こぐま経済研究所ブログ

やさしく金融情報をお伝えします

商品ETF 広がる選択肢

2010-05-31 15:02:28 | 日記
金や原油などの商品(コモディティー)に価格が連動する上場投資信託(ETF)が相次いで登場している。商品の値動きは一般に株価との連動性が低いため、分散投資の対象として関心が高まった。証券取引所がETFの上場に力を入れていることも後押ししている。ただ、国内に上場する金のETFだけでも4本あり、投資先を選ぶ際には迷いそうだ。商品の特徴を見極めて投資する必要がある。

手数料の安さ魅力

商品ETFが初めて国内市場に上場したのは2007年。商品への投資方法は従来、貴金属の地金を買うか商品先物へ投資するのが一般的だった。しかし証券会社を通じて株と同様に売買できるETFが登場したことで、株式投資家も商品を手掛けやすくなった。「地金への投資より手数料を抑え機動的に売買したいが先物で自己資金の何倍もの取引をするのは怖い。」という投資家のニーズに合った商品といえる。

商品ETFの中で本数が多く最も売買が活発なのは金を対象としたETFだ。金は株や通貨からの資金の逃避先として買われやすく、金融危機時などに分散投資の効果が現れやすい。4月以降にギリシャなど欧州財政危機で世界的に亜k部下が下落した際にも、金だけは上昇した。一方、原油は景気動向の影響を受けやすく、金と比較すると株と似た動きをしやすい。

日経 31日朝刊

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ここ数年でETF自体、かなり本数が増えました。商品価格に連動するものも増えてきています。ETFは投資信託ですので、運用資産全体の大きさを示す、純資産残高が投信協会から開示されますが、4月末時点の総額ベースで約2兆5千億円。国内設定の投資信託全体で約65兆円ありますので、投資信託全体に占める割合は約4%弱です。本数は多いものの、純資産ベースでの規模はまだ低いと言わざるを得ません。ETFの銘柄数は、東証で88本、大証で11本の計99本。銘柄の中には、ほとんど取引の無いものもあり、特定の銘柄に売買が偏っているのが現状です。

一方、世界に目を向けると昨年末のETFの総資産残高は1兆ドルを超えました。市場は拡大傾向にあります。

商品相場そのものもそうですが、どうしても国内市場が活性化しない。新しい商品を投入して市場の活性化を図るだけでなく、将来的な証券市場のありようも踏まえた戦略が取引所に求められそうです。

「中国、預金金利上げ 機熟す」

2010-05-28 16:52:35 | 日記
27日付けの中国紙、中国証券報によると、中国人員銀行(中央銀行)の金融政策委員を務める李稲葵清華大教授は同紙に対し「預金金利を適度に引き上げる条件は既に熟している」と述べた。預金金利が消費者物価の上昇率を下回る実質マイナスの状態が続いているためだ。インフレや不動産バブルの抑制に向け、預金金利を実質プラスにする必要があるとしている。

金融政策委員会は人民銀の諮問機関で、政策の決定権はない。ただ、李氏の発言は人民銀内部の議論を反映していると見られる。

4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.8%上昇。伸び率は1年半ぶりの大きさとなり、3カ月連続で一年物の定期預金金利(2.25%)を上回った。預金金利が実質マイナスの状態が続くと、消費者は稼いだお金を預金よりもモノや不動産の購入に回すようになり、価格が上がりやすくなるとされる。

日経 28日朝刊

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銀行に預けても、利息以上にモノの価格が上がってしまっては、上がる前に買うしかない!
中国人は、どちらかというと、稼いだお金をすぐ使ってしまう傾向があると聞いています。安いうちに買ってしまおうという流れが、不動産にお金が流れている一つの原因かもしれません。銀行は預金準備率の切り上げを今年に入って3回行っていますが、顧客に対する預金金利もそろそろ上げ時のようですね。

米株式投信 個人マネー流出 12日時点で1.2兆円リスク回避加速

2010-05-27 17:46:48 | 日記
米投資信託協会(ICI)によると、5月は12日時点で株式投信から差し引き136億ドル(約1兆2200億円)の資金が流出した。欧州の財政不安に端を発した世界的な株価の下落が背景にあり、月間でも昨年12月以来の流出になる可能性がある。リスクの高い高利回り社債で運用する投信も解約が相次ぎ、個人マネーの「質への逃避」が目立つ。

