こぐま経済研究所ブログ

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企業 資金調達に減速感 10年度社債発行 10兆円に届かず

2011-03-31 22:17:38 | 日記
東日本大震災の発生を受けて、企業の資本市場からの資金調達に減速感が出てきた。震災前は2010年度の普通社債(SB)による資金調達は2年連続で10兆円を超えるとみられていたが、わずかに10兆円には届かなかった。新規上場も震災後に延期が相次いでいる。

10年度の普通社債の発行額は前年度比4%減の9兆9333億円。震災前はパナソニックが5000億円の社債を発行するなど、低金利を追い風に企業が長期金利を調達する動きが活発だった。

しかし震災後の起債は西日本シティ銀行の1本にとどまる。全日本空輸は4月に予定していた個人向け社債の発行をとりやめた。

公募増資などのエクイティファイナンス(新株発行を伴う資金調達)にも震災の影響が出ている。トムソン・ロイターによると、11日以降のエクイティファイナンスはケンコーマヨネーズの1件のみ。相場の不安定な動きなどを理由に創薬ベンチャーのラクオリア創薬など3社が新規上場の延期を決めた。10年度(30日時点)のエクイティファイナンスの総額でみると、前年度比48%減の4兆248億円と2年ぶりに減少した。

日経 31日朝刊
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資金調達と震災との関係は?震災による需要減から積極的な投資に動けなくなってきたのではないでしょうか。全日空も震災でかなりの乗客減となり、今後の見込みの修正を余儀なくされているのだと思います。起債もエクイティファイナンスもともに低調です。ある程度の復興が進み、経済に活気が出てこないと企業の投資も復活しないと思います。まずは、元に戻すことが重要です。被災していない地域の方は通常どおりの生活に早く戻すことが経済の活性化につながるものと考えています。

こぐま経済研究所

中国の物価高 日用品に波及 洗剤など5~15%値上がりへ

2011-03-30 22:26:46 | 日記
中国で日用品メーカーが相次ぎ値上げに踏み切る。洗剤やせっけんなど主要品目は4月から5~15%値上がりする見通し。原油価格の高騰と労働コスト上昇が背景で、中国の物価高は農産品から日用品にも広がる形となる。東日本大震災による部品供給の停滞が他の分野で価格を押し上げるとの懸念もあり、市場では4月にも追加利上げがあるとの観測が浮上している。

中国国営の新華社通信(電子版)によると、値上げするのは英蘭系のユニリーバ、米系のプロクター・アンド・ギャンブル、地場系の立白集団と納愛斯集団。中国の日用品市場に占める4社のシェアは計8割に達し、値上げが物価全体に及ぼす影響は大きい。

中国の消費者物価指数(CPI)は2月に前年同月比4.9%上昇、政府の年間の抑制目標「4%」を大きく上回る状況が続く。新華社系の日刊紙、中国証券報は29日に「3月のCPI上昇率は5%を突破する可能性が高く、中国人民銀行(中央銀行)は4月にも利上げする」と予想した。

値上げの原因は原材料価格の高騰と、賃上げによる労働コストの上昇。中東情勢の混乱で原油価格が高騰を続けるうえ、中国国内では人手不足の沿海部を中心に賃上げ圧力が弱まっていない。東日本大震災の影響も不安要因となっている。中国政府系のシンクタンクは最近まとめたリポートで「日本からの部品供給の停滞が中国企業の生産コストを高め、インフレを加速させる恐れがある」と指摘した。一部では自動車や電気製品の価格上昇を警戒する声も出ている。

日経 30日夕刊
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3月11日以降、国内の震災で、他の多くの懸案事項が隠れてしまいました。中国では物価高によるインフレが問題となっており、当局による利上げ、預金準備率上げ、さらには元高でインフレ抑制(特に不動産価格安定)の手を打っている状態です。しかし、物価は安定するどころか、3月のCPIは5%を突破する予定。となると、実質金利はそのマイナス幅を広げるわけですので、利上げも間近となるわけです。

国内総生産世界2位、賃金の上昇、購買意欲増加、物価も高騰と、今の中国は、このような流れなのでしょうか。中国には少ないエネルギーと材料で生産効率性を高めることをこれからは求めていってほしいと思います。これからは作ればいいという時代ではないと思います。そうすれば、供給側のコストも抑えることができると思います。低価格で高品質の生産を求めてほしいです。

市場動揺ひとまず終息 日経平均 予想言動率が低下 国債 保証料率の上昇一服

2011-03-29 21:53:33 | 日記
国内金融市場で東日本大震災後に高まった過度の悲観論が後退しつつある。株式市場では先行き不安を映す「予想変動率」が低下してきた。日本国債の債務不履行に備える「保険」の保証料率も急激な上昇に歯止めがかかった。だが原子力発電所の事故への警戒感は根強く、震災や計画停電が景気に与える影響も読み切れない。市場が不安定になるリスクは残る。

原発・停電で波乱も

オプション市場の動向から日経平均株価の予想変動率を計算する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は、東日本大震災の15日に70目前まで上昇したが、足元では30台半ばと半分近くに低下している。

VIの上昇は投資家の不安心理が高まっていることを示す。日経平均のオプション市場では震災直後、株価の急落に備え、当時の株価水準を大きく下回る5500円で売る権利(プット)の売買が急増するなど、不安心理が大きく高まった。原発問題への警戒感はなお残っているが、次第に過度な下値不安は薄らいでいる。

