前菜は瀬戸内の魚貝を用いたテリーヌ、その上の松葉はリンゴの極細切。味はそれぞれの食材がその特性を強く主張することもなく、全体が程よく調和した一品。どこか瀬戸内の穏やかで温暖な気候を思い出させる。そんな食感と味わいがなんとも言えない。
時間をかけてゆっくりと広島を堪能した今回の旅行。見ることだけではなく広島の味も郷土色があってよかった。「お好み焼き」、「焼き牡蠣」、「アナゴ飯」…、そして、銘酒「酔心」。最後の夜は『地産地消』に焦点をあてて、地元の食材をどう調理するか、その味と技を確かめたくて広島のフランス料理店へ。
池に迫り出した四阿『悠々亭』。正面に清風館を臨み、庭園を見渡す絶好のポイント。
ふと見ると、悠々亭に男が一人。背筋を伸ばし、静かに庭園を見つめるその姿。何を思い、何を考え、一人、四阿(あずまや)の中に立つのか---、その後姿が妙に人の気を惹く。
ふと見ると、悠々亭に男が一人。背筋を伸ばし、静かに庭園を見つめるその姿。何を思い、何を考え、一人、四阿(あずまや)の中に立つのか---、その後姿が妙に人の気を惹く。