昨日までの雨もあがり北野天満宮へ。家族といえどもそれぞれに願い事は異なるが、まずは「家内安全」、「心身健全」を。併せて学問の神様を祭る天満宮、「頭がよくなりますように…」、と幼身内に期待をかけひそかに願う。
その後、料理は間をとりながら八寸、椀物、向附け、冷鉢と進み、料理長ご自慢の焼き物が…。黒塗りの漆の平盆に鮎の塩焼。大きな平盆の上に塩を撒き散らし、それを鳥の羽根を使って渓流の流れを描く。その上に鮎を立たせ、川を遡上する魚を巧みに表現している。京の懐石料理…、味覚として味わい深い料理であるとともに「見て味わう料理」でもある。
雨の日は、茶屋のスタッフは忙しい。遠くから川床を楽しみに来てくれたお客さんに、少しでもよい雰囲気で料理とお酒を楽しんでもらおうと…。室内に用意された料理にもその心がこもる。先付けは南瓜豆腐、小吸物は馬鈴薯のスープ。
床は上げられ敷板が雨に濡れていた。晴れていれば床の先に見える小滝を見ながら懐石と酒を堪能するはずだったが…。残念だが仕方のないこと、自然には勝てない。またの機会に期待を繋ごう。それにしても、提灯の灯りがやけに大きく見える。
京のよさは多くの神社、仏閣、その庭園に見られるが、一方で自然と調和した街並み、集落も見逃せない。貴船川に沿って緩やかに蛇行する狭い道。その道沿いに佇む茶屋の店構い。よしずの合間から覗く川床の提灯…。どれをとっても京の風情が感じられる。