古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

heatstroke (熱中症)

2017-07-16 17:40:05 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

内科外来には 季節病と言われるものが存在します。
春先なら花粉症、梅雨の時期は一年で一番流行り病が少なく
梅雨が明けたら 子どもは夏風邪(手足口病、ヘルパンギーナなど)
大人も子供から夏風邪を時々もらっていますが、食中毒が増えてきます。
クーラーが入りだしたり、秋口になって 
吸う空気が冷たくなる頃は 俗にいう風邪の人(ついでに喘息も)や秋には秋口花粉症の人が増えてきて
冬季になったらインフルエンザ、感染性胃腸症の人が増えてきます。気胸も季節性があり、春先と秋に多く、脳卒中は血圧が上がりやすくなる冬季に多い印象があります。

医療従事者は毎年繰り返される疾患を見つつ 一年の移り変わりを感じるわけですが

上記以外にも 早くて4月後半、通常は梅雨明け間近から 季節の風物詩 熱中症の方々が
内科外来や救急外来を訪れ始めます。

熱中症は

①暑くてじめじめした環境に行くと 発症しやすいです。
  梅雨時の蒸し蒸しした クーラーのない体育館で起きやすいです。
  当院職員でも給食職員(お湯を沸かすのでもうもうと蒸気が立ち込めたり、
  がんがん火を起こすため クーラーをかけていても体調によっては熱中症になります)や
  入浴介助(蒸気が立ち込め、クーラーはかかっていますが、結構蒸し暑かったりするので)の時に発生する人がたまにいます。
②カンカン照りでも もちろん発症します。
  猛暑の中 運動場で運動したり、あるいは風通しの悪いクーラーのない体育館などで運動したら
  起こりやすいのは 皆さんご存知ですね。
③もともとが体調不良で、飲まず食わずの状況で①②の環境に行くと 熱中症の
 発症しやすさに拍車がかかります。当院職員でも 冬でしたが
 朝から気分がすぐれず、入浴介助を行って熱中症になった人がいます。季節は真夏限定ではなく、
 体調と環境の二つの要因が重なると起こりやすい印象です。

先日、救急診療で
朝から試合、昼ご飯は体調不良でまったく食べれず、
そのまま午後の試合に出て 倒れた中学生男子が来ていましたが、
これは「熱中症で倒れてください」と言わんばかりの仕打ちです。
昼ご飯を食べれない段階で 熱中症の状態であったと思われ、

「体調不良」の自己申告を
何よりも恰好悪いとなぜか思っている中高生男子諸君(一部 部活の主力選手の
女子諸君も思っているかもしれませんが)は

悲愴な決意で?試合に出場。→結局 試合中に倒れ、大騒ぎ。

倒れたところで、その子がかっこいいなどと大人は誰も思いませんし
死亡することだってあるのですから、

周囲の大人は「勇気ある撤退」の大切さを子供に教えることを
ぜひお願いしたいです。
危ないことからは逃げるという選択は当然あっていいのです。

毎年のように熱中症の男子諸君を見るたびに
こういうところで根性を試すのはやめたほうがいいと考える管理人ですが
こんなに各種メディアで 毎年 熱中症の啓蒙が行われているのに
まだまだ取り残されている人がいるんだなあ。。。。と思うことも
毎夏の風物詩となっているのが現実です。

また 熱中症には「スポーツ飲料」と
何とかの一つ覚えのごとく 一生懸命飲んでいる人がいますが

熱中症はつまるところ、塩分と糖分と水分が入ればいいので
食べれる人は「おにぎり」と「お茶」で十分です。
スポーツ飲料は 糖分が濃すぎてそのままの摂取はお勧めしません。ビールも利尿作用あり、脱水が加速しますので、止めてください。
食べれない人は 飴でもポテチでも辛子明太子でもなんでもいいです。
塩分と糖分をとって、お茶でも水でも無理しない範囲で 水分をちびちび取ってください。
無理すると吐くことがありますので、本末転倒です。飲めなければ点滴という
手段もあります。

どうして熱中症の対応は 飲料だけで塩分糖分水分すべてを賄うということになっているのか
不思議だ・・と思うのもまた 毎夏の恒例の感想である管理人でした。

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