岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「サンクチュアリ」へようこそ。 映画『プリズン・サークル』から

2020-04-09 11:33:06 | ケアラーのために

映画の中で「サンクチュアリ」という言葉が使われていました。

TC(回復共同体))プログラムの会話の中でです。

聞きなれない言葉ですが、オーストラリアなどではよく聞かれます。

人間ではなく、動物たちの保護区のことです。

しかし、wikiを見てみれば、聖域、聖地という意味があることがわかります。

 

TCでは、サンクチュアリを以下のように定義しています。

1.傷ついて人びとが、他者のサポーティブケアによって癒される場所。

2.暴力や報復という思考が抑えられ、個人や集団の力をつかって、より良い人生、および、より良い世界をもたらそうとする場所。

3.喜び、創造的で新しい制度、共感や励まし、そして変容に関わる場所。

※世界3月号「プリズン・サークル 坂上香」から引用

 

まさに聖域、聖地、保護区ですね。

この言葉をTC訓練生は、日常用語のように使います。

びっくりしました。

私たちの日常ではふつう使いませんね。

これは、TC発祥の地アメリカで使われている用語をそのまま訳さずに使用した例です。

確かに、聖地や保護区という訳(やく)にするわけにはいきませんね。

言葉には、前もってそれぞれに隠れた意味を持っていますので、

それが邪魔なことがあります。

訓練生には、この「サンクティアリ」という真っ新な言葉を素直に受け入れる土壌があったともいえます。

 

「サンクティアリ」を「安心して本音で語り合える場」と感じてもらい、

今まで「サンクティアリ」がなかった人々が、生き直しを考える場にできたらという思いです。

 

「サンクティアリ」は「自己開示」をできる場です。

私たちは人に言いたくないことを抱えています。

私だけの秘密ですね。

訓練生は、こころの中にいっぱい、言いたくない、考えたくない秘密を抱えています。

そして、その秘密(傷)に蓋をしてしまっています。

「自己開示」とは、その蓋を開けることです。

そのために「サンクチュアリ」が必要なのですね。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 



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