くまわん雑記

時々問い合わせがありますが、「くまわん」というのは、ある地方の方言です。意味はヒミツです。知る人ぞ知るということで。

アニメ・マンガの殿堂「国立メディア芸術総合センター」、よした方が良いのでは?

2009年05月23日 | Weblog
国(文化庁)に、アニメ・マンガの殿堂として「国立メディア芸術総合センター」(仮称)なるものを都内に、なんと100億以上かけて建設する計画があるという。

この計画、どうやらメディアや漫画家たちの間でも不評なようだが、私もよした方が良いと思う。

あの国立劇場を見てみるといい。あの無粋で陰鬱な劇場を。ロケーションも最悪で、御堀の前、最高裁のお隣り。何で裁判所の隣で芝居見なきゃならないんだよ?確か竹中工務店の基本設計で施工のはずなんだが、なんで「校倉造」なんだか? 校倉づくりといえば正倉院。すなわち倉庫の中で歌舞伎などの伝統芸能を演れ、観ろ、というのである、「お上」は。(笑)

国立演芸場なんかもっと悲惨だ。とってつけたように、それこそ落語、漫才は日陰の子扱いで、大劇場の裏手。これまた貧層で陰鬱な建物で・・・。あんなところに出たいなんて思う芸人いるのかねえ?

故大成駒曰く、役者は華が無くてはということだったが、芝居小屋も同じ。歌舞伎小屋に限らず劇場というのは、ある意味での非現実世界、しかも華やかな世界である。客もそれを楽しみに行く。歌舞伎座なんてのはまさにそうで、座席や見やすさなどの点では、国立劇場に随分劣るが、一歩中に足を踏み入れれば、何と言えない華やいだ空間がそこにはある。

国立劇場には、それがまったくない。外はくらーい色調の「倉庫」。中に入っても箱もの候で、6代目が場違いに見えて仕方がない。せめてもの救いは鏡獅子で良かった。あれが藤娘だった日には、浮いてただろうなあ。あえて良いところと言えば見やすさだ。最上階からでも、花道の七三がちゃんと見れるようになっている。ただ、それ以外には・・・。幕間にふと客席を離れて外に出てみたときのあの何とも言えない、寒さ、冷たさ・・。役所じゃあるまいに。

「官」のやることなんて所詮そんなもの。校倉造にとってつけたような赤ちょうちん、あの致命的なセンスのなさは痛すぎる。もっとも、国立劇場ができたのは40年以上前のこと。その間のお役人のなかにも粋人が出てきているのかもしれないが、そりゃないだろうなあ、霞が関という「沼地」に一度足を踏み入れてしまったら・・・。完成したときの「国立メディア芸術総合センター」の姿も推して知るべし。

先日も国ではないが地方自治体の作った文化施設に行ってきたのだが、何とも味気のないハコモノでした。人を呼ばなきゃ赤字になるんだろうけど、あれじゃあ、来たいとは思わんだろうなあ・・・。幸いGW中で結構なにぎわいだったが、最寄の民間施設は更なる人手だったそうだ。もともと素材のコンテンツ的な点ではそん色ないはずなのにねえ。ここに、民と間の差を感じるなあ・・・。

まあ、本当のところ、メディアも指摘のように、主眼はアニメ・マンガにあるのではなく、別のところに思惑があるのだろうなあ・・・。作って、カネ作って、一部業界を潤わせて、自分たちは天下り先を確保と・・。

117億円だっけ、はっきり言って無駄! 正倉院の次は、まさか伊勢神宮の内宮を模してなんて言うんじゃないだろうなあ・・・。掘立柱のアニメ・マンガの殿堂、それこそギャグ漫画だわな。

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