くまわん雑記

時々問い合わせがありますが、「くまわん」というのは、ある地方の方言です。意味はヒミツです。知る人ぞ知るということで。

尖閣問題と「台湾」: マスコミはちゃんと説明せよ!

2012年08月28日 | Weblog
尖閣問題に対する台湾の対応云々って話がありますが、この場合の「台湾」って何ですか。

ご存じのように、台湾の地には複雑なアイデンティティーが存在してまして、またそれは異なった政治的立場ということにも関連してくるわけです。

ですから、「台湾」っていっても、それもまた複雑でして。

つまり、「中華民国」として尖閣問題に対する見解と、台湾が中華民国ないしは中国であることを否定する立場、言い換えれば台独派的な立場からの見解、あるいはもしかしたら台湾の中にも親大陸派もいるわけですから、彼らの見解もあるでしょう。もしかしたら、原住民の見解ってのも。

「中華民国」または中国から切り離された存在としての「台湾」からの主張という点でいえば、歴史的に後者がとやかくいう権利はまったくありません。なぜなら、台湾という国家は存在もしなければ、過去においても存在していなかったからです。台湾とは国家の呼称ではなく、特定の島をさす地理的な呼称にすぎません。ですから、「自分は中国人じゃなくて台湾人」という立場から、あるいは台湾独立派的立場から尖閣領有を主張するというのは、まったくどさくさまぎれの泥棒、強盗行為に他なりません。

尖閣は台湾に付属する島、という主張もありますが、少なくとも、中華民国が成立する以前の清の時代にはそういう認識は「国家」としては存在しなかったというのは、清朝自らが明らかにしているところです。ですので、下関条約の交渉において、台湾割譲に並行して尖閣の帰属も交渉テーブルに乗せられただとか、尖閣は台湾とともに割譲されたという議論は、まったくのウソですし、そもそも清朝側に尖閣は台湾の一部という認識が存在しなかったのですから・・。

それはさておき、マスコミは大陸にはばかってということだとは思いますが、「台湾」の立場を報道する際、それが中華民国という立場からのものなのか、そうではない台湾という立場からのものなのか、明らかにする必要があると思いますよ。でも、マスコミ的に「中華民国」っていうのはまずいんですかね、やはり。
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