こぐま経済研究所ブログ

やさしく金融情報をお伝えします

元建て金融商品拡大へ 保険・証券向け香港で口座解禁

2010-07-22 11:59:15 | 日記
中国人民銀行(中央銀行)と香港金融管理局(HKMA)は19日、香港での人民元業務を拡大する合意文書に調印した。香港の証券会社や保険会社などが、同地に拠点を持つ金融機関に人民元建て口座開設を解禁することが柱。香港で既に元建て社債や中国国際の発行が解禁されているが、今回の合意で保険や証券の販売環境も整い、元建て金融商品が拡大する流れとなる。

外国人投資家にとっては「香港居住」など一定の条件を満たせば、同地を通して元建ての保険や証券に投資する道が開けることになるとみられる。元の運用手段が広がる可能性が高くなったと言える。

これまで、対中貿易などに従事する企業は元建て口座を開くことができたが、金融商品を扱う口座は認められていなかった。今回の規制緩和により、金融機関が顧客から集めた人民元資金を自らの口座に蓄積し、元で運用する基盤ができる。

日経 20日朝刊
------------------------

香港の金融機関や証券会社を通じて、外国人投資家が元建て商品へ投資する道が開けてきました。元建て投資信託の購入もその内に可能になるかもしれません。海外の運用機関が、ファンドオブファンズとして、中国元建てファンドにも投資する投資信託を設定する日も近いか?

投信の運用成績悪化 1~6月、全体の85%

2010-07-13 17:29:20 | 日記
欧州の財政不安に端を発した世界的な株安や円高の影響で、投資信託の運用成績が悪化している。主な投信について、6月末時点での年初来の基準価格騰落率(分配金込み)を調べたところ、全体の85%に当たる486本が下落した。下落が目立ったのが中国やブラジルなど新興国の株式で運用するタイプ。国外からの投資マネーの縮小や金融引き締めが株式相場の低迷を招き、投信の成績に響いた。

野村総合研究所が、6月末の残高が100億円以上の追加型と株式投信571本を対象に調べた。

下落率上位10本のうち、日興アセットマネジメントの「日興AM中国A株ファンド2」(下落率29%)をはじめ5本を中国株投信が占めた。預金準備率の引き上げに加え、不動産バブル抑制策への警戒感から、主要指数の上海総合指数は6月末までの半年間で27%下がった。日興アセットや大和証券投資信託委託が運用するブラジル株投信も、株安が響き、下落率が18%前後と大きかった。

(中略)

一方、上昇した投信では、インドネシア株で運用するタイプや、金価格に連動する上場投資信託が好調だった。

日経 13日(朝刊)
---------------------------

中国株に投資するファンドの運用成績悪化が目立ってきました。確かに今年に入ってから、金融引き締め策で資金を吸い上げることに力を入れて不動産バブルを抑制する動きが目立つ中国から、個人の投資マネーも少しずつ離れ始めたのかもしれません。新興国向けは特に変動が激しいので、昨年、金融危機後の資金を吸収した新興国ファンドから、今度は資金が安定志向の国内債券や主要国債券へ投資するファンドへ動き始めたという記事も少し前にありました。

本来、投資信託は長期保有が建前ではあるのですが、日本の投資信託に限っては、短期売買する方も多いようです。


中国、外貨準備が一時減 5月末15カ月ぶり、6月末は再び増

2010-07-12 14:52:18 | 日記
ユーロ急落で損失発生

中国人民銀行(中央銀行)が11日発表した2010年上半期の金融統計報告で、中国の外貨準備が5月末に09年2月以来、1年3カ月ぶりに減少していたことが明らかになった。欧州不安でユーロが急落した時期と重なり、外貨準備のうちユーロ資産で保有している部分に多額の評価損が発生したためとみられる。中国政府が短期的に外貨準備の増加分を日本円や新興国通貨に振り向ける動きを強める可能性がある。

日本国債への投資拡大も

中国の5月末の外貨準備は2兆4395億ドルで、4月末に比べ510億ドル減少した。6月末には再び増加に転じ、2兆4543億ドルと3月末をわずかに上回って四半期ベースの過去最高を更新。2位の日本を2倍以上引き離し、世界1位であることには変わりは無い。

