ジャガイモの隣に「きぬさや」が…、淡い紫の花をつけたものは結実も近い。こんな可憐な花にも多少なりとも放射能の影響があるのかもしれない。放射能は種類により半減期の長いものがある。東電、政府の発表の中には、放射能の拡散は「わずか」とか、「微量」とかという言葉がよく出てくる。しかし、自然界に存在する放射能の量からすればはるかに多い数値が日々報道されている。その影響を何年も、何十年も受け続けるとなれば「安全」であると言い切れる確証はない。とりわけ小さな子供への影響が心配である。その影響が何年後かに「想定外」であったなどということがないように願いたいものである。
近所の公園に散歩に出掛けたらその一画にジャガイモ畑が。5月の陽光を浴び葉はすでに濃い緑色、茎も太くさらに大きく成長する気配。2,3日前の新聞やテレビでは「神奈川県足柄の茶畑から基準値を超える放射能が検出される」というニュースが…。さらにそれ以前には千葉県の牧草地からも基準値以上の放射能が…、そしてまた、千葉県の八街でも。八街と言えば落花生の生産地。酒の友に欠かせない落花生。その中でも八街の落花生「半立ち」は最高である。今回の放射能の影響でその落花生にも影響がでなければと願う。福島原発から200Km~300Km離れた場所でも放射能の影響が出ている。東電、政府の発表では、国民に安心感を与えるという配慮、思惑からか、イマイチはっきりとしない発表ばかり。正直なところ多くの人が不安に駆られている。放射能は限りなく「0」に近いにこしたことはない。ただ自然界の影響を受けている地球上ではなにがしかの影響は避けられない。だからと言って、「これこれの数値なら直ちに影響は出ない」などという話はかえって誤解を生む。
今年の蓼科は春への移行が遅い。植物の芽吹き、開花も例年に比べて1週間から10日ほど遅れているようだ。フキノトウも5月に入って漸く開花が始まった。もっとも蕾のものは、天麩羅と味噌和えにしてお先に頂いた。採れたてのフキノトウは、その香りも苦味も新鮮で透明感がある。
今年も鹿の食害が多く見られる。今年の冬は雪も多く寒さも厳しかったこともあり、いつもの年より鹿による食害を被った樹木が目につく。山に生息する鹿は比較的高地で冬を越す。春になると空腹を満たすため芽吹いた草木を求め低地に下りてくる。日が経つにつれ芽吹きは少しずつ標高を上げ、鹿はその芽吹きを追ってより高地へと上がってくる。その過程で餌となりうる樹木の表皮は鹿の前歯でこそぎ落され裸にされていく。多くの樹皮を失った木はやがて枯れ、山は緑から褐色の光景へと変容していく。鹿は可愛い。しかし、適正な数を超えた鹿の存在は山の荒廃につながる。