加藤秀俊 『整理学』

2020-04-26 17:23:53 | 科学論

この本を店頭でみたら、変わった題名で興味を覚えたのです。

そして、また次に書店に行ったらまた目にしたので運命じみたものを感じて、買って読むことにしました。

それ以前にも加藤秀俊氏の本には関心があったことも手伝いました。

それは非常に単純明快で分かりやすく説得力のある文章なのですね。

それに魅了されました。

アブストラクトであるけれども、具体性ある文も必ず添えてくれますから、信用に足るものです。

その具体的な文章も、やはりわかりやすい文体で書いているのです。

この本の骨子は「記憶ではなく記録をしろ」そして「分類をしろ」ということですね。

そのことで、より深く正確に物事を把握できるということです。

それをしないでいると、どこかにあるはずのものが、どこにあるか分からなくなり、それを探すのに時間がかかり時間の無駄になるというのは実感としてわかりますね。

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ことは読書でも同様です。

どのようなことが書かれていたということを概略でもいいから書き留めておけば、その本に書いてあることを再度記憶に呼び起こすことができるのです。

しかし、それをしないでいては、またどのようなことが書いてあったかを理解するために再度読まないといけないですから、時間の無駄ですね。

この加藤秀俊氏の友人であり盟友であった梅棹忠夫氏は、そういう学習法を「知的消費」として「知的生産」とは対比の構造でとらえて書いていました。

それは別に悪いことではないと断っていましたが、日々情報や知識を生産的に接していかなくてはならない人には戒めねばならない態度といえるでしょう。

こういった整理をしないでいた場合は、単なる情報の積み上げをしているだけであって、何ら生産性はないといえるでしょう。

よって記録して分類しておくことで、生産効率が上がるのは言うまでもないです。

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ことは文筆家、あるいは大学教授といった人のみならず、一般人にも当てはまるでしょう。

名刺交換は日常的ですが、あまりにその数が多くては、顔も人となりもわからなくなって、再度あったときにわからなくなって失礼なことになってしまうのは言うまでもないです。

そこは加藤氏に言わせれば、名刺の裏に似顔絵をおおよそ描いて、特徴も書いておくということですね。

ここを読んでなるほどと思いました。

また、人との付き合いは大事ですが、あまりに仕事などに忙しくて、連絡を取るのを怠っているといつしか疎遠になってしまいますから、それも分類し、いつまたメール等で連絡するかといったことを予定表に書いておくのは非常に大事ですね。

何もしないでいると、いつしか自分のことは忘れられてしまうことは必至ですし、そんな生活では非人間的になってしまうことは目に見えています。

知的生産を生業にしている人以外も、このスタンスは大事と思いました。

その記録と分類の、詳細についてはこの本を読んでいただくことが大事ですね。

これを読んでいたら、YouTubeで年老いたおばさんが、生活に必要な小物や食物を、部屋内に持ち込み、そのまま捨てずに、部屋内に積んでいってしまい、その後、その中から不要なものを捨てずにいたらゴミ部屋になってしまったということですね。

そのおばさんの死後、その部屋を清掃していったら、押し入れはもちろん、床からもいろんな使える品はもちろん、食物、そして現金すらも出てきた、というドキュメントが放映されていました。

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これは、老齢のために腰が悪くなり、自分の手元にしかものを置けなくなり、それが手前にだけにどんどん積み重なっていって、このような修羅場になてしまったということですね。

押し入れ内から、要らないものを出して、それを捨てるか、売るかしていく、ということをしていけばいいのですが、それがめんどくさがっていたのか、あるいは老齢のためにできなくなってしまったのかはわかりませんが、それを怠っていってしまったがために、今状態になってしまったのでしょう。

これは整理を日々のルーティンワークにしていればいいのですが、これは誰も注意してくれないがゆえに、自分を律することができていないがゆえに、やはり悪いようになってしまうのでしょうね。 しかし、そこで自分を律するためには何が一番重要でしょうか?

