こぐま経済研究所ブログ

やさしく金融情報をお伝えします

給与所得控除 2000万円兆を対象外 政府税調、上限設定を検討

2010-10-31 21:14:35 | 日記
政府税調調査会はサラリーマンの収入の一定割合を必要経費とみなして課税所得から差し引く「給与所得控除」について、上限を設ける方向で検討に入った。年収のうち2000万円超の部分を控除の対象外とする案が有力。同控除を巡っては、年収が高額になるほど青天井で控除額が膨らむ現行制度に対し、「高所得者ほど有利だ」との批判が挙がっており、昨年末にまとめた2010年度税制改正でも「見直しが必要」としていた。

給与所得控除の見直しは、税による所得の再分配機能を回復させるのが狙いだ。同控除は年収が増えるに応じて控除率が下がっていく仕組みで、年収のうち180万円以下の部分は40%、360万円以下の部分は30%などとなっている。サラリーマンなど給与所得者全体の平均で年収の3割弱の控除を受けている。一方、1000万円を超す部分は5%を控除できるため、年収が高額なほど控除額も膨らむ。

政府税調は同控除を適用する年収額に一定の上限額を設ける方針。2000万円で頭打ちとした場合控除額は270万円が上限となる。

日経 31日朝刊
----------------------

所得税の見直しが色々な部分で行われています。昨年は、子供手当創設のために扶養控除の見直し。(またもとに戻るかもしれませんが。。。)少し前には、配偶者特別控除の廃止などもありました。今回は、給与所得控除額の上限設定です。高所得者には、負担増をお願いするものですが、この改正で、高所得者が消費を手控えることがないようにお願いします。やはり、経済はお金が循環しなければ、成長しません。お金を持っている人は相応に使っていただく様、お願いいたします。

給与所得控除額は以前に、実際の支出額での計算も検討されたことがありましたが、あちらの話はどうなったのだろうか。。

証券優遇税制の廃止検討 政府税調 12年初から税率20%に

2010-10-30 23:10:25 | 日記
政府税制調査会は29日、上場株式などの配当や譲渡益にかかる税率(所得税と住民税の合計)を10%に軽減している証券優遇税制を2011年末で廃止する検討に入った。12年初から本則税率の20%に戻す。

証券優遇税制を巡っては来年度税制改正で、金融庁が3年程度の延長を要望中。ただ政府税調内では、20%の税率を適用している預金や公社債の利子など他の金融機関との一体課税を進めるためにも、優遇税制の廃止は避けられないとの判断が強まっていた。優遇税制廃止で株式投資に悪影響が出ることへの懸念を踏まえ、個人投資家の取引活性化策も併せて検討。具体的には12月導入予定の「少額投資非課税制度(日本版ISA)」を拡充する案が浮上している。

証券優遇税制は2003年度改正で導入。その後、2度にわたって延長され、現在に至っている。今歩の株価動向次第では再び、延長論が強まる可能性もあり、来年度税制改正の議論が本格化する年末までもつれるとみる向きもある。

日経 30日朝刊
------------------------

そろそろ見直しかと思っていましたが、10%の優遇税制廃止の方向ですね。10%に下げたのは、富裕層優遇だけでなく、個人投資家の裾野を拡げる目的もあったはず。残念ながら金融危機などを経て、個人投資家の裾野はどれだけ広がったのだろうか。家計資産を見る限りは、預貯金・保険の占める割合が圧倒的に多いのは依然、変わりません。税収を増やすことは当然のことながら、財政改善には重要な要素ですが、単純に歳入増を考えるだけでなく、市場の活性化も考えた税制を検討してもらいたいと思います。国内株式市場このままでは、ぼろぼろです。


国際会計基準審 「信用力低下で利益」認めず

2010-10-29 22:06:32 | 日記
欧米銀への批判に対応

国際会計基準(IFRS)をつくる国際会計基準審議会(IASB)は28日、金融機関などの信用力が下がると利益が発生する「負債評価益」と呼ばれる会計手法を認めないことを決定した。投資家の受け止め方と異なるとの批判が高まり見直した。米国会計基準では認めており、差の解消が今後の課題となる。

