炎症抑える分子合成
炎症反応にかかわるタンパク質の働きを抑える分子を、東大医科学研究所の中村義一教授らの研究グル-プが人工的につくり出すことに成功した。関節リウマチや多発性硬化症などの治療薬開発につながると期待される。研究成果は30日までに米リウマチ学会版に発表した。自らの免疫細胞が体を攻撃して起きるリウマチなどの自己免疫疾患は、決定的な治療薬がないのが現状。近年、炎症を促進するインタ-ロイキン17(IL17)というタンパク質が発症に関与していると考えられている。研究グル-プは、多数のリポ核酸(RNA)分子の中から、IN17と結び付きやすいものを選んで増幅させる手法を十数回繰り返し、特に強く結び付く分子を選抜。いくつかの候補のうち、IN17の働きを抑えるとともに、副作用の少ない分子を医薬品の候補とした。体内で作用しやすいように加工した上で、多発性硬化症のモデルマウスに投与したところ、発症が押さえられ、発症した少数のマウスも症状が軽かった。リウマチのモデルマウスも同様に、発症しないか軽症で、発症後に投与すると早期に回復した。このRNA分子がIL17の過剰な働きを抑制した結果、炎症が抑えられたと考えられるという。
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