いやー、圧倒されました。
前日に続いてテレンス・マリック監督作品を観ました。
デビュー作『バッドランズ』から5年後1978年に制作されています。
前作と続けて観ることでこの監督の計り知れない「意図」の片りんを知ることができると思います。
また、監督が畏敬する先人に黒沢明氏や溝口健二氏があげられていることが理解できます。
彼らの映画に米国の映画人はどのように応えるか。
テレンス・マリック . . . 本文を読む
映画の始まりと言われるトーマス・エジソンが1891年に発明した「キネトスコープ」が、
130年以上たってもメディアとして生き続けていることはとてもありがたいことです。
人びとの懸命な努力があるからこそ継承されているのだと思います。
この映画を観ることは上映当時の自分自身の「こころ」に帰ってみることができるのです。
貴重な体験を映画は与えてくれています。
ありがたいことです。
  . . . 本文を読む
米映画『バッドランズ』は日本では劇場公開されていなく半世紀たってから初公開になりました。
(映画通でもなく、映画マニアでもない、ただの映画好きの映画案内です)
この『バッドランズ』は、想田和弘監督が月1回開催している「シネマ放談会」での上映作品です。
監督が薦める映画ですから、いつもソワソワと出かけます。
岡山や京都(私のテリトリー)には、このような映画を上映する「名画座」があります。
. . . 本文を読む
小さないのちが遺した
伝えなくてはいけないこと。
忘れてはいけないこと。
「なぜわが子が学校で最後を迎えたのか」10年間にわたり、
その答えを探して撮影し続けてきた親たちの記録
チラシに載せられたことばです。
まさにこの通りのドキュメンタリー映画です。
大川小学校についてwikiに書かれています。こちら
東日本大震災の津波により74人の児童(うち4人 . . . 本文を読む
非常に関心の高い映画です。
観客も多かったです。
監督の家族の日々を追った私的なムービーですが映像作家であり、家族の一員だった監督が撮影・編集したという特別なドキュメンタリーです。
最初のシーンは女性の叫び声です。録音だけです。
つぎに以下のようなテロップが続きます。
『本作は、姉が統合失調症を発症した理由を究明する意図はない』
『また、本作では、統合失調症という病気に . . . 本文を読む
『聖なるイチジクの種』は3時間近くの長編映画です。
短い映画なら2本分といっていいほどです。
で、この映画の後半は第2部といっていいでしょう。
映画の雰囲気もガラッと変わっていきます。
主人公のイマンは、家族ともに彼の郷里に戻ろうとします。
反政府派に身バレしてしまった以上、首都テヘランから脱出することが身を守るために必要な行動です。
車で逃げていく途中にも複数の車が追 . . . 本文を読む
3月23日に行われた想田監督の『ノー・アザー・ランド』「シネマ放談の会」でも取り上げられたのがこの『聖なるイチジクの種』でした。
監督を始め私の友人も全員が「傑作!」と絶賛していました。
観ないわけにはいきません。連日のシネマクレール通いとなりました。
3時間という長編映画です。
考えをまとめようかなと思っていたところ『侍タイムスリーパー』がアマゾンプライムで放送されていま . . . 本文を読む
3月23日、久しぶりの想田和弘監督の「第11回シネマ放談会の日」です。
「観客の皆さんの放談を想田監督が辛抱強く聞く会」?です。
何とも贅沢な会です。
『ノー・アザー・ランド』。ヨルダン川西岸の人々の緊張した日々を追います。
ヨルダン川西岸は、イスラエル軍が実効支配しています。
(1967年第3次中東戦争で占領、以後オスロ合意1993年を経ても実質状況は変わらず)
軍事 . . . 本文を読む
結構長い映画で2時間30分はありました。wikiはこちらです。
アノーラは主人公の名前です。アニーと呼ばれています。
この映画はR指定です。
セックスワーカーをリアルに描こうとするとこうなります。
でも大人向けのコメディとも言えますが、おとぎ話ではありません。
考えらせることがいっぱいあります。
「アノーラ」ってどこの地方の名だろうとAIに聞くと中央アジ . . . 本文を読む
10月20日、京都シネマで『五香宮の猫』の本編後に監督による舞台あいさつということなので出かけました。
8時40分頃に京阪四条駅に着きました。
まだまだ人通りが少ない時間帯です。歩いているのは外国の観光者が中心です。
錦小路はまだ準備中のお店が多いのですが朝の散歩中の観光客がいます。
朝ごはんの店に外国人観光客がどんどん入っていきます。なるほど新しいモーニングですね。
&nb . . . 本文を読む
情報もない中、なにか気になるタイトルだったので観てみることにしました。
チラシには「少女の壮絶な人生を綴った新聞記事」を基に描く、衝撃の人間ドラマとあります。
こういうのちょっと苦手です。間違いなく明るい映画ではなさそう。
2時間暗闇の中で過ごすのきつそうと思いました。
でもです。重い腰を上げて岡山市のシネマクレールに行きました。
多くはない観客でしたが確かな映画情報に接 . . . 本文を読む
『ありふれた教室』はその結末に向けて疾走します。
見出し画像はチラシの裏面です。
上部にオスカーが腕を交差して見下ろします。
中下部にノヴァック先生が顎に手を据えて見つめます。
さらに下部に5コマのカットが入ります。
左から
盗撮した動画を観る3人(校長、ノヴァック先生、クーンさん)
ノヴァック先生
ありふれた教室の風景
パソコンを抱えて逃げるオスカー※
男性教員二 . . . 本文を読む
この作品の監督であるイルケル・チャタクさんはトルコにルーツを持つドイツ人です。ドイツ生まれながらトルコで育っています。
作中のノヴァック先生はポーランド移民の子です。
監督はなにをノヴァック先生に託しているのか、興味深いですね。
さて、盗撮したノヴァック先生は、一度はオープンにした録画を封印します。
2度と人に見せることはありませんでした。
エモーショナルな行動を起こした . . . 本文を読む
前回では盗難事件の犯人捜しが進められているところまででした。
この作品は見事なまでに伏線が張巡られており、一度観ただけでは見落としていることが多いのです。
2度見てからのちに修正が入ると思います。悪しからず。
ノヴァック先生は、よく備え付けのコーヒーメーカーに付属している料金箱にコインを入れてコーヒータイムを過ごします。
ある時、その料金箱から小銭を獲っている教員に気づきま . . . 本文を読む
『ありふれた教室』本編です。
まずストーリーです。ホームページから
ある中学校で発生した小さな事件が予想もつかない方向へと進み、校内の秩序が崩壊していく様を、ひとりの新任教師の目を通して描いたサスペンススリラー。ドイツの新鋭監督イルケル・チャタクの長編4作目。
仕事熱心で正義感の強い若手教師のカーラは、新たに赴任した中学校で1年生のクラスを受け持ち、同僚や生徒の信頼を得ていく。ある時、校内で . . . 本文を読む