ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

BILLIE HOLIDAY

2006年04月21日 | 女性ボーカルH
COMMORORE盤でBILLIE HOLIDAYの“BILLIE HOLIDAY”邦題“奇妙な果実”1939年と44年録音です。先のプログでは彼女の紹介をしていないので今回少しだけ。彼女は1915年メリーランド州ボルチモアで母親が13歳父親が15歳の時に生まれ、母親の手で育てられ、10歳の時に強姦され14歳で娼館で客を取っていた子供のころ、ルイ・アームストロングやベッシー・スミスの歌をよく聴いたという事です。また売春罪で投獄され、麻薬容疑でも逮捕されるといったドラマティックな人生は本にもなりダイアナ・ロス主演で映画化されました。マル・ウォルドロンが晩年の彼女のピアノ伴奏を担当していた事は有名。1959年7月にニューヨークで死去しました。このアルバム、最初に聴いたときは暗いしその抑圧された感情を込めて歌う彼女の怨念のようなものが感じられてあまり好きにはなれずあまり聴きませんでした。何回は聴いているうちに声の中音域の豊かさや高音の美しさ、かすれてはいずり回るような低音、自分のリズムで曲を作り上げていく力強さ、どこまでも続くけだるさが彼女の持ち味だと感じ始める頃にはさほど敬遠しなくなりました。これが彼女の魅力なのでしょう。STRANGE FRUIT(奇妙な果実)というのは、リンチの末にポプラの木に吊るされた黒人の死体のことであり、これは人種差別に対する告発の歌であります。個人的にはI'LL BE SEEING YOUがこのアルバムの中では一番好きです、そのメロデイーの美しさに聴き惚れます。AS TIME GOES BYも聴き慣れた歌で好きなのですが。

バックのパーソネルは、ソニー・ホワイト(p)/エディ・ヘイウッド(p)/ジョン・ウィリアムス(b)ジョン・シモンズ(b)エド・ショーネシー(ds)シドニー・カトレット(ds)フランク・ニュートン(tp)ドク・チータム(tp)ヴィック・ディッケンソン(tb)タブ・スミス(sax)レン・ディヴィス(sax)他となっています。

収録曲は
A面が
1. Strange Fruit
2. How Am I To Know?
3. My Old Flame
4. I'll Get By
5. I Cover The Waterfront
6. I'll Be Seeing You
7. I'm Yours
B面が
8. Embraceable
9. As Time Goes By
10. She's Finny That Way
11. He's Finny That Way
12. Lover Come Back To Me
13. I Love My Man
14. I Love My Man(別テイク)

La Vergne Smith

2006年04月21日 | 女性ボーカルS
VIX盤でLa Vergne Smithの“La Vergne Smith”1956年録音、本アルバムは国内ビクターからのものです。彼女ラヴァーン・スミスは1924年ニューオーリンズ生まれですが、デイラード大学で美術を学んだが学友達に歌とピアノを聴かせているうちに周囲の勧めもあって弾き語りのプロになったとライナーノートにあります。彼女は黒人ですが黒人特有の諄さはなくは語り口はさらりとソフトで味わいの粋なハスキーヴォイスと思います。黒人シンガーをあまり好まない方も聴くだけなら黒人シンガーと判らないのではないでしょうか。

収録曲は
A面が
1.BLUE SKIES
2.I SURRENDER
3.OUT OF NOWHERE
4.THIS LOVE OF MINE
5.ST. LOUIS BLUES
6.WHEN YOUR LOVER HAS GONE  
B面が
1.BLUE PRELUDE
2.TWO MARVELOUS FOR WORDS
3.I ALMOST LOST MY MIND
4.(HOW CAN YOU STAY AWAY)SO LONG
5.STORMY WEATHER
6.GLORY OF LOVE