落ち込むしかない。
中村屋二代の芸風を好み、近い将来先代を越えて大輪の芸の花を咲かすに違いないとの確信が、大きないかにしても埋めがたい喪失感に変わってしまったことへの、愕然としか形容のしようのない今の心境。
天王寺屋の突然の訃報にも驚き、目頭を熱くしたが、中村屋の死に直面して、いまだそれに対する思いを口にすることができず、ここに文字で綴ることしかできないでいる。口にしようとすると、グッとこみ上げてきてしまうからだ。
年の瀬や・・・、
きっと中村屋快方にとの知らせが遠からず来るものと、「もう復帰は・・」と耳にしながらも、待ち望んでいたのだが、宝船はついぞ現れず。
しんしんと降り来る雪の来る先に行ってしまった、その芸とともに。
早すぎて我が子をあの世で迎える十七代目はあの世で何を思うのだろうか・・。「こんなに早く来て、猪口才な!」とでも悪態をついているのだろうか。それとも、再び親子で連獅子でも踊れることを喜んでか。あるいは、若くして残された孫二人を慮っていることか。
大村昆が「神も仏も」というようなコメントを残していた。いかに信仰心が薄いとはいえ、私はその言葉を口にしたくはない、と日ごろ思っているのだが、今回ばかりは、同じ思いを禁じえない。何ゆえ彼から芝居を奪い、我々からこんなにも早く中村屋の芸と芸風を奪っってしまったのか。
何ともやりきれない、気の重い師走になってしまった。
中村屋二代の芸風を好み、近い将来先代を越えて大輪の芸の花を咲かすに違いないとの確信が、大きないかにしても埋めがたい喪失感に変わってしまったことへの、愕然としか形容のしようのない今の心境。
天王寺屋の突然の訃報にも驚き、目頭を熱くしたが、中村屋の死に直面して、いまだそれに対する思いを口にすることができず、ここに文字で綴ることしかできないでいる。口にしようとすると、グッとこみ上げてきてしまうからだ。
年の瀬や・・・、
きっと中村屋快方にとの知らせが遠からず来るものと、「もう復帰は・・」と耳にしながらも、待ち望んでいたのだが、宝船はついぞ現れず。
しんしんと降り来る雪の来る先に行ってしまった、その芸とともに。
早すぎて我が子をあの世で迎える十七代目はあの世で何を思うのだろうか・・。「こんなに早く来て、猪口才な!」とでも悪態をついているのだろうか。それとも、再び親子で連獅子でも踊れることを喜んでか。あるいは、若くして残された孫二人を慮っていることか。
大村昆が「神も仏も」というようなコメントを残していた。いかに信仰心が薄いとはいえ、私はその言葉を口にしたくはない、と日ごろ思っているのだが、今回ばかりは、同じ思いを禁じえない。何ゆえ彼から芝居を奪い、我々からこんなにも早く中村屋の芸と芸風を奪っってしまったのか。
何ともやりきれない、気の重い師走になってしまった。