庄助さん

浮いた瓢箪流れのままに‥、日々流転。

カレー(2)

2007-02-28 23:01:44 | 評論、感想
 当時のカレーは今のカレーと比べればずいぶんと違いがある。極端な言い方をすれば今のカレーが「カレー」という料理であれば、昔のものはまったく違う食べ物のようにも思える。
 まずカレーの中に入れる具(食材)が違う。前述した通り昔のものはジャガイモと人参がほとんどで、その他のものはあったのかなかったのかまったく記憶にない。また、今はカレーのルーが多種多様のものがあり、見事な味を引き出してくれる。しかし、昔のものはカレーの粉そのものだけであった。
 調理の方法についても、現在はその家庭、その店ならではの個性豊かなものがたくさんある。しかし、当時は具を煮て、それにカレー粉と水で溶いた小麦粉を入れるだけのものがほとんどであったように思える。だからときには食べている最中に粉っぽい感じがすることがよくあった。指で舌の上を探ってみると白い小麦粉そのものがついてくる。水に溶けなかった小麦粉の塊がそのまま残っていたのだ。
 最後に出来上がったカレーを見てみると色はまさに黄色そのものであった。しかし、現在のものは茶褐色または黒褐色に近い複雑な色をしていて、見るからに美味そうな感じがする。半世紀以上も時が経過すれば当然カレーも変わる。しかし、50年以上も前の昔のカレーが美味いと記憶にあるのは何故だろう?

カレー(1)

2007-02-27 23:29:05 | 評論、感想
 今日の夕食はカレー。カレーとの関り、付き合いは古くて長い。物心ついたときには既にカレーが大好物であったということの記憶がしっかりと残っている。今でもカレーは大好きであるが、子どもの頃は夕食がカレーと聞くと堪らなく嬉しく、まさに天にも昇るような気持ちであった。夕食の何時間も前からわくわくとした気持ちで、いざ夕食となり目の前にカレーが出されたときには喜びは最高潮に達していた。当時のカレーはまだ敗戦後の後遺症の残る物資の乏しい中でのものであり、それだけにカレーの具は貧祖なものであった。人参にジャガイモ、そして肉があったようなないような、その存在はあまり記憶にない。カレー粉は赤い缶にSBという文字が入ったものだった。カレーの具に火が通った頃を見計って水に溶いた小麦粉がたっぷりと注ぎ込まれる。鍋の中はとろみが増しいよいよカレーらしくなってきた。その鍋を覗き込んでいる顔にしっかりとカレーの匂いがへばりつく。もう我慢できない。カレーをよそるおたまに少しばかりのカレーの汁を取り、ふうふうと何度も息を吹きかけ冷ましたところで人差し指にカレーの汁をつけ口に運ぶ。口の中でカレーの味が広がり頭のテッペンまでカレーの味と匂いに占領されてしまう。    「やっぱりカレーは美味いなあー」

熱燗で一杯

2007-02-25 18:13:10 | 評論、感想
 昨日は夕刻に所用で駅まで出掛けたが外へ出ると風が強く寒さも厳しかった。暖かい日々が続いたせいか、少し気温が下がると一段と強く寒さを感じるようだ。 小一時間ほどの外出であったが家路に着く頃ははすっかり身体は冷え切ってしまった。今晩の夕食は出来合いのもの。近くのスーパーで酢じめの鯖とボイルされた蛍イカを買う。そして、餃子と牡蠣フライも。そのうちスーパーの室内の暖かさに絆されて急に熱燗が欲しくなった。  はじめは小さな瓶酒と思っていたが、飲みだしてからもう一杯と思ったとき酒がないのも寂しいもの。そう思った途端一升瓶が手の中に。やっぱり寒いときは熱燗に限る。
 今日も寒い。しかし、熱燗はやめておこう。夕飯のメインはハンバーグだという。それじゃあ、ワインだ!  

百草園(9)

2007-02-20 10:57:14 | 写真
 百草園の佇まい  日本庭園を見ていると心が落ち着く。京都をはじめ、有名な庭園は数多くあるが、どの庭園を見ていてもそれなりのよさが伝わってくる。すべてを柔らかく包み込んだの世界がなんともいえない。

百草園(8)

2007-02-19 18:40:45 | 写真
 冬枯れの銀杏。 幾種もの梅の花をはじめ,庭園に咲く早春の花々。その中に、すべての葉を落とし自分そのものを曝け出し、華やかな花の間で気後れもせず天に向かってすっくと立つ銀杏。樹齢も重ね若くはないが、気負わず、素直に、何もまとわず、ただ静かに黙って天を仰ぐ…。もいいがもまたよし。はないががある。

百草園(6)

2007-02-17 18:41:18 | 写真
 水仙(表示説明には「日本水仙」と記載あり)。そう言えば水仙はもともと地中海沿岸を原産とする植物であり、よく見れば茎の長いしなやかな水仙とは違いがあるようにも見える。水辺の近くに群生し咲く水仙は、長く伸びた茎の先端に花をつけ、その重みで花は下向きになり、自らの顔(花の表)を常に水面に映し出そうとしているようにも見える。⇒Narcissusの伝説⇒narcisumへ