こぐま経済研究所ブログ

やさしく金融情報をお伝えします

個人マネーの海外シフト

2010-01-26 16:54:24 | 日記
個人投資家の海外志向が鮮明になってきた。公募投資信託に占める外貨建て資産の比率は2009年末に46.5%となり、年末の比較では過去最高を更新した。金融危機以降の回復が目立つ新興国の株式などに投資するタイプの人気が高い。日経平均株価は1万円台を回復したが、外国株に比べると上昇が鈍い。新興国投資にはリスクもあるが、個人マネーが投資収益を求める志向が強まってきていると言えそうだ。

日本株に投資する投信から3年連続で資金が流出するなど、国内資産離れが続いているのと対照的に、個人マネーの外貨シフトは鮮明。日本株投信の収益率が平均で14%にとどまったのに対し、外国株式型は48%。中でも新興国株式型は75%と高かったことが背景だ。

日経 23日朝刊
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今週も続落の日経平均。アメリカの金融引き締め策や中国の融資規制などの影響を受け、株価が下落しています。企業業績は、今週から第3四半期の決算発表が始まりますが、ファンダメンタルズよりも海外市場の動向に左右されて株価が変動しています。

2009年は金融危機後の回復段階に合わせて利益を出せる投資信託の設定が相次ぎました。特に通貨選択型投信は、対円の為替差益、投資先の値上がり益、運用高金利通貨と投資先の低金利通貨との為替ヘッジプレミアムを使って収益を稼ぎました。

海外市場の為替、株価の安定によって、今年は国内株式への戻りも期待したいものです。

グローバル・ソブリン・オープンと上場外債投信の比較

2010-01-25 14:54:30 | 日記
国際投信投資顧問が運用する資産規模4兆円超の投資信託「グローバル・ソブリン・オープン」(以下、グロソブ)に、新しいライバルが現れた。日興アセットマネジメントの「上場インデックスファンド海外債券」(上場外債)だ。高格付けの外国債券に投資する点はよく似ているが、運用手法や運用コストには違いがある。

「グロソブから乗り換える人も出てくるのでは」。上場外債の運用が始まったのは昨年9月。個人投資家たちのブログで、グロソブと上場外債を比較するコメントが相次いだ。2つの商品には共通点が多いからだ。どちらも投資信託という金融商品で、外債に投資して毎月分配金を支払う点も同じだ。

日経 25日朝刊
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契約型投信のグロソブと上場投信(ETF)の上場外債では、相違点もあります。上場しているということは、株式などと同じでマーケットがオープンしている間、いつでも売買ができます。株式と同様に指値注文や成行注文が可能です。グロソブは、翌日夕方に確定する基準価額で取引されます。外債投資なので、基準価額の確定は2営業日後になります。また、グロソブがアクティブ型投信として、ベンチマークを上回る運用をするのに対して、上場外債は、インデックス連動投信。そのため、信託報酬は、上場外債の方が低くなります。長期運用前提で考えるとこの信託報酬の差額が大きく現れてきます。

個人的には、ライバル投信というよりは、まったく運用形態の異なる投信と認識しております。

米政府銀行のファンド投資禁止

2010-01-24 08:49:02 | 日記
金融規制案 負債規模に上限

オバマ米大統領は21日、金融危機の再発防止に向けた新たな金融規制案を正式に発表した。金融機関の規模や事業内容に一定の制限を設ける内容で、銀行にヘッジファンドの保有・出資などを禁止、大手金融機関の負債の規模に上限を設定する。業務拡大や事業統合を促す金融自由化の方針転換につながる。規制の詳細は今後詰めるが、金融機関の融資抑制などを通じて米経済のダイナミズムをそぐことになれば、回復途上にある世界経済にも影響が及びかねない。

22日 日経朝刊

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金融機関が、「大きすぎて、つぶせない」という状況になるのをなくすのが狙いのようです。商業銀行のヘッジファンドやプライベートエクイティの保有・投資を禁止したり、負債についても制限を設けて、借入による巨大化を防ぐことを目的としています。詳細はこれからですが、巨大企業を減らし、業務ごとに企業を分割していくことが目的なのでしょうか。

この金融規制案の発表で、NY株式市場は3日間で500ドル以上も下げる事態に。日経平均も22日は277.86円下げています。米国の株安と円安・ドル高が進んで、輸出関連株が値を下げました。

通貨選択型投信の仕組み

2010-01-23 07:52:02 | 日記
昨年、金融危機後、「通貨選択型」と呼ばれる投資信託が数多く設定されました。この投信は、世界各国の株や債券に投資するものがほとんどですが、さらに、6種類くらいの通貨の中から、通貨コースをセレクトすることができます。

この投資信託の収益源としては、①選択した通貨と対円の為替差益、②投資対象資産の値上がり益、③為替ヘッジプレミアムの3つになります。

①と②は分かりやすいのですが、③についてはもう少し説明しないとわからないですよね。この投資信託は、選択した通貨(新興国など金利の高い国が多い)で、投資対象資産の通貨(米ドルなど金利の低い国)を為替ヘッジします。その際に、両国の短期金利の差が発生します。為替予約をする場合には、この差額分を上乗せしたレートで取引するのです。

ヘッジをかけることにより、為替差益は限定されますが、その分、短期金利で資金運用した際の利益は保障してもらいます。

これら3つの収益源を元にして、「通貨選択型」投信は昨年ヒット。各社がこぞって、新商品を設定しました。ちなみに、「通貨選択型」野村新米国ハイイールド債券投信は、毎月の分配金が150円ですが、「バランス型」グローバルソブリンは35円と100円以上の差が付いています。少しでも運用益を上げようと、多くの投資家が通貨選択型へ、シフトしたようです。

でも、商品内容をちゃんと理解して購入したかどうかはわかりません。

中国、2ケタ成長回復-10~12月10.7%景気刺激策が奏功

2010-01-22 16:51:22 | 日記
中国国家統計局は21日、2009年10月~12月期の国内総生産(GDP)が実質で前年同期に比べ10.7%増えたと増えたと発表した。四半期の速報ベースで2けた成長となるのは、08年4~6月以来、6四半期ぶり。09年通年のGDP伸び率は前年比8.7%で、政府が目標に掲げてきた8%成長を達成した。世界に先駆けて金融危機から抜け出した中国経済は回復傾向を一段と強め、名目GDPの規模は日本に迫っている。

日経 21日夕刊
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金融危機の影響で、2009年1月~3月期の成長率が6.1%まで落ち込みましたが、その後の4兆元の景気刺激策が奏功し、V字回復をした形です。金融緩和による大量のマネーと公共投資が支えた形となりました。今年に入り、銀行の預金準備率の引き上げられるなど、中央銀行は金融引き締めへ動き始めていますが、政府内には、引き締めに対する慎重論も多いようです。貧富の差は依然大きく、特に農村部の貧困層の解消には、まだ継続的な投資が必要との意見もあります。

しかし、資産バブルの芽が出てきたことは事実です。余ったお金は、どうしても不動産バブルへと流れていくようです。