債券などが債務不履行に陥るリスクを取引きするCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場では震災後、日本国債の債務不履行に備える保証料率が急伸した。金融情報会社マークィットによると、日本国債(5年物)の保証料率は15日に急上昇し、一時1.4%近くと2009年3月以来の高い水準となった。
(後略)

日経 29日朝刊
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ひとまず収束とありますが、まだ震災前の水準には戻っていません。今、最大の懸案事項は原発問題ではないかと思います。プルトニウムも微量検出されるなど、今後、避難範囲が拡大されたりすれば、再度、上昇の可能性もないことはないのですが、そうは考えず、少しずつ着実に復旧に向かっていると信じています。

ボラティリティーとは、資産価格の変動を示すもので、リスク指標の一つです。VIは日経225を原資産とするオプション取引のプレミアムから原資産の値動きリスクを計算しています。震災前は20前後ですから、復興の見通しが見えてくれば、また元にもどるものと考えています。

こぐま経済研究所

東日本大震災後2週間の運用成績 投信の9割、マイナス 株式相場下落響く 残高3%減、51兆円に

2011-03-28 22:02:55 | 日記
東日本大震災の発生後に、投資信託の運用成績が落ち込んでいる。震災後2週間の投信の運用成績を調べたところ、全体の91%に当たる3114本がマイナスになった。株式相場が大幅に下落したことで日本株投信の低迷が目立ち、全体の残高もこの間に3%減少した。個人投資家の資産が短期間で目減りした格好だが、主に日本国債を組み入れる商品などでは運用成績がプラスを維持した投信もあり、今後は商品選別の動きも強まりそうだ。
日本国債型はプラス維持

いつでも購入できる追加型公募投信で震災前と比較可能な3433本について、震災前日の10日から24日まで2週間の基準価格(時価に相当)の騰落率を調べた。下落率が10%以上だった投信も全体の2%に当たる80本あった。

下落率の大きさが目立つのは日本株投信だ。日経平均株価がこの2週間で約1割下落するなど、株式相場の急落で運用成績が悪化した。とりわけ株価指数先物を買い建てて現物株指数の変動より2~3倍の値動きをする「ブル型」と呼ばれるタイプで損失が拡大。(中略)

原子力発電所の事故で東京電力の株価が急落したのが響き、主に電力株を組み入れる野村アセットマネジメントや大和証券投資信託委託の上場投資信託(ETF)は約2割下げた。

(後略)

日経 28日夕刊
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この2週間で投資信託の基準価格も大きく下落しています。中心は国内株式に投資するものの下落が顕著です。いたしかたないとは思いますが、逆に今は買い時。日本は必ず復興しますので、期待を込めて投資していただきたいです。原発問題はなかなか具体的な解決策に移れず、一進一退の状態が続いています。ダメと思えば悪い方へしか行きません。ここは日本国民一人一人ができることをやっていくことが重要だと思います。計画停電でもちゃんと暮らしていけるし、コンビニに物があふれていなくても生活できますよね。エネルギー消費型の経済成長を見直す時期に来ているのです。

東日本大震災 自動車生産40万台減 トヨタなど操業再開急ぐ

2011-03-27 13:21:27 | 日記
東日本大震災で自動車大手の国内生産はほぼ全面的な操業停止が続く。大手12社が25日までにまとめた生産への影響は約40万台に達し、年間生産台数の5%近くに及ぶ。こうしたなかトヨタ自動車が週明けに一部車種で生産を再開し4月中旬にも対象車種を順次広げる方針を固めるなど、復旧に向けた動きが本格化してきた。ルネサスエレクトロニクスは自動車向け半導体の供給を維持する考えを表明。車の主要部品の供給体制の再構築も進みつつある。

部品調達先の変更検討

国内の完成車組み立て工場で、震災による被害を直接受けた拠点は、トヨタ自動車子会社、セントラル自動車が新設した宮城工場(宮城県大衝村)など一部に留まる。ただ、被害の大きい東北地方には自動車用部品や電子部品の工場が多く、各社が部品の調達難による大幅減産を余儀なくされている。

25日時点で乗用車8社がまとめた減産相当分は約36万5千台。いすゞ自動車など商用車4社で2万台程度の影響が出ている。トヨタは14日から26日まで国内の完成車工場を完全に停止し、生産が14万台減る見通し。ホンダは完成車の国内2工場の生産を4月3日まで停止する方針で、4万6600台分が減る。日産自動車とマツダは25日までの集計でそれぞれ4万2千台、3万1千台分の減少となる。

(後略) 

日経 26日朝刊
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部品供給が不能となり、完成品の生産が難しくなっています。特にエンジン制御部品やブレーキ関連部品の供給が難しくなっているようです。各社、当面の部品需要を海外工場からの供給にシフトしたりして急場をしのぐ方向です。自動車産業は大変裾野が広い産業です。子会社さらにその子会社と何層にも会社がつながってサプライチェーンを作っています。仮に一部の供給体制が崩れた場合の供給ルートを複数持つ必要があるのかもしれません。コストダウンとは逆行しそうですが、やはり生産を止めることは死活問題。複数の供給ルートや部品の共用化などの検討が必要になりそうです。

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