こぐま経済研究所ブログ

やさしく金融情報をお伝えします

円年平均 最高の87円台

2010-12-31 21:10:46 | 日記
東京市場は30日、2010年の取引きを終えた。外国為替市場で年平均の円相場は1ドル=87円75銭に上昇、1973年の変動相場制移行後で初めて80円台となった。欧州の財政不安や米国の金緩和観測で円買いが進行。一服感のあった円買いは年末にかけ再び強まり、さらなる円高に警戒感もでている。

日経平均は2年ぶり下落 今年終値1万228円

2010年の日経平均株価は、年内最終取引日の30日の終値が1万0228円92銭となり、前年末に比べ3%下落した。年間で下落したのは2年ぶり。歴史的な円高の影響で主力の輸出産業が振るわず、主要国の株価指数のなかで出遅れ感が目立った。ただドル換算では約1割上昇し、米ダウ平均工業株30種平均の上昇率に並んだ。

人民元が上昇 一時最高値に

30日の上海外国為替市場では、人民元相場が一時、前日終値比0.32%高の1ドル=6.6000元まで上昇し、2005年7月の元切り上げ以降の最高値を更新した。これまでの取引時間中の最高値は、ソウルで20カ国・地域(G20)首脳会議が開幕した11月11日に付けた1ドル=6.6173元だった。市場では今後も元相場の上昇傾向が続くとの見方が多い。

日経 31日朝刊
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今年の円相場は、平均で80円台。大みそかの今日も81円台でこれからNY市場の取引きに入ります。日経平均は円高による業績懸念の出てきた輸出産業の株価下落を受けて、低迷し、金融危機前の水準には戻れませんでした。結果として、金融危機で相場下落中の2008年末以来の、2年ぶりに下落となりました。ただ2年前が異常な下げだったことも考えると、危機後、総じて低調に推移していたと考えれらます。最近の株価は国内要因よりも、米国や欧州さらには中国などの影響を強く受けて推移しています。中国の元切り上げと利上げも徐々に進んでいますので、なんとか資金を日本株投資に呼び込みたいものです。

株、6年ぶり薄商い 今年東証一部 320兆円台、個人低迷

2010-12-30 19:50:51 | 日記
日本株離れが一段と進んでいる。2010年の東京証券取引所第一部の年間売買代金は3年連続で減少し、6年ぶりの薄商いとなりそうだ。29日までの売買代金は約325兆円で、最終売買日の30日の取引きを終えても09年(341兆円)を4~5%程度下回る見込み。投資マネーは長期低迷が続く日本株を回避し、より成長の見込める新興国株などに流れた。

年間の売買代金が3年連続で前年を下回るのはバブル崩壊直後(1990~92年)以来。今年、東証一部の1日あたり売買代金が取引きの換算ぶりを映す1兆円の大台割れとなるのは29日までで18営業日で、09年(6営業日)を大きく上回る。逆に、活況の目安とされる2兆円に達したのは、5営業日だけだった。

今年の日経平均株価は4月に年初来高値を付けた後、低迷が続き、昨年末終値(1万0546円)をなお下回る。円高による輸出企業の業績懸念や政治の混迷で、日本株売買は手控えられた。

日経 30日朝刊
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金融危機後、新興国株価はもとより、欧米の株価でさえ危機前水準に、戻りつつあるというのに、日本株のみ思うように値が戻りません。11月の米国金融緩和で資金が流れ込み日本株が買われ値上がりしましたが、水準はいまいちです。今日、大納会も前日比115円62銭安で引けました。年明け後もこれといった材料がなく、株価の戻りは外部要因任せとなりそうです。そんな中で、日本株の戻りに期待した投資信託も多数、設定・販売されています。仕込みは今なのかもしれませんね。

膨らむ毎月分配型投信

2010-12-29 23:18:20 | 日記
国際投信投資顧問が運用する毎月分配型投信の「グローバル・ソブリン・オープン(グロソブ)」の純資産残高が11月末、6年半ぶりに3兆円を下回った。ピークの2008年8月には推定で160万人が保有し、5兆7700億円にのぼった残高はほぼ半減した。

グロソブからの資金流出は11月まで26カ月連続。きっかけはリーマン・ショック。09年1月に分配金を月40円から30円に下げたのも響いた。その後に35円に引き上げたが、投資家離れに歯止めがかからない。

通貨選択型が人気

投信評価会社のモーニングスターなどによると、9~11月に資金流入が大きかった上位10本のファンドはいずれも月90円~250円の高分配投信。毎月分配型全体では11月の分配金利回りが平均で年10.6%と過去最高に達する。直近の基準価格で算出した場合の利回りが年7.9%のグロソブには、別の高分配ファンドへの乗り換えを勧める販売会社もあるという。

