こぐま経済研究所ブログ

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中国政府直属シンクタンク「人民元10%切り上げを」

2010-01-08 14:25:33 | 日記
中国政府直属のシンクタンク、中国社会科学院のエコノミストが6日、人民元の対ドル相場について「一度に10%切り上げるべきだ。」とする論文を発表し、元の先物市場で一時、ドルが売られる場面があった。中国政府は元相場の安定を当面維持する方針を変えていないが、政府内で元切上げ論根強いことを裏付けている。

論文を発表したのは同院世界経済政治研究所の副研究員。「金融危機後の時代に元相場の上昇期待を抑えるのは難し。」と指摘した上で、元相場を実勢より低めに抑えるための元売り・ドル買い介入がカネあまりを助長し「資産バブルを勢いづかせる」との懸念を表明した。

日経 1月7日朝刊

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中国元の切り上げは、今年あるのか?
少なくとも年央ころには、元が切り上げられるとの観測が現在の主流。

確かに、流動性資金の多くが、不動産市場に流入し、住宅価格の高騰・資産バブルの様相が現れてきた感じがします。中国政府としては、先日、温家宝首相が、しばらくはいまのままでいく(性急な切り上げはない)とのコメントを出していましたが、なるほど政府内には反対分子もいるのですね。

ここまで、元の切り上げが騒がれると、切り上げ後の利益狙いで、海外からの投資が急増します。この資金が余計に流動性を増加させ、バブルを加速しかねません。

切り上げのポイントは、輸出企業の切り上げによっても業績確保できるかどうかになりそうです。元切上げで収益が悪化するのは輸出産業ですから。日本でも同じですよね。

それにしても、4兆元の景気対策も含め、国内の手元流動性は相当高いと思っています。