

勉強の無益性を認めながらも、社会においては承認の印を得ることができるということですね。

またこの著者は、「教育はいまだに現代経済において成功への確実な階段である。

あなたの知り合いに裕福な中退者と貧しい大学生がいるとしても、それはあなた個人が非典型的な人をたくさん知っているに過ぎない」 と書いているのです。

統計上はそうなのでしょう。

しかし統計上はそなっても、結局は本人のやる気と努力で覆せるのではないでしょうか?

私の高校時代の友人で、大学の勉学に熱意を傾けることがどうしてもできず、中退し事業を始めた人がいますが、その人は今は年収1000万円を超えています。

大学や高校の勉強は嫌いだが、それに関する勉強は好きで、それは必死にやったといっています。

また私がエステで世話になったエステティシャンの女性にきいたところ、学校の勉強は嫌いだったけれども、エステに関する勉強は大好きで毎日しているということです。

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その女性は、そのエステでは地位や収入の両方が平均の日本人以上だということです。 

また、ビートたけし明治大学を中退し、今の道に進んだといいます。

私はもったいないと思ったが、その行為によって今の彼があるのです。

一見無謀と思えることでも、禍福はあざなえる縄のごとしということわざのごとく、考えを深くして、それにかなうように勉強し、行動していけばやはり悪い現状を打破することは可能と思われてならないのですね。

私がこのブログで本を紹介しているのは、その効用について意義が高いからですね。

そして、いろんなこと学ぶことで、また本を乱読することで、いろんな視点を得れるのです。

1つの分野に絞っている専門家ではだめで、科学者として体裁が作ろうことができないのです。

いろんなジャンルの本を読むことで、シャンプーや歯磨き粉やボディソープなどに含まれる経皮毒というものが、体内に入って病気を起こすとか、アメリカ産の小麦粉で作ったパンなどを食べ続けると認知症になりやすいということを知ることができるのです。

本を自主的に読むことでそうしたことを学べるのです。

こういったことを知り、そして日々の行動に移すということは大事ですね。

ですが、それは行為に移したことで、収入に直結するわけではないのです。

社会をよくする、と言ってもそのことをしたことでも収入につながるわけではないのです。

非常に大事ではありますが、そこがネックになって、大学および科学の勉強の重要性を説いても、なかなか勉強することをしてくれる人は少ないんですね。

しかし興味深いことをこの本で知りましたが、学歴が高い人になるにつれて、健康の度合いも高くなるということですね。

学歴の高い人は文字に接することで、そこから有意義な情報を知り、それで行動に移すことができているわけですね。

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やはり学歴による利点はあるのですね。 しかし健康になるのに、高い学歴などいりません、 そういった本は中学生レベルの国語で充分なのですから、そうなりたい人は主体的に本から学びましょう。

その理解のために、高校までの勉強は基礎づけのためにあるんだ、ということを言っていた人を知っていますが、果たしてそうなのかな、と疑問に思っています。

私は、前に仕事を辞めたときに、勉強をするのが好きであることで、塾の講師になろうかなと考えて、本屋に参考書を買いに行きました。

そして見てみるも、社会生活に必要かということを考えた場合、全然必要ではないということを発見し、そう言ったことを教える意義が感じれなかったので、講師になることはやめました。 中学や高校のときには「これは将来大人になったら必要なんだ」と思っていましたが(笑)、全然必要ではないですね。

この著者も、「高校以下で、歴史、社会、美術、音楽、外国語を教える必要は実際にはない。

学生がどれだけ忘れるかを思い出せば明らかだろう。」と書いています。

実際の問題として、それを徐々に減らせばいいということを書いています。

大学時代に聞いたことがあるのは、アメリカの大学生は、大学時代に猛烈に勉強する、ということでした。

しかしそれは場所によりけりで、アメリカのほとんどの大学生は、退屈そうにしているということを知り、やはりと思いました。

この本の189ページ「大半の学生が学校での苦痛を感じているのが厳しい現実なのだ」と書いてあります。

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そして「自分の学生生活を知の饗応だったと回想して懐かしむ人たちは嘘つきかわり者である」ということです。