投信の流出額は12日時点で米国株が109億ドル、海外株が27億ドル。海外株投信が月間で流出になれば2009年3月以来、約1年2カ月ぶりとなる。

米国も日本と同様、成長期待の高い中国やブラジルなど新興国株を組み入れた投信が人気を集めてきたが、最近では新興国株ほど下げが大きく個人マネーの流出を招いている。

日経 27日朝刊

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通貨選択型や新興国投資型から資金が逃げ始めたようです。その影響、日本でも同じように出てくると思われます。

NY株 一時1万ドル割れ 日経平均9500円割る ユーロ108円台

2010-05-26 18:01:22 | 日記
世界の株式、外国為替市場が動揺している。25日の東京株式市場は5日続落し、年初来安値を更新。これに続く同日の欧州株式市場も軟調となり、続くニューヨーク市場ではダウ工業平均は一時、1万ドルの大台を下回った。外為市場ではユーロ安が加速する一方、円やドルが買われやすくなっている。

市場ではギリシャを発端とした南欧への懸念がくすぶり続けており、こうした国の国債などを保有する欧州金融機関の経営内容に対する不安が折に触れて材料視されやすい。米経済への懸念や北朝鮮問題をきっかけにした北東アジア情勢の不安定化もあり、日本に続く欧米市場でも株安やユーロ安が加速している。

日経 26日朝刊

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日経平均も昨日の終値は9500を割り込み、9459円89銭(-298円51銭)で終了しました。欧州の金融不安と北朝鮮問題が原因でしょうか。値下がりが止まりません。マネーは株式市場や商品市場から、債券市場へシフトしています。財政状態そのものの比較では、ギリシャよりも日本の方がよほど悪いのですが、やはり国内で購入・消化されていることへの安心感と流動性の高さもあって、資金がシフトしてきているようです。経済指標が好転しても、欧州不安が先行している状況です。

毎月決算型投信の人気

2010-05-25 14:26:06 | 日記
最近は、分配金の支払い回数や分配金額を購入条件としている方が多いのではないでしょうか。10年前には投資信託は一般企業と同様に毎年1回または2回の決算を行い、余剰金から分配金を支払っていました。それが、97年12月に販売開始となった、国際投信のグローバル・ソブリン毎月決算型を火付け役として、その後、毎月分配金を支払う投資信託が増えてきました。約3700本ある国内設定の投資信託のうち、約650本は毎月決算型の商品になります。毎月必ず分配金が支払われるので、銀行の利子に比べると、投資をしている実感がありますが、反面、運用成績が悪くても、原則分配金を支払いますので、場合によっては自分の運用資産を食いつぶして分配金を拠出しなければならないことも考えられます。

一方、昨年の金融危機で、大きな損失を被った投資家たちは、何とかリターンを得るべく、「通貨選択型投信」へ資金をシフトしました。海外のハイイールド債への投資と為替ヘッジプレミアムを原資とするハイリターン・ハイリスクの商品です。このタイプの商品にも毎月決算型は多く、現在約160本程度あります。

2009年、多くの資金を集めた投資信託は、この通貨選択型&毎月分配型です。グローバル・ソブリンは先進国の投資適格債券への投資を行うため、金利低下に伴う分配原資不足で、毎月支払う分配金を減額せざるを得ませんでした。(月35円など)それに代わって通貨選択型投信は、高利回りを維持して高配当を実現しました。(月150円など)顧客の資金は、グローバルソブリンから通貨選択型へシフトしました。結局、分配金次第で投資先を変更されたとも思えます。

ただ、高額の分配金を支払うことと、運用状態の良いファンドとは必ずしも一致しません。分配しても、基準価額が下がっていたらトータルでは損失になります。もともと毎月分配型は長期運用に合わない商品です。分配せずに再投資した方が、複利効果で収益を上げる可能性は高くなります。

必ず基準価格の推移や純資産額の推移も確認した上で、投資判断をしてもらいたいです。

kk