『中皿』。和牛ロースに丸茄子の揚浸し、それに胡麻だれをかけ白髪葱の上に万願寺唐辛子をのせたもの。食材の色の取り合わせが見事。とりわけ、葱の白と万願寺の緑と赤のコントラストがいい。京の「おばんざい」ではよく見かける京野菜の一つ。こんなところでお目にかかるとは…。
『焼物』。沖鮭にいくら、それにしし唐。鮭の赤味の色としし唐の緑を計算してか、器は幅広の白の皿。さらに琥珀ソースとセルフィーユが料理全体の色合いと味のバランスを整えている。和風懐石の中にフレンチが。これも板場の工夫の一つ? でも、違和感はなかった。