COLUMBIA/CL6215/LEE WILEY/sings VINCENT YOUMANS/10inch
このリー・ワイリーというシンガーはジャズのセンスは郡を抜いている女性シンガーの一人ですが、それをひけらかす感じもなく淡々と歌う印象に大人のシンガーだと思わされます。彼女のボーカルについては、“エレガント”、“シック”、“都会的”と賛辞の評価が目白押しで、それに足してミルドレッド・ベイリーと並んで白人女性ジャズ・ヴォーカルの草分けとも言われているのは皆さんご承知のとおりです。その彼女の50年代初めの10inch盤の2枚ですが、この盤以外ではマンハッタン/CL6169が有れば彼女のアルバムとしてはほぼ満足すべきかとも思えるわけです。本アルバムの2枚のどちらも同じバックでピアノ伴奏をメインとしているので彼女のハスキーで趣味の良い大人のボーカルが充分に楽しめます。作曲家VINCENT YOUMANSの詳しい事は知らなくてもTEA FOR TWOを聴いた事がないという方はまずいらっしゃらないと思えるほどにスタンダード中のスタンダードといえる1曲を含んだアルバムです。TEA FOR TWOといえば、これまた僕が好きなドリス・ディが歌ってヒットした曲でもありそちらのイメージがより濃い方もいらっしゃるでしょう。ドリス・ディがやや甘く青春の甘酸っぱい季節を思い起こさせる歌い口に対して、リー・ワイリーの歌い口は落ち着いて冷静に判断しながらのTEA FOR TWOという印象を受けます。こういう印象の与え方が大人のボーカルを歌うシンガーと言われるのでしょう。ここでどちらがイイとかの感想は無意味なことで、どちらも上出来の良い1曲でしょう。
収録曲/A面/1, TEA FOR TWO/2, SOMETIMES I'M HAPPY/3, TIME ON MY HANDS/4, RISE'N'SHINE/B面/1, MORE THAN YOU KONOW/2, SHOULD I BE SWEET?/3, KEEPIN' MYSELF FOR YOU/4, WHY. OH. WHY?
COLUMBIA/CL6216/LEE WILEY/sings IRVING BERLIN/10inch
こちらのアルバムも同じバック奏者での録音盤でスタンダート曲が歌われています。どの曲も彼女のボーカルが楽しめるのは勿論ですが、あえて言えば僕は“HOW DEEP IS THE OCEAN”が特に好きですね。
収録曲/A面/1, HOW DEEP IS THE OCEAN/2, SOME SUNNY DAY/3, I GOT LOST IN HIS ARMS/4, HEAT WAVE/B面/1, SOFT RIGHT AND SWEET MUSIC/2, FOOLS FALL IN LOVE/3, HOW MANY TIMES/4, SUPPER TIME/
なお冒頭で彼女を“新橋の名妓”と称したのは油井正一氏でその表現を拝借させていただきました。三具保夫氏はこの2枚のシリーズを“A級ボーカリスト達が歌ったB級ソング”とB列車で行こうという本の中で以前に紹介されていますが、それは作曲家がB級という意味ではなく作品は有名だけれどもその作曲家の名は曲ほど有名ではないという意味でのB級という表現をされたのだと思います。それは、作曲家よりもその作品の方がより知られているのは作曲家冥利につきると言う事でしょう。
このリー・ワイリーというシンガーはジャズのセンスは郡を抜いている女性シンガーの一人ですが、それをひけらかす感じもなく淡々と歌う印象に大人のシンガーだと思わされます。彼女のボーカルについては、“エレガント”、“シック”、“都会的”と賛辞の評価が目白押しで、それに足してミルドレッド・ベイリーと並んで白人女性ジャズ・ヴォーカルの草分けとも言われているのは皆さんご承知のとおりです。その彼女の50年代初めの10inch盤の2枚ですが、この盤以外ではマンハッタン/CL6169が有れば彼女のアルバムとしてはほぼ満足すべきかとも思えるわけです。本アルバムの2枚のどちらも同じバックでピアノ伴奏をメインとしているので彼女のハスキーで趣味の良い大人のボーカルが充分に楽しめます。作曲家VINCENT YOUMANSの詳しい事は知らなくてもTEA FOR TWOを聴いた事がないという方はまずいらっしゃらないと思えるほどにスタンダード中のスタンダードといえる1曲を含んだアルバムです。TEA FOR TWOといえば、これまた僕が好きなドリス・ディが歌ってヒットした曲でもありそちらのイメージがより濃い方もいらっしゃるでしょう。ドリス・ディがやや甘く青春の甘酸っぱい季節を思い起こさせる歌い口に対して、リー・ワイリーの歌い口は落ち着いて冷静に判断しながらのTEA FOR TWOという印象を受けます。こういう印象の与え方が大人のボーカルを歌うシンガーと言われるのでしょう。ここでどちらがイイとかの感想は無意味なことで、どちらも上出来の良い1曲でしょう。
収録曲/A面/1, TEA FOR TWO/2, SOMETIMES I'M HAPPY/3, TIME ON MY HANDS/4, RISE'N'SHINE/B面/1, MORE THAN YOU KONOW/2, SHOULD I BE SWEET?/3, KEEPIN' MYSELF FOR YOU/4, WHY. OH. WHY?