やはり「文字」にほかなりません。

これこれのことをする、といったことをスマホや紙に書いて、それをいつも眺める。

あるいは目に付くところに置いておいて、自分を行動するようにする、こんなスタンスが大事ですね。

やはり自分で自分を律しようという気概を維持するには、これが王道だと思うのですね私は。

それによって、気持ちのいい思いになるのです。

部屋がきれいに片付くのを見るのはやはり気持ちいいものです。

しかし、そのために必要なのは、体力も重要でしょう。

この老齢のおばさんですが、老齢のために整理ができないでいた、ゆえに整理ができないくなってどんどんごみが積み重なっていったということですが、それが出来なくなったのは、やはり運動を、エクササイズを習慣にしていなかったからでしょう。

しかし、その運動を習慣にするのも、やはり「文字」の力が大事なのですね。

いつかやろう、という思いを抱くのは良いですが、それではあまりに抽象的で、実際そのいつかはいつですか?と聞きたくなってしまます。

やはりいつかではなく、何曜と何曜と何曜にするというようん具体的に、決めてそれを自分の目につくところに置いておいて、すぐに実行に移すというスタンスが大事ですね。

それを実行することによって、老齢のために整理ができなくなったなどということはないのではないでしょうか?

そんな老齢になったことがない私ですから、そんなこと揶揄する資格などないのではいですか、と言われそうですが、でも私の経験言って、日々エクササイズをする習慣をしている私ですが、それによって全くする期間がなかった時期に比べて、非常に体力的にみなぎっていくのが感じれるようになったのは間違いないですし、そのエクササイズをしなかった時期から、するのを習慣にしていくときには、精神的な葛藤がものすごくあり、行動に移すことが非常に難しかったのは経験としてあります。

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しかし、その葛藤を乗り越えたからこそ、そのような生活を奨励する資格はあるのではないでしょうか。

私が、この『整理学』に共鳴したのも、また、整理の重要性を実感したのも、やはり実際に目にしてからですね。

実際に目にしたというのは、ある時引っ越し屋の手伝いをしたときに、その家の奥から、1度か2度くらいしか着てない服や、1度か2度くらいしか読んでない本、いずれもきれいでしたが、それらが凄い数でてきたのですね。

それは不要だから捨ててしまってくれと、その依頼の住人さんはいうのです。

ほとんど使用していないのに…もったいないと思わざるを得なかったですね。

やはり常に整理していないから、何がどこにあるか分からなくなって、いつしかそれらの存在を忘れて、同じ物をどんどん買っていってしまい、そしてそれらも整理しないでいたから、それらの存在を忘れて、また同じものを買い…というスパイラルを繰り返してしまっていたのでしょう。

非常にもったいないことですね。 それは買わなくていいものを買ってということだけではなく、それらの有用性を体感できずに終わってしまってということででもあるのです。

それに、スピリチュアルなことを信じている人、あるいはそれを非科学的であることがわかっていても信じざるを得ないと思っている人は、綺麗で部屋内に物が少ない方が、幸運や金運に恵まれるということを知っているのです。

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その意味でも、それを実行していなかった人はやはりもったいないと思うものです。

その状態を、この引っ越しの際に実感した私は、帰宅後すぐさま掃除、そして整理に取り掛かったのです。

このように情報を目にすることによって、行動を促すことにつながる、ということです。

「何曜と何曜と何曜にエクササイズをする」という文字も情報ですし、このようになると大変だし、物の無駄だし、綺麗さを損ねると感じたことも情報です。

後者は、いわば反面教師ですね。

人の良くない状態をみて、自分の行動のきっかけになり行動するのです。

私も完璧を目指していますが、人間である以上、完璧にはなりえないでしょう。

いろんな人と接してきたゆえに、私のことを人がどのように感じてきたかは気になるところですが、中には私を反面教師にしている人もいるでしょうし、それは仕方ないことでしょう。

ああ、恥ずかしい…(笑)!

このように、こと整理という分野においても、やはり情報が大事なのです。

それに加えて、先頭から書いたようなことをするにも、日々の物の整理でも体力がいることは明白でしょう。

そのことに共鳴できた人には、是非ともこの本を読んで、日々の情報、物、人間関係を整理して洗浄して、気持ちのいい生活を送っていってもらいたいものですね。

●この本は以下よりどうぞ!

    ↓

整理学―忙しさからの解放 (中公新書 13)

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※参考ページ

  ↓

加藤秀俊 『取材学』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/474732465.html?1587887260

 

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