2018/05/20(日曜日) 晴れ
高周波初心者の実習生は学問的なことはチンプンカンプンだが半田ゴテを
握って部品を取り付けたり交換したりして実験(実習)をするのは大好きだ。
来る日も来る日も、パソコンに表示される波形を眺めては溜息をついている。
何で思うようにならないんだろうか・・・・・
やっぱり「基礎」が無いから出来上がったものは「グラグラ揺れる掘っ建て小屋」
のごとくで正常な動作はしないんだろう。
でもまぁ、本人が面白ければいいかぁ・・・
今日はまた元に戻ってフィルターをいろいろ調べてみた。
最近入手したNWT-4000簡易スペアナもまだよく使い方がわからない。
その操作実習もしてみた。
先ずは工作したフィルターをもう一度確認してみた。
100MHz水晶発振回路から100MHzだけを取り出すためのフィルターだ。
工作したフィルターは二種類。 複同調回路の2P(‟2ポール”というんだそうだ。)と多段(3P)だ。
それに邪魔な50MHzを遮断するためのトラップ回路。
これを結合して100MHzだけを通過させるフィルターにするんだけど
単体のテストではそれなりの性能はあるように見える。
NWT-150スイーパのスキャンで得られた複同調回路(2P)のグラフ。
同じく多段(3P)のグラフ。
2Pと3Pのグラフを重ねてみた。
(こういう図形を描いたり作ったりするのも好きなんです。)
通過帯域のピーク値はほとんど0dBで一緒だ。
3Pの方が急峻なカーブで良いかな?
裾の方に乱れがあるけど2Pのそれよりも下側だからこちらの方が良いな・・・
トラップ回路のグラフはこんなもの。
50MHzを40dBぐらい減衰させる。
だけど、2Pでも3Pでも50Mhzはー40dBぐらいにあるからこのトラップは効き目があるかは
わからない。
3Pフィルターと50MHzトラップを組み合わせてスイープしたときのグラフ。
100MHzと50MHzの差(B)は -40dBで変わらない。
しかし100MHzの通過レベル(A)が -10dBぐらいに低下してしまうのが見える。
このフィルターにノイズジェネレータの出力を接続してNWT-4000簡易スペアナで
見てみた。
ノイズジェネレータを信号源にした簡易スペアナの使い方はまだよくわからない。
表示されたグラフもちょっと理解しずらい。
NWT-4000の入力をオープンにしてスイープするとー85dBぐらいのレベルでライン(黒)が引かれる。
ノイズジェネレータの出力を40dB・ATTを通して入力するとー60dBぐらいにアップする。(青)
25dBぐらいのゲインかな?
ノイズジェネレータの出力をストレートで入力するとー40dBぐらいのとろでライン(緑)が引かれる。
ATT挿入とストレート入力の差は40dBなんだからもっと上に行ってもいいようなきがする。
(青ラインと緑ラインの差が40dBのはずだが、グラフの目盛では20dBちょっとだ。)
NWT-4000にはNWT-150のようなトラッキングジェネレータの機能は付いていない。
それでノイズジェネレータ(一様な出力のいろんな周波数成分を同時に放射している)を使って
こんなことをするみたいだ。
だから本式のトラッキングジェネレータのようにはならないのだろう。
一方NWT-150はスペアナとしての機能はない。
ま、NWT-4000とNWT-150の2台で何とか一人前というところかな。
でもこの測定器のおかげで、何だかノイローゼになりそうだ。
以前なら、回路が出来上がって一応動作したらそのまま使って一件落着だったのに・・・
こういう測定器があると、ちゃーんとテストにパスしないと先に進めないのです。
(どなたですか?
「おまえみたいなズボラな人間はノイローゼに何てなることはない。」
なんておっしゃるのは?)
こう見えても案外繊細なんですよ・・・って自分でいう奴ほどそうではない。
こんなくだらないことでもオイらには面白い。
水晶発振回路の工作を始めてから1ヶ月が経つ。
毎日、同じようなことを繰り返しているが、退屈をする暇がないくらいだ。
測定器のおかげかな・・・感謝しよう。