カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

遺伝性多発性嚢胞腎な、サっくん

2009-03-23 17:47:14 | 本日の患者さん
このところ、その病気の本体には手の付けられない患者さんが立て続けに見えている。

サっくんもその一人。

その正確な病名を徳さん始めて知った。腎臓に嚢胞が出来たと言うのはポツポツ聞いていたが、サっくんの場合はかなり深刻。
現在、週3回の人工透析を受けている。
サっくんの兄弟姉妹5人ともが同じく人工透析を受けているそうだ。

「根本的な治癒はもとより望むべくもなく、治療は原則的に内科的・保存的に行い、合併症の予防および除去により予後の改善をはかる。(中略)末期腎不全に陥った場合は透析療法を行うが、、、、」と腎臓病学の教科書では述べられている。

当然施療室に入ってきたサっくんの表情は暗い。
以前は看護婦さんだったので、自分の病気には妙に客観的なのか、「もう、諦めてるから」との発言が会話中何度も発せられる。

サっくんの訴えは腰痛。整形に行っても埒が明かないので、、、とおっしゃる。

こんな時、徳さんの施療方針は単純だ。
というより、それしか出来ない。
本丸に手が付けられぬのだから、本丸の激震によって影響を受けたはずの二の丸、三の丸の手当てをする。
これは単純な内臓の機能低下の場合などには、フィードバック作用もあって本丸の機能改善ににつながる事もあるのだが、サっくんの場合は器質的な変化なので、本丸に影響を与えることは考えられない。

サっくんの病気が引き連れる家来共の勢いだけは多少とも削がなければ、サっくんが徳さんの所へ見えた意味がない。

施療途中からサっくんの表情が幾分明るく感じられたのが、徳さんの錯覚でなければよいのだが、、、。