こぐま経済研究所ブログ

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投信高リスク型にシフト~個人マネー

2010-01-17 22:21:22 | 日記
個人投資家の資金が高リスク型の商品にシフトしている。投資信託協会が15日発表した2009年の投信概況によると、新興国の株式などに投資するタイプに資金が集まる一方、分散投資でリスクを抑えたバランス型投信への資金流入は急減した。世界的な金融危機で損失を抱えた個人が、市場の回復を狙ってリスクの高い商品に資金を移す動きが広がっている。

全体の純資産昨年末17%増 新興国株型が好調。

公募投信の全体の純資産残高は、09年末に61兆3699億円となり、08年末に比べて17.7%増えた。投信の新規設定から、解約・償還を差し引いた資金流入額が2兆9537億円と08年の4.2倍に増えたことに加え、株価上昇などによる運用益が過去最大の6兆2698億円に膨らんだ。

国内株型は不振

商品のタイプ別に見ると、複数のファンドに資金を分散して運用する「ファンド・オブ・ファンズ」や「国際株式型」が資金流出から流入に転じたのに対し、「バランス型」の流入額は大幅に減少。「国内株式型」は解約が止まらずに3年連続で資金流出超となった。
09年はリスクが高くても高い収益を期待できる「ハイリスク・ハイリターン型」のファンドを選ぶ傾向を強めている。

1月16日 日経朝刊

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金融危機の影響で純資産が大幅に落ち込んだ2008年末に比べ、純資産は大きく改善しました。世界各国の昨年1年間の株価上昇による運用益増も過去最高を記録しています。特徴的な動きとして、いままで人気のあった「グローバル・ソブリン毎月決算型」などを含むバランス型投信への資金流入額が減り、これに代わって、通貨選択型と呼ばれる投資信託が昨年数多く設定され、投資家の資金を呼び込みました。バランス型の中には、分配金が減ったファンドもあり、より多くの利益を狙える投資信託にスイッチした投資家が多いようです。金融機関では、投資信託の長期運用を投資家に勧めますが、証券会社などでは、より利益をあげられる商品へのシフトを営業窓口戦略としているようにもうかがえます。