あたしは変わり者なのですね(笑)

大学の講義を受けること、また科学に関する本を読んで、それらを相互に結び合わせて思索するのは非常に楽しかったです。

大学の4年間で300冊は本を読みましたものの。 勉強が嫌いという学生の方が多いということで思いだすのが、ウィリアム.ジェイムズの言葉ですね。

彼曰く、 「この世は2つのタイプの人間がいて、1つは、この世界を多元的に捉える人。

この人は、リンゴもいいし、蜜柑もいいし、バナナもまずくはないし、パイナップルも結構だ。

その間に序列をつけるわけではないし関係をつけるのでもない。

いろんなものが並列状態にある、というふうに捉える立場の人。

こういう人は、いろんな事物や情報を得ることに何の苦痛も感じないし、それどころかそういったものの収集が好きであるということです。

もう1つは、この世界は最後は1つの絶対的な価値に収斂していって、その体系の中に諸々のモノがちりばめられている、というふうに捉える立場の人。

この人は、事物や情報を得ることに苦痛を感じる、ということですね。

この2パターンに分かれる。

後者の方が圧倒的に多い。」

このことは、やはり古今東西通じる真理ですね。

だから上レベルの大学でも、講義に出る人よりも出ない人の方が多いのでしょう。

また大学の教育に携わる人もそういう人が多い気がします。

私のいった大学は、中より上のレベルでしたが、毎回同じような言葉を発しているだけの教授の方が、きちんと毎回勉強してきて違うことを発している教授よりも人気があるのが普通でした。

ゆえに履修する人が多いのです。

そういう教授の方が、年末の試験が楽ですから。

ゆえにその教授が講義で使うテキストは売れるのです。

たいていそのテキストは、その教授の書いたものであるパターンがほとんどです。

しかしその教授の講義と同じく、その本も書いてあることは初めから最後までほとんど同じようなことしか書いていないのです。

あるいは、自分が読んだ本の端々を引っ張ってつなげただけの代物であるパターンがほとんどです。

そんな内容でも、出版社からすれば、売れてくれた方がいいですから、更に次の年もその次の年も、その教授はいいお客様です。 そして何度も版を重ねるようになる。

しかしその教授が退官した後は、そういった本は読む価値がほとんどないですから、すぐさま廃刊になるのは明白です(笑)

そんな教授でも履修者が多いために、年に2000万円も大学からだけからでももらっていたことを、私が受けたゼミの助教授は文句を言っていました(笑)。

本が売れていたことを考えれば、もっと稼いでいたことは間違いないでしょう。

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高校や予備校あるいは各種学校では、いい加減な授業などしていては受講者からクレームが来てたちまち罷免されるのが当然ですが、大学ではいい加減な先生ほど受けがいいのです、履修する人が多いのです。

これは何とかしなくちゃ、と大学当局が思っていても履修者が多ければそれも致し方ないで終わってしまうのです。

また文筆で生計を立てている人も、いい加減な本を書いていてはたちまち批判が広がり、本が売れなくなり、そして廃業に追い込まれるのは当たり前ですが、大学ではいい加減な、毎回同じようなこと書いている教授、他の本の端々を引っ張ってつなげたような本を書くような教授の本の方が売れるのです、大学内では。

まるで競争原理に反する社会、それが大学なのですね(笑)

