新国立劇場の「鵺」ワケ分からなかったけど、
おもしろかった。
ネタバレありです。よろしく。
「現代能楽集 鵺」
作:坂手洋二
演出:鵜山仁
美術:堀尾幸雄
照明:小川幾雄
出演:坂東三津五郎、田中裕子、たかお鷹、村上淳
新国立劇場小劇場[THE PIT] 7月15日マチネ観劇
このところ、新国立劇場の演劇がおもしろいです。
この「鵺」も不思議でわかんな~いとこあるけど、おもしろかった~
鵺というのは、頭は猿、胴は狸、尾は蛇、脚は虎で、
声は鳥のトラツグミという妖怪。
こわい、というより、滑稽みたいだけど・・・
話は3部作オムニバス。
1部は平家物語の頼政の話。
2部は現代、3部はベトナムらしい現代もの。
4人がいろんな役を演じます。
美術の堀尾さんがステキでした。
川原の石が賽の河原のイメージで、顔が描いてあるんですね。
顔は怖い系もあるし、オチャメ系もあるし・・・
能舞台のイメージですって。
頭上には、タイムトンネルみたいなものが連なってます。
1部の平家軍が宇治川を渡ってくるというシーンの、
幕に絵が投影されるところも、ドラマチックで幻想的。
舟の動きも、不思議な感じだった。
2部でも舟が出てきて、そこで黒子さんが、
ロープであやつってると種明かしちゃうけど、
あそこまでしないで、不思議いっぱい、という感じにしてほしかったなぁ。
3部が臓器売買や水上パペット人形も出てくるリアルな話で、
一番刺激的で面白かった。
作者の坂手さんがベトナムに取材して、
とても興味深くおもしろかったそうで、
その実体験が戯曲に強さを与えたのかもしれない。
したたかな現地ガイドを村上さんが、生き生きと演じている。
1部の滑舌が悪かった家臣役と、同じ人とは思えないほど。
朝日新聞の批評でも1部は「せりふに難渋する」とあるから、
トークの時に指摘したおばさまは、言い方がきつかったけど、
的外れとは言えないのよね。
最後に逆切れした村上さんは、ちょっと残念だった。
この家臣役、長谷川博己くんに演じてほしかった。
と思ったけど、ベトナム人役は、どうかな・・・
三津五郎さんは、鎧姿が一番しっくりきたね。
鵺に早替りするのは、どうなんだろう。
ちょっと笑ってしまったけど・・・
たかおさんには、もうちょい凄みがほしかった。
田中裕子さんは、もうスゴイです。
お若いし、カッコいいし。
可憐な感じから凄みのあるところも。
声の調子から雰囲気から、最強キャラ、かも。
わたしの最強女優は、松たか子さんだけど、
松さんみたいに、声聞いてせつないって感じではないけど、
田中さん、かなり強力です。
これからの舞台、外せなくなりそう。
鵜山さん、おもしろかった~
鵺退治をした源頼政みたいに、
鵜山さんもワケわかんない新国立劇場の鵺退治、してほしいね~
20日まで公演。
オススメです
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