この西嶋幸右さんの『文明批評家モンテスキュー』を読もうしたきっかけは、『都市と思想家』という編著を読んで、その中で一番好意を持って読めた、ということで頭の中にインプットされ、いつかこの人の書下ろし本を読んでみたいと思い、その詳細を調べて、この本があるとわかり、近所の本屋さんに依頼して買って読んだ次第です。
私が、著者の評価をするときに、一番大事なことは、「読んだ人が、現在においてその内容を活かすことができるかどうか」という視点でしています。
読んだ人が、何も人生や生活に活かせられないのであるならば、読んでも仕方ないと思うので、そういう本は評価しませんし、この場で紹介しようとは思いません。
その批評の内容については、起きた事象についてカッとなってその内容を批判するのではなく、それをいろんな情報を摂取したうえで、意義を論じ、また自分が遺憾に思うことであれば、批判を加えるということですね。
そのモンテスキューが書いた批判の内容については、今の社会でも生起する可能性があり、また実際にあるという内容であれば、多くの人は感銘を受け、それを本などにしたため、それを他の人に語っていく、ということですね。
モンテスキュー
それが、後々の世になっても多くの人が感銘を受けることであるならば、古典的な名作として認知するのでしょう。
そういう効用があるものとして、この『文明批評家モンテスキュー』や他のモンテスキューの本をお勧めしたくなるのですね。
この著書は、モンテスキューが著わした『ペルシア人の手紙』についての論評なのですね。
それについての意義を書いているのですね。 その『ペルシア人の手紙』は、ユスべクとリカという2人のペルシア人がフランスに赴き、そこで体感したことを書簡をもって交換していたその内容を詳らかに書いていたというものです。
その往復書簡の中で、様々なヨーロッパとくにフランス社会を通した文明についての批判を書いているのですね。
その文明の内容は、政治、経済、社会、宗教、思想、文化、民族、人物と多岐にわたるのですね。
そのピックアップした事象やその意味づけの内容について、やはり今、現代人が読んでも感銘を受けるのですね。
事実私も受けました。
古典的な名作を出した人たち。
古典とは、この場合、のちの世代になっても、何百年もたっても、人々がその書かかれた内容を読んで感銘を受けたり、その意義について語られるような魅力を有している作品のことを指します。
そういう人たちは、今と比べて当時の限られた、非常に限られた情報の中で必要な情報を摂取して、意義を語り、結論付ける能力が高いのがわかります。
それに比べ、現代では、膨大な情報、例えば本、雑誌、テレビ、ラジオ、口コミ等があっても、真実にたどり着けずにいる知的な職業にいる人が大勢いるのですから。
当然私にもそういう部分もあります(笑)。
そういった人たちにくらべ、当時の古典的な著作家たちの偉大さについてはものすごい瞠目に値すると思わざるを得ないのですね。
ただ、ブローデル、ヴェーバー、ハーバマス、リースマンといった古典的な著作家の本を原典で読むことが多々あった私ですが、 それのいずれもがあまりに情報が込み入りすぎて、あまりに詳細すぎて、集中力が落ちて完読を挫折してしまった事がよくありました(笑)。
しかし、完読できた他の古典的名作も多々あるのも事実です。 ですから、そういった失敗があるので、このモンテスキューの『ペルシア人の手紙』についても、読みたい衝動を抑えきれない感じですので、必ず読みたいとは思ってます。
また、モンテスキューは、『法の精神』が有名で、中学校の教科書にも出てくるくらいですから、それも当然…と思っています。
また文明批判ということであれば、ヴォルテール、ディドロ、ルソーといった人たちも関心があるので読んでみたい衝動を抑えきれない、 といった感じです。
それはやはりこのモンテスキューに連なる著作者ということで、この本にも紹介されているからですね。
でもまずは、この『文明批評家モンテスキュー』をお勧めしたいです。
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