しかし、こうやって見ていくと大学というのは如何に無駄の多いことかわかるでしょう。

やる気のない人が多く、それでいて代金がものすごくかかる。

この本は420ページありましたが、私にはなんてことない行為でした、読破するというのは。

しかし、そういう人でなければ、学業生活をエンジョイすることはできないと思うのですね。

これは何も私が選民だということではないのです。

楽しいと思えることでなければ、いても意味がないですしお金がものすごくかかることは間違いないのです。  

私が喫茶店で本を読んでいたいたら、横に3人の女子大学生が歓談していました。

その内容をきいていると、次の授業がかったるくていきたくないと嘆いていました。 また、ある男性の彼女でやめたいと愚痴言っている人を知っています。

その人たちは、やめるべきだと思いますね。

お金と時間が無駄になりますから。 ただしいろんなことを考慮に入れてからですね。 

私の大学のキャンパスで配られていたパンフには、その大学出身の会計士になった人の 体験談として「大学の講義があったから合格できた」ということが書いてありました。

また司法試験で合格した人も同じようなことを言うでしょう。 また国家試験の合格者もしかりです。

そういった人たちは、大学卒業が必須でしょう。

たとえ大学卒業しなくても、司法試験に合格した人はいます。

しかし 圧倒的多数は大学卒ですし、将来法律事務所を立ち上げたときに、肩書に「〇〇大学中退」ではお客さんから信頼されないのみか、仕事も来なくなってしまうことは必至です。

また一般の企業に勤めるにしても、中退と卒業ではシグナリングで違いが出てくるのは先に指摘した通りです。

ですから、むやみに中退を勧めたりはしないです。

将来、自分はどうなりたいかをきっちりと決めて、そのためには、卒業が必要かどうかを考えに考え、それに必要な情報を集めに集めたうえで自分で決めるのがいいでしょう。

この本には、222ページから228ページまでつまびらかに、大学を辞めることを考えている人に、どのように考えて続行すべきか、あるいはやめるべきかを勧告していますから、悩んでいる人はそこを読んでみるべきでしょう。

ネットでの教育の利便の高さを強調していますが、それはそのまま全部を受け入れるわけにはいかないところがあります私には。

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何故なら、集団の中での生活によって人との接し方の実践を学べるわけですし、ネットの教育は、1対1でしかないわけです。

すると、自分のペースだけですることになってしまい、さぼろうと思えばいくらでもさぼれるようになってしまうのですね。

「さぼるまい」と思っていても、やはり人間たるもの実際にはさぼってしまう。 私もそうならないように、パソコンの仕事でも喫茶店かファミレスで行うようにしています。

そうすることで、さぼる時間が大幅に減ってきますからね。

やはり集団の中にいることのメリットは大きいのですね。

ですから、その良さも認識したうえで、どのような割合でネットでの教育をしていくかというように漸次的に取り入れる方がよかろうと私は思うのですね。

ただ、この本で言及されているのは、ホワイトカラーのみであってブルーカラーの人への教育の有効性については書いていないのです。

ブルーカラー労働者は、古今東西人不足ですから、おそらく学歴など必要ないのでしょう。

シグナリングも必要ないでしょう。

汚れる仕事は、やりたい気持ちを伝えれば、すぐに働かせてくれますからねどこでも。

またネットで成功していく人についても言及がないです。

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やはりここで成功するためには、シグナリングをする必要がありますね。

何度もその人のメルマガなり、ブログなり、その他SNSにおいて何度も何十回も読むことで、その内容について信頼が醸成されていれば、そこからお金が発生することは間違いないでしょう。

そこではやはりプロフェッショナルさが求められること間違いなしですね。

この本は現代の社会における教育に対して、幅ひろく考え、その是非について持論を提示しているのです。

やはり疑問点はかなり多いですね現代の教育には。

ですから、それに疑問に抱いていることが、どのような流れにしていくべきなのか、そして自分はどのような行動をしていけばいいのかのヒントを与えてくれるような気がしますね。

変化が起きてよからぬ方向へ行きそうであれば、そこは思想を形成して、軌道修正していけばいいのです。

やはりいつの世も問題は尽きないのです。

この本が良き軌道になる一助になることを願って、この本をお勧めします。

●この本は以下よりどうぞ!

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大学なんか行っても意味はない?――教育反対の経済学

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