テレビもなかった。6―7歳ぐらいの時に家で初めて買ったと記憶している。それまではテレビがある近所に見せてもらいに行く。そんなことがあたりまえだった。いまでは、隣近所へテレビを見せてもらいに行くなど考えられないと思うけれど。
テレビといっても今のものとは全然違うよ。白黒で、もちろんリモコンなどなく、3メートル離れて見る。ブラウン管(画面)の前に、淡いブルーのプラスティック板のようなものを、わざわざ引っ掛けている。それを使うと、目が悪くならいとか言って。値段は月給の6,7倍以上していたんじゃないかな?家族が全員そろって一緒に見る。今のように家に何台もあるなんて、到底考えられない。恐らくその頃に月賦払いというのも定着していったのではないかと思う。今でいうローン、分割払いというやつ。でないと、そんな高価なもの、一発即金で買えるとは考えられないもの。