カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

MAX

2009-03-15 19:12:04 | 本日のしりきれとんぼ
痛いという感覚は、誰でもが知っているが、誰にも知っては貰えない。
楽しいこと、嬉しいことは共有できても、人は痛みを共有できない。
痛みとは、結構、孤独な世界の出来事なのだ。

その痛みの表現も実に様々だ。
(この話題で取り上げるのは、徳さんの施療を受ける時の痛みに限定)

身動きもせずにジッとこらえる人。

歯を喰いしばりながら、時折うめく人。

痛い所から離れた手足をばたつかせる人。

片方の手や足で、徳さんの施療する手を必死になって押し戻そうとする人。

笑い出しちゃう人。

絶叫する人。

今日の太郎ちゃんは絶叫型!それも半端じゃない。
太郎ちゃんはここ二,三日歯が痛くて歯医者さんにも通っている。まだ若いので神経は抜かずに処置をされ痛み止め出され様子を見ましょうという言われた。しかし、痛みは引かず、昨夜もろくに寝れなかったそうだ。食事も柔らかいものしか食べれない。施療室に入ってきた太郎ちゃんの第一声は「もう駄目!ボロボロ!」と情けない。

徳さんは、カイロの施術ではないが、他の療法で歯痛を一時的に抑えるというツボのようなものを聞いたことがあったので、太郎ちゃんの前腕の一点を強く押してみた。

太郎ちゃんの叫び声は施療室に響き渡った。妙に声がきれいだ。
足もバタつかせている。体を逃げるようにもする。
太郎ちゃんの顔を見ると、涙ぐんでいる。

しかし、これは徳さんのお仕事。冷静沈着な顔をして、太郎ちゃんの腕を掴んだまま離さない。

こんな文章を書くからといって、徳さんが人だなんて想わないでほしい。