日経 29日朝刊
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あれだけ人気のあったグロソブが、あっという間に純資産残高が半減。運用減もあるものの、解約による資金流出が続いています。もともと、高齢者の保有する預貯金をターゲットに、預金利子に比べて高利回りの分配金を提供するファンドとして注目を集めてきました。それがリーマン・ショックで、グロソブが投資する先進国が金利を下げ、分配金原資である利子が減りました。野村の米国ハイ・イールド債券投信は、為替差益とハイイールド投信の高い利子を原資としているため、リスクはグロソブに比べて高いものの、分配金はグロソブを大きく上回ります。「基準価額よりも分配重視。」個人投資家特にお金を持っている高齢者は、月々入る分配金の額だけを判断材料に投資ファンドを選択していると思われます。


ブラジル投信伸び鈍る 個人マネー流入4割減

2010-12-27 20:56:48 | 日記
資本規制が影響 インド・豪シフト

ブラジルの債券や通貨で運用する投資信託への資金流入の伸びが急速に鈍ってきた。日本の個人向け投信のけん引役だったが、11月の流入額は前月比で4割近い大幅減となった。金融市場にあふれたマネーが新興国に向かうなかで、ブラジル政府が資本流入規制を強めたためだ。個人投資家は利上げに動いたオーストラリアやインドに資金をシフトしており、米国の量的緩和第2弾(QE2)に象徴される金融緩和で個人マネーの流れがかわりつつある。

ブラジル関連は2008年秋のリーマン・ショック後の投信市場のけん引役となってきた。ブラジル債券ファンドと同国通貨レアル建てで運用する「通貨選択型ファンド」についての投信評価会社リッパー・ジャパンの推計によると、新規購入から解約を引いた資金流入額は11月は2208億円。前月比で37%の大幅な減少となった。

(中略)

国債市場では先進国の金融緩和でマネーの動きに変化が起きている。自国通貨高を警戒するブラジルは10月、米のQE2なそを見越して、海外からの債券投資にかかる「金融取引き税」の税率を2度にわたって引き上げて2%から6%にした。税率の引き上げはブラジル国債などの新規購入時に適用され、投信の運用利回り低下に直結する。

日経 27日朝刊
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先日の記事で、日本株投信の設定が相次いでいることが報道されていましたが、その背景にはブラジル投資ファンドのパフォーマンス低下もその一因かも。金融危機後、2009年から今年にかけてブラジル債券やブラジルレアルで運用する投信はとても人気があり、資金もかなり集めました。今後は、通貨選択型は、豪ドルや他の新興国通貨にスイッチングしていきそうですね。まだまだ、金利高の通貨に投資するタイプの投信は、分配金も高いため人気はあります。

中国、追加利上げ 0.25%、インフレ抑制

2010-12-26 18:49:55 | 日記
中国人民銀行(中央銀行)は25日、金融機関の貸し出しと預金の基準金利(期間1年)を26日から0.25%引き上げると発表した。利上げは2年10カ月ぶりの実施となった10月20日以来、約2カ月ぶり。海外からの資金流入の加速でインフレや不動産バブルの懸念が高まっており、人民銀は金融引き締めの姿勢を一段と鮮明にする。

中国では市場金利を誘導する先進国型の金融政策が確立しておらず、人民銀が預金・貸出金利を人民銀が直接操作する。今回の利上げで政策金利に相当する期間1年の基準金利は貸し出しが5.81%、預金が2.75%となる。

貸し出しの基準金利は前回の利上げの最終局面である2007年12月時点で7%を超えていた。この水準に比べるとまだ利上げの余地は大きく、来年も追加の利上げが続くとの観測は多い。

(中略)

中国の11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.1%上昇し、2年4カ月ぶりの高い伸びとなった。人民銀のアンケート調査では回答者の7割が「物価高に耐えられない」と答えており、国民の不満は急速に高まっている。人民銀は早期利上げで物価抑制への決意を示す必要があると判断したもようだ。

日経 26日朝刊
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10月に引き続いて、中国が利上げをしました。物価抑制が大きな目的です。消費者物価指数が5.1%上昇しているにも関わらず、預金金利は2.75%で実質金利はマイナスとなっています。米国の金融緩和でだぶついたマネーが新興国とりわけ中国に流れ込み、不動産価格の高騰以外にも、実生活に直接影響の高い食料品などの価格高騰を招いています。利上げは、貸し出し需要を減少させる効果がある半面、海外資金の流入を招く可能性があります。金利高は、短期的には元高に動きますが、ここで元高防止のための資金介入を行えば、さらに資金が市場にながれ、利上げの効果が得られません。難しいかじ取りが続きそうです。