「東京裁判三部作」の第1回目。
故井上ひさしさんの作品です。
ネタバレあります。お気をつけてくださいね。
「夢の裂け目」
作:井上ひさし
演出:栗山民也
音楽:クルト・ヴァイル、宇野誠一郎
音楽監督・編曲:久米大作
美術:石井強司
衣装:前田文子
出演:角野卓造、藤谷美紀、熊谷真美、木場勝己、キムラ緑子、高橋克実、土居裕子ほか
新国立劇場小劇場 4月21日マチネ観劇
井上ひさしさん追悼公演になった「夢の裂け目」
観ている時は重いと感じなかったけど、後からいろいろ考えさせられる舞台でした。
井上先生やっぱりスゴイです。
時代は終戦直後。
紙芝居屋さん一家とその弟子たち。
紙芝居の狸御殿と東京裁判をからめた話。
戦争物って暗くて超真面目なのかと思ったけど、
笑えるところもあって、さじ加減がなかなかお上手。
生演奏付き。
開演前から、オーケストラボックス風なとこで演奏が始まって・・・
イイ感じ。
皆さんお上手だし、クラリネットが特によかったね。
それに歌も多数あって、楽しめました。
出演者もベテランで上手な方ばかりで、安定してるし、
セリフしっかり聞かせます。
角野さん初めて舞台拝見しました。
さすが大人の芝居、という感じでしたね。
藤谷さんの可憐さ。
熊谷さんの健気なところが好きだな。
あとキムラ緑子さんの色っぽさが、とてもいいアクセントになってました。
熊谷さんとふたりでデュエットする「柳橋ソング」。
ふたりは柳橋の元芸者さん。
終戦後久しぶりに会って、抱きあって柳橋時代を思い出して歌うの。
芸者さんってはなやかそうだけど・・・
辛いことや悔しいことが多かったんだろうなぁというのが、
涙を滲ませて歌ってる2人の表情から読み取れました。
こっちまで、ちょっとうるっとしました。
舞台装置では、牢獄のセットがシルバーのポールで表現してあって、オシャレ。
正面奥が階段で土居さんが降りてくるのもイイ。
土居さんの歌がステキでした。
本格的・・・
と思ったら、芸大の声楽家卒ですって。
キリッとしながら、女性らしさも感じられるし。
この舞台、女優さんたちで成功してるって思いました。
ラストどうするのかと思ったけど、しつこくなくてうまい。
井上先生、なかなかのものでしたよ。
あ、生意気~ゴメンなさい。
この作品、昔の話ではなくって、イマでも応用効きそうな内容。
日々の生活に流されてゆく生き方とか・・・
ちょっと考えさせられました。
28日まで、公演。
オススメ~