5月末に中国の外貨準備が減少したのはユーロが対ドルで急落し、ユーロ資産の価値がドル換算で大きく目減りしたのが主因とみられる。中国は外貨準備の7割をドル資産で運用してきたが、08年秋の金融危機をきっかけにユーロ資産の運用比率をやや高めたもよう。市場では、5月以降のユーロ急落で中国の外貨準備には500億ドルを超す評価損が発生したとの見方が出ていた。


日経 12日朝刊
--------------------

外貨準備の増加は一般的に、貿易黒字の増加(輸出拡大)、中国国内での元からドルやユーロ等外貨への交換、海外からの直接投資、さらにはいわゆるホットマネーといわれる投機資金があげられます。外貨準備の中には不動産投機目当ての外貨増もかなりあるかもしれません。今後も輸出は堅調な伸びが予想されていますし、5月に欧州問題で若干目減りしましたが、世界一位の外貨準備高は今後も増加を続けそうです。

景気一致指数 14カ月ぶり低下 5月、生産マイナス響く

2010-07-07 15:35:49 | 日記
内閣府が6日発表した5月の景気動向指数(2005年=100)によると、景気の現状を示す一致指数は前月と比べて0.1ポイント低い101.2で、14カ月ぶりに前月を下回った。輸出減速やエコポイントなどの政策効果の一巡で、企業の生産活動がマイナスになったことが影響した。数か月先の景気見通しを示す先行指数も2カ月連続で低下しており、景気回復局面が微妙な段階に差し掛かっていることを裏付ける結果になった。

先行・一致ともマイナスになるのは15カ月ぶりになる。内閣府は8カ月連続で「改善を示している」との基調判断を示したが、津村啓介政務官は記者会見で「回復のテンポが緩んできた」と警戒感をしめした。

一致指数のうち、設備投資動向を示す投資財の出荷指数が2.1%減と大きく落ち込んだ。アジアや米国向けの輸出が一服し、企業の生産活動も0.1%低下と3カ月ぶりに悪化した。ただ有効求人倍率は改善を続けており、すべての指標が低調だったわけではない。

日経 7日朝刊

------------------------
過去の一致指数の動きをみると、

2009/03 83.6を底として、順調に回復を続けてきました。
2010/03 100.5と100ポイントの大台を回復しています。
2010/05 101.2で前月比-0.1ですが、来月以降の動きを見てみないとどのように変化するかわからないですね。

ただ、先行指数が-3.0となったのは、金融危機で景気が減速方向に向かっていた2008年11月の-3.5依頼です。景気の先行指標になる指数だけに今後の動きが気になるところです。

6月の子供手当て支給開始で景気は上向くのでしょうか?

景気動向指数は内閣府のページを参照ください。

個人の投信購入額「国内債券型」3倍に 4~6月為替リスクを回避

2010-07-06 17:24:23 | 日記
ユーロ不安や急速な円高進行を受け、為替リスクのない国内資産で運用する投信を購入する個人が急速に増えている。4~6月は、国内債券で運用する投信への資金流入額(新規購入から解約・償還を引いた金額)が1~3月の3倍強に膨らんだ。これまでは、外国債券など海外資産で運用して高額の分配金を出す投信に人気が集中していたが、投資対象の分散が進みつつある。

投資信託協会と野村総合研究所のデータによると、4~6月は、誰でもいつでも買える追加型の公募信託の資金流入額が1兆8300億円になった。1~3月より3割近く増え、個人の旺盛な投資意欲を示した。
資金流入が目立ったのが、国内債券で運用する投信。資金流入額は1031億円と、3.2倍になった。6月末の残高は5273億円と、追加型投信全体のわずか1%強にすぎないが、急速に人気が高まっている。

日経 6日朝刊

--------------------------
世界的な株安や景気の先行き不透明感から、ハイリスク・ハイリターンから国内債券で運用するタイプに資金が動き始めたようです。リターンは低いが、安定性はやはり国内債券が一番といったところでしょうか。金融危機でも国内債券型は安定運用を続けました。今後の資金の動きに注目しましょう。