酒造り日記

佐賀県の天吹(あまぶき)酒造の酒造り日記

酒母冷却

2006-11-05 13:54:34 | ぶちょ~
当蔵の高温糖化酒母の仕込から酵母添加までを詳しく説明しましょう。

麹歩合は33%。
汲水歩合は200%です。

まずは、仕込タンクを用意します。
仕込タンクよりひと回り大きな側タンクを用意し仕込タンクを入れます。

仕込の1時間前に、酒母総米に対し150%で58℃の水を仕込タンクに用意します。
そこへ麹を入れ掻き混ぜ水麹を行います。54℃位になります。
側タンクに55℃位の温水を入れ保温しておきます。

蒸し上がった掛米を55℃位まで冷まし、55℃で仕込みます。
保温し、5~6時間糖化させます。
このときに糖化と同時に殺菌されるので、無菌状態となります。

糖化が終了したら、側タンクの温水を抜き、水と氷を入れ、冷水にて冷却します。
総米に対し35%の氷を仕込タンクに入れ(写真)、混ぜ混ぜし冷却操作を始めます。

氷が溶けきった頃が40℃になりますので、総米の10%の水で薄めた乳酸を必ず添加します。(乳酸を先に入れると、酸性になりPHがさがって、酵素反応を阻害するらしい?)
乳酸の量は汲水に対し600ml/100Lです。

少し掻き混ぜると30℃になりますので、酵母の半分を添加し、残りの総米の5%の水でタンクを洗い流します。
ここで側の冷水を抜きます。
軽く混ぜ混ぜしたら残り半分の酵母を表層に添加します。

これで酒母冷却の操作は終了です。
冷却操作にかかる時間は30分位です。

注意点としては、操作を迅速に行い、乳酸を忘れない事です!
ねえ、もとやん。

なぜ高温糖化酒母を選んだのでしょう?
私の考えは、酵母の特徴を出したい場合には殺菌工程のある高温糖化が最適だと思うからです。
もちろん、生モト系の酒母にも亜硝酸と乳酸による殺菌工程はありますが、確実に殺菌出来るのは高温糖化酒母だと思います。
生モト系酒母は、これからもっと経験を積み、使いこなせるようになりたいと思います。

蔵人 クロード

2006-11-05 11:39:25 | ぶちょ~
小学館ビッグコミックスから「蔵人(クロード)」というコミックが発売されています。
あの、「夏子の酒」「奈津の蔵」を書かれた、尾瀬あきら先生の作品です。

おもしろい!

皆さんも読んでみてください。
きっと、日本酒がもっと好きになりますよ。

水麹

2006-11-05 07:30:33 | ぶちょ~

これは、水麹という工程です。
仕込みの1時間前に、水と麹をタンクに入れて、麹から酵素を抽出しておきます。
そこへお米(掛米)を投入することにより、酵素がお米の中にしっかりと浸透するのです。

ちなみに画像は、ウ-3号高温糖化酒母の水麹ですので、水麹温度が55℃ほどあり湯気がたってます。