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くまわん雑記

時々問い合わせがありますが、「くまわん」というのは、ある地方の方言です。意味はヒミツです。知る人ぞ知るということで。

韓国ドラマ「王の女」にハマってしまった・・・

2011年02月23日 | Weblog
韓流ドラマというやつ、現代劇は嫌いだが、歴史劇はなかなか捨てがたい。いや、ヨン様(なぜペ様ではないの?)中には荒唐無稽で歴史の「歪曲」も甚だしく、武闘シーンなんて香港あたりの荒唐無稽時代劇の元祖!みたいなのの影響をもろに受けているような子供じみたのもあるのだが、なかには大河ドラマなんか足元にも及ばないようないろんな意味で濃いー作品もいくつかある。

何を隠そう、時代考証等について「そんなバカな!」、「ありえねー」としばしば感じながらも「チャングム」に」すっかりはまった私だったが、「チャングム」なんて子供騙しというような作品として私が第一に挙げるのが、「女人天下」である。

これは韓国でかなりの視聴率を上げたとか。時代はほぼチャングムと同じ。中宗の時代。正確にいえば、「女人」の方は、中宗崩御後こそメインなのだが、宮廷をめぐるドロドロの権力闘争、政争は見ててあきない。そこに男女のしがらみ、後宮の人間模様が絡むと、わが国の「大奥」は実に子どもじみている。今訪英中の大河なぞ、お子ちゃま番組である。

こういう政治を絡めた人間模様を描かせると、わが国のドラマづくりというのは、とても韓国、中国には及ばない。彼の国のドラマ制作者、いやおそらく彼らを含めた人々が、政治の本質みたいなものを理屈ではなく本能的に知っているように思えてならないのだ。そして、その理由はやはり、わが国が歴史的に「ぬるま湯」につかってきたからではないのだろうか。我が国の歴史的「激動」など、おおよそ彼の国々のそれにくらべれば生易しいものである。一体我が国のいつの時代に政権交代、体制変化のたびに何百万、何千万の命が犠牲になったなどということがあっただろうか。一体我が国に他国の侵略、搾取、支配、従属を甘んじることを繰り返すなどということがあっただろうか。

風雪人を磨く、というが、歴史ドラマの重厚さは歴史のなせるわざということなのか。

「王の女」。

韓国では放映当時、視聴率はすっかりだったとか? 「チャングム」にやられたとか? しかし、内容的には、私は「王の女」の方に軍配を上げたい。いや、娯楽としては「チャングム」だと思う。しかし、内容的に荒唐無稽過ぎるという点では、率直な言い方をすれば「女子供」のためのものというのが、「女人天下」や「王の女」を知ってしまった後の率直な感想だ。

李氏朝鮮第15代国王光海君。「暴君」燕山君とともに、同王朝の廃王である。王としては決して暴君、暗君の類ではなく、むしろ彼が廃位された後の朝鮮の歩みをみれば、賢明な側面をもつ君主であったのかもしれない。

主人公は光海君の「女」となったケトン、金尚宮である。自分の愛した男を王位につけ、王となった男を守るために手段を選ばぬ女。そして最後は政争に敗れ、刑場の露と消える。死薬すら賜れず斬首の憂き目にあることになる。男勝りに政治的な権謀術数にたけた女ではあったが、大局的に見れば、謀略の繰り返しの挙句に多くの敵を作り、その敵たちにしてやられた。自分の愛した男のためにその父である先王の「女」になることすら甘んじた。ならば、その息子の「女」になることなぞ、朱子学の倫理観からして許されざること極まりないが、さすがにこの利口な女も愛した男に抱かれたいというヒトとしてメスとしていかんともし難いん感情を抑えることができず、ついにはそれも身を滅ぼす一因となる。また、父王の「女」を我がものにした光海君も「破倫」の君主の汚名を受けることになる。

何と言っても、人物の描き方がいい。ここは大奥や大河とは全く違う。例えば、昨年の「龍馬伝」の慶喜や容堂。あんな戯画的な人物描写はない。しかも、人の多面性が必ず描かれている。主人公も、それに敵対する側の人物も、すべて複眼的に描かれている。ケトンはある意味悲劇のヒロインである。愛のために生き、愛ゆえに我が身を滅ぼした賢くも愚かな女であったが、その政敵たちは単純に「敵役」ではないのだ。ケトンと争い、いったんは敗れ、一族を失い、我が子を凄惨な手段で殺された宣祖の王妃の光海に見せた凄まじいばかりの恨みと怒り。その同一人物がにおとされた母親の生存を確認し、涙にくれる姿。光海君を「破倫」の正当ならざる王として王位から引きずりおろしながらも、大妃の前で血を吐きながら36条を読まされる光海の姿に同情ともとれる表情を見せる反国王はの面々。

「女人天下」を見た時も、「日本人にはこういうドラマは作れないなあ・・」と思ったものだが、その感再び。いや、できなくはないんだろうけど、今訪英中の「蒼穹の昴」なんか見ていると、やはり無理かなと思えてしまう。

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