くまわん雑記

時々問い合わせがありますが、「くまわん」というのは、ある地方の方言です。意味はヒミツです。知る人ぞ知るということで。

まだまだ健在、日本における「アメリカ」というブランド力

2010年10月24日 | Weblog
クリスピードーナツの日本進出の際のバカ騒ぎには、本場のそれを身近でしる者として少なからず呆れたものだが、今回はフーターズが進出だとか。

しかも、一号店は赤坂。

確かに、NYCにも、DCにもSFにもフーターズはある。が、赤坂に相当するようなエリアにあるかと言えば、決してそうではない。
その類のエリアからは外れたところにある。

他の地方都市でも、フーターズがダウンタウンのビジネス街のど真ん中というのはまずないはずだ。地方都市であればあるほど歳の中心地からは外側に出店している。

ロケーションと言う点については、上述のクリスピークリームについても同じことが言える。新宿に相当するような地域の出店というのはまずない。そもそも、同店は単独店舗もあるが、より一般的なのはスーパーのベーカリーセクションにガラスケースにおかれ客が好きなものを自分で箱か紙袋に入れるか、既に箱詰めにして売られている類のもので、レジで他の買い物と一緒に清算するというような類のものなのだ。都内有数、日本国内有数のショッピングエリアのど真ん中で大行列をなして買うような代物ではないのだ。

フーターズも、ビジネススーツにパシっと身を固めたしかるべき企業に勤める者たちが、出入りをするような場所ではないのだ。


果たしてそれを理解している日本人がどれだけいるのか知らないが、要するに、まだ日本では「アメリカから」のものにはそれなりのブランド力があるということなのだろう。そして、その理由は「アメリカから来たものだから」というところが多分にあるのではないか。

途上国が先進国の製品を「日本製だから」、「ドイツ製だから」と飛びつくのと大して変わりのない消費者心理と言えるのではないだろうか。

確かに「アメリカ」のブランド力は低下しつつある。それはもう既にここ数十年間の現象でもある。「アメリカひじき」の我が父母の世代にとっての「アメリカ」と、我々の世代のそれは明らかに異なるように。しかし、ブランド力がまったく滅してしまったというわけではないことは、クリスピードーナツへの熱狂と出店場所、そしてフーターズの出店場所が証明している。

そこから敷衍するならば、いまだに我々にはアメリカがよく見えていないということではないのか。アメリカ人にとってはスーパーで当たり前に帰るものを日本人は長い行列を成して買い求め、マスコミがそれを大々的に報道する。社会的にしかるべき立場にある人間がまず行かない店がしかるべき人間が多く集うであろう場所に出店することに、何らの違和感も覚えない。もっとも、近年の赤坂は一昔前とは趣を異にしているところもあるのも事実だが、それにしてもである。

国家安全保障を託する国であるのであれば、アメリカをもっと知った方がよいのかもしれない。その点、日本のアメリカ研究の盛んでないことも問題であるし、アメリカ研究者は一体何をしているのだと言いたくなる。ただ、研究者に類は、一般大衆のアメリカ観の啓もう活動など興味がないのかもしれない。だとすると、これもマスコミの役目なのだろうか。いや、マスコミにこそそれは期待できないと思うのだが。

昨今、若者のアメリカ留学は下火の一途だとか。某準公的機関が出す奨学金の応募者は今年度、驚くべきことにゼロだったとか。ゼロ!である。

若者よ、今こそ、アメリカを知ろうではないか。そのためには、アメリカへ渡ろうではないか。なに、そうすると大学の卒業が遅れて就職が心配だ? アメリカの大学を出ても就職に不利にこそなれ有利にならない? 経済的余裕がない? それを言われると辛い、確かに。

若者に冷たい国、彼らを大事にしない国日本。就職一つとってもそうだが、国も企業も「人材育成」の重要性を求めるなら、もっとそこんところ真剣に考えないと。明日は我が身ではなく、明日は我が子、我が孫の身だよ、本当に、冗談じゃなくって。

なに、今は親が子を平気で餓死させる時代だ?

・・・・、返す言葉がございません。年寄りが自分の老後のためには、若い世代を食い物にすることに躊躇せず、親は子を殺し見捨てることにこれまた躊躇せず。ならば、子や孫に殺されても自業自得の因果応報というものか。

この国は滅びるね、ほんと、このままだったら。
コメント
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