『沖で待つ』で第134回芥川賞受賞を受賞した、絲山秋子さんの最新作。
40歳になった江藤正臣が夜行列車で京都に行き、
そこで出会ったユニークな人々との物語である。
とっても軽い読み口で、ささっと読み流しができそうな感じだったけど、
そこは、さすが絲山さん。
軽いですけど、味わい深いです。
登場人物すべてが、濃いひとたちばかりです。
プラス京都という古い町の雰囲気が、
なんとも言えない色合いを出しています。
最後の方で主人公は比叡山を目指して、
出町柳から叡山電鉄に、その後ケーブルカーに乗り換え、
さらにロープウェイ。
お~なつかしい~
今でも、こういうルートありなんですね。
最後に琵琶湖が見えるというあたり、
なんだか、主人公といっしょに感激しました。
そのあとの、種明かしのような「アブセント」も、
なかなかシャレた趣向です。
読後感もさわやかな『エスケイプ/アブセント』
オススメで~す