負債評価益は、金融機関や企業が発行した社債など時価評価の対象となる負債の価値が格下げなどを通じて目減りした場合に発生する。債権者への支払い義務が減ったとみなし、その分の利益を計上する仕組み。金融危機後に収益環境の悪化した欧米銀行が多額の利益を計上し、批判された。

今回の決定では、負債評価益は従来のように純利益には反映せず、土地や金融商品などの価値変動を純利益に加えた包括利益にのみ反映する。金融危機を受けて取り組んでいる金融商品の会計基準見直しの一環。

日経 29日夕刊
-------------------------

社債の評価損が、その会社の利益になる?売上を上げて利益を出すのをプラスの利益と考えるのであれば、こちらは負の利益。資産は将来の収益力要因、負債は将来の支出要因なので負債から利益が生じることは考えにくい。ただ、負債の時価評価を行うことによって計算上利益が生じてしまう。米国会計基準では、負債から生じた利益に課税されるのだろうか?変な話だ。

中国、所得増へ目標 新5カ年計画草案 成長率並みに

2010-10-28 21:30:49 | 日記
中国共産党は27日、2011~15年の第12次5カ年計画の草案を公表した。国民 の家計収入や所得などの増加ペースが国内総生産(GDP)の伸び率と同じようにする目標を盛り込んだ。環境税の導入や海洋権益の維持にも言及した。消費底上げを通じて内需拡大を進め持続可能な成長を実現することで世界経済に貢献する姿勢を打ち出した。

環境税を導入 海洋権益を維持

5カ年計画の草案は、18日に閉幕した第17期中央委員会第5回全体会議(5中全会)で採択したもので、国営新華社通信を通じ公表した。

今回の草案は、従来の5カ年計画では示してきたGDP成長率など具体的な数値目標が一切入っていないのが特徴だ。今年末で期限が切れる現行の5カ年計画にあった「経済建設を中心とする」との文言も削除。高めの経済成長にはこだわらず、環境に配慮し、消費と投資のバランスをとるなどの成長の「質」を重視する姿勢を鮮明にした。

国民の収入については「都市住民と農民の収入がまんべんなく速いペースで増えるようにする」と表明。これまでGDP成長率を下回りがちだった収入の増加ペースを「経済発展と歩調が合うように努力する」との目標を初めて明記した。

日経 28日朝刊
---------------------

GDPの高成長率継続ではなく、国民の所得増を目標にこれからの5年間、中国経済は進むことになります。中国の悩みの一つに都市部と農村部の貧富の差があります。何百倍もの差が付いているとも言われています。併せて物価も高騰していますので、国民の収入を上げなければなりません。ただ、賃金増は外国企業の他国への移転を促すことになり、いままでの産業構造にも変化が出てくることが予想されます。すでに他のアジア諸国へ工場を移転している企業もあり、世界の工場でなくなる日も案外近いのかもしれません。

中国、不動産融資残高32.9%増 9月末

2010-10-27 23:01:19 | 日記
中国人民銀行(中央銀行)が26日発表した金融機関の分野別貸し出し動向によると、9月末の不動産向け融資残高は前年同期と比べ32.9%増えた。伸び率は6月末の40.2%より鈍化したものの、依然として高水準を保っている。

人民銀は不動産価格の上昇を抑えるため、融資の抑制に全力を挙げる構えだ。

9月末の不動産向け融資残高のうち、個人向け住宅ローンの残高は37.5%増えた。伸び率は6月末の49.6%より大幅に縮小。4月に導入した2軒目以降の住宅を買う際の融資条件を厳しくする規制の効果で、住宅ローンの伸びは鈍化傾向が鮮明になっている。
ただ、いったん落ち着きを見せていた住宅価格は再び上昇ペースを速めつつある。最大の商戦期に入った9月に主要70都市の不動産販売価格は前月比で4カ月ぶりに上昇(上昇率は0.5%)した。

日経 27日朝刊
----------------------

金利を上げても、ローン規制をかけても住宅価格の上昇は止まりません。何が原因なのか?外国人が購入しているのか?オイルマネーが流入しているのか、中国の富裕層にはこれらの規制くらいではびくともしないのか。原因はなかなかわかりません。工場の労働者は物価上昇に対する賃上げストライキを行い、都市部では一般市民が買えないほど住宅価格は上昇しています。経済成長優先か、バブル回避か、難しい選択です。