岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「エモーショナル・リテラシー」を学ぶ。 映画『プリズン・サークル』より

2020-04-10 16:50:15 | ケアラーのために

この映画のキーワードのひとつだと思います。

「エモーショナル・リテラシー」は、「感情の識字」と訳されます。

ちょっと、分かりにくいです。

エモーションが感情で、リテラシーは読解記述力ですね。

分かりやすく書いてありました(ネットを見ました)

「リテラシー」とは、適切に理解、解釈し、活用する能力のことを表します。

とありますので、

自らの感情を適切に理解、解釈し、活用する能力が、「エモーショナル・リテラシー」ということになります。

ここでは、「感情の識字」です。

 

なぜこのことが、TCプログラムで課題になるのか。

坂上さんの記述から学びます(世界2月号掲載)

「刑務所では、職業訓練や読み書きなどの習得が行われるが、もっとも肝心なことを忘れている。受刑者の大半は、自分の感情をコントロールできない。心から笑うということ、よい人間関係の築きかた、痛みへの反応、自尊心を持つこと、多様な感情を理解することができない。人生の中で起きたさまざまな出来事についても、そう解釈すればいいのかわからないまま、自らの感情を言葉にできずにいる」

これが「感情の識字」ができないということです。

私たちにしても「感情の識字」ができているかといえばかなり怪しいけれど。

 

目的は、「感情に振り回されるのではなく、感情を使いこなせるようになる」ことです。

 

私にも苦い経験があります。

自立準備ホーム(出所者が住居を得るための準備施設)の支援者をしていた時のことです。

ホームに入った方の住居を探すのですが、なかなか見つからないのです。

そうすると本人も焦ってしまいます。

精神的に追い詰められ、感情のコントロールが効かなくなってしまいます。

その結果、ほんとに少額の万引きをして現行犯逮捕されました。

再犯です。

逆戻りです。

 

どうにかならなかったのか。

とても悔やまれました。

しかし、私には知識も経験も不足していました。

 

たぶん、多く受刑者の方は「感情の識字」ができなくて再犯を繰り返すのだと思います。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

 



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