今年も鹿をよく見かける。多いときには、10頭ぐらいの集団で餌をあさっている姿を見かけることもある。写真を撮ろうと近づくが、鹿はすぐには逃げない。少しずつ近づいていくと、鹿はじっとこっちの方を用心深く見つめ動かない。さらに近づこうと、距離をつめると、突然逃げ出す。いつもこんな感じで逃げられるが、これまでの経験から、鹿との距離は10mぐらいが限界のようだ。鹿なりに、危険がおよぶ間合いを感じとっているようだ。
山荘の近くには奥蓼科温泉があり、4軒ほどの温泉旅館が営業している。どの旅館も深い森のなかに佇み、渓谷に面している。その近くにある「御謝鹿池」。日本画家 東山魁夷の作品「緑響く」のモチーフにもなった池。緑濃く水面は鏡のように滑らか、空の青さが映える。
蓼科はもう秋である。最高気温も20℃を下回り、涼しさよりも寒さを感じる。連日の台風発生と前線への影響か、山ではこのところ毎日のように夕方には雨が降る。山から下りて、ちょっと横道に入ると小川が見られる。水量は豊富である。山にはたっぷりと雨水がある。小川の上の雲は今日も怪しげ。間もなく雨が降るだろう。