まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

外国人墓地の猫

2012年04月04日 | 日記

<横浜ぶらり散歩3>

山下公園を後にぶらぶらと元町から山手へ。
港の見える丘公園は人が多かったので、外国人墓地を覗いてみた。

 今や横浜を代表する観光スポットにもなった外国人墓地。
1853年(嘉永6年)のペリー来航以来、多くの外国人たちが日本を訪れ
さまざまな事情で祖国に帰ることなく異国・日本で没した。
中には日本人と結婚してここに眠る人も多い。

現在、ここ横浜外国人墓地の墓石は3000ほどだと言う。
函館、神戸、長崎など開港の歴史を刻む港町には必ず外国人墓地がある。
いずれも「異国情緒」あふれる町だ。

日本の墓地はどこも似たり寄ったりだが
外国人墓地は墓石にもさまざまに意匠が凝らされていて実に面白い。
墓を見て面白いなどと言うと不謹慎だが、あらためて「文化」の違いを思う。
そう言えば、以前、ここを訪れた時にスケッチをしたことを思い出した。

どうです、なかなかのもんでしょう?(笑)
この時もやはり「墓石」の個性と風情に惹かれて描いたような気がする。

真新しい花が供された墓もある一方で
忘れ去られたように朽ち果ててしまっている墓もある。
残された「遺族」にも人には窺い知れぬ感情の流れがあるのだと思う。
そんな中で、ちょっと「感動的」な暮銘碑を見つけた。

糸恵さんというのは奥様だろうか。
いかなる経緯でハンガリー人のご主人と出会われたのかは窺い知る術もないが
その切々とした思いに胸を打たれる思いになった。
「かくも切なく偲ぶ者のあらんや・・・」
今は天国で愛する人との邂逅を喜んでおられるのだろうか。

墓石の影が長くなって来た。
私にはほとんど名前も知らない人の墓が多いが
中には知った名前もある。

独特の寄席文字で書かれた名前は「快楽亭ブラック」。
明治・大正に活躍したオーストラリア生まれのイギリス人落語家だ。
推理小説を書き、催眠術も操る多芸の芸人だった記憶がある。

本名はジェームズ・ヘンリー・ブラック。
玄人筋には評価が高く、一部には熱狂的なファンもいたが
晩年は不遇だったと言われる。
でも、外国人墓地に安らぎの場を得たわけで、ホッとする。
ちなみに二代目の「快楽亭ブラック」は立川談志門下(後に破門)で
漫画「美味んぼ」の登場人物で有名だが関係はない。

ふと見ると・・・猫がお墓に参拝している!

手は合わせていないが墓の前から動かない。
ひょっとして毎日、亡くなったご主人を偲んでやって来るのだろうか。
うーん、今どき感心な猫ではないか!
直撃インタビューを試みようと近づくと、サッと逃げて行ってしまった。

お墓にはさまざまなドラマがあるなあ・・・
粛然とした思いになってマリア様に手を合わせると、墓地を後にした。

帰り道、港の見える丘公園の陸橋で
夕陽を浴びながら語り合うカップルの姿が印象的だった。
では、中華街でメシでも食って帰るか・・・

 


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2 コメント

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情緒いっぱいの写真 (ヒガシ。)
2012-04-04 07:24:52
カメラマンのセンスのたまものか、そもそも被写体がいいのか。わたしも外人墓地好きです。いつももの悲しくなるけど。
猫さんは、故人の恋人の生まれ変わりと見た!
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オンブにダッコ (まろ)
2012-04-04 08:51:13
ヒガシ様
もちろん被写体にオンブにダッコです。
カメラは楽しいけど難しいものですねえ。
また、いろいろとご伝授願えると・・・
全くの蛇足ですが墓の横に猫用の水がありました。
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