COLUMBIA/CL6216/LEE WILEY/sings IRVING BERLIN/10inch
こちらのアルバムも同じバック奏者での録音盤でスタンダート曲が歌われています。どの曲も彼女のボーカルが楽しめるのは勿論ですが、あえて言えば僕は“HOW DEEP IS THE OCEAN”が特に好きですね。
収録曲/A面/1, HOW DEEP IS THE OCEAN/2, SOME SUNNY DAY/3, I GOT LOST IN HIS ARMS/4, HEAT WAVE/B面/1, SOFT RIGHT AND SWEET MUSIC/2, FOOLS FALL IN LOVE/3, HOW MANY TIMES/4, SUPPER TIME/
なお冒頭で彼女を“新橋の名妓”と称したのは油井正一氏でその表現を拝借させていただきました。三具保夫氏はこの2枚のシリーズを“A級ボーカリスト達が歌ったB級ソング”とB列車で行こうという本の中で以前に紹介されていますが、それは作曲家がB級という意味ではなく作品は有名だけれどもその作曲家の名は曲ほど有名ではないという意味でのB級という表現をされたのだと思います。それは、作曲家よりもその作品の方がより知られているのは作曲家冥利につきると言う事でしょう。
こんばんは、また冷えてきましたですね。
コメントありがとうございます。
仰るとおりですね。
Storyville盤を忘れるわけにはいかない名盤と思います。
特に10インチ盤はジャケも魅力的ですし。
67camperさんは、そのStoryville盤の10inchとDuologueの2枚をすでに数年前に記事にされていますね。
僕もそのうちに記事にさせていただこうと思います。
ここに、来る方には解説不要ですよね。
こんにちは
今日は暖かい一日で車で広島方面を往復すると暑いという感じがした一日でした。
リー・ワイリーにはやはり独特の華があるように感じます。
白人ボーカリストの草分けなんでしょうが彼女が感じさせる華が
時々無性に聴きたくなります。
話題それますが、彼女のManhattanはまた別格の良さがあると思います。
リー・ワイリーは、RCAにも録音がありますが、この10インチの2枚のコロンビア盤あたりの録音が最もしっくりきます。
ユーマンスの曲は、インスト物の素材として好まれることが多かったような気がします。例えば、レスター・ヤングのSometimes I'm Happy、バド・パウエルのHallelujah、Tea for Two、ソニー・スティットのI Want to be Happyなどが浮かんできます。
しかし、More Than You Knowは素晴らしいバラードで、やはり歌がききたいですし、Tea For Twoも歌もので聴きたいです。そういう意味でも、リー・ワイリーのユーマンス集は貴重なものだと思います。オリジナル・ジャケットも、その時代らしくていいですね。
こんばんは
コメントありがとうございます。
>B級
三具氏がB級と称したのはあくまで洒落た表現をされたのだと思っています。
A列車で行こうをもじっての“B列車で行こう”という読み物の中での文章ですので、その流れに添っての書き方になったのではないかと思います。
面白い表現だなぁ~と感じて引用させていただきました。
>作品は有名だけれどもその作曲家の名は曲ほど有名ではないという意味でのB級
これは僕自身の文章です。作曲家の名前より作品の方が有名という事はよくあるようですし、作品を残す事で名も残せると意味で作曲家冥利な事ではないかと思いました。
>あまりメジャーでないライターとしてはI'll Be Seeing You のサミー・フェイン
よくご存知なんですね。僕はI'll Be Seeing You はメロディ~はすぐ浮かびますが、作曲家の名前はあまり意識もしておらず知りませんでした。
ビンセント・ユーマンスって、Tea For Two 以外にも、
Sometimes I'm Happy とか、Time On My Hands なんかは
すぐ思い浮かびますから、比較的メジャーな作曲家かな
と思ってましたけど、しかしユーマンスのソングブックとなると、
ワイリーのもの以外では、思いつきませんね。
あまりメジャーでないライターとしては、
I'll Be Seeing You のサミー・フェイン、
If I Should Lose You のラルフ・レインジャー、
I Can't Give You Anything But Love のジミー・マクヒュー、
I've Never Been In Love Before のフランク・レッサー
あたりが、気になるところです。
(フランク・レッサー集としては、エディ・コスタの
「Guys & Dolls Like Vibes」(Coral)がありますね)