こぐま経済研究所ブログ

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投信運用会社のセミナーに参加してきました。

2012-09-26 17:32:26 | 日記
投信運用会社のセミナーに参加してきました。

今回は特に「日本株投資」に関するセミナーです。投資信託の東証売買代金シェアはわずか2%と、投信の国内株式売買はだいぶ減少しています。総じて、割安状態にある日本の株式市場。日経225やTOPIXも金融危機後も今ひとつ伸び悩んでいます。

こちらの運用会社では、アナリストの企業訪問を中心に徹底的な企業分析を実施し、その中から成長性の高い銘柄のピックアップをしています。

運用会社が行った日本企業との会議数は、5900件にも及ぶそうです。年1~2回としても主要企業のほか上場銘柄ほぼすべてに対してリサーチを行っていることになります。日本株には課題が多いのが実情。

2011年過去最高益を達成している国内上場企業が90社あるにも関らず、時価総額は低迷しています。最高益企業の大多数がサービス業中心としているのに対して、時価総額は製造業に大きく偏っているなど、株式市場は必ずしも日本経済の縮図にはなっていません。

新規求人数もサービス業が全体の50%を占めていますが、TOPIXの時価総額の50%は製造業が占めています。雇用機会の大半は非製造業で生み出されているのが実情です。製造業はほとんどが生産部門を海外に移転しており、国内の空洞化が懸念されています。コストも含め、昔の国内生産に戻すことはかなり難しいと思われます。新規求人数の動きと株式市場の関係も相関が見えません。

このような中で、どのような銘柄に投資するのか。成長産業は何なのか。運用会社では、大量のリサーチ結果から方向性を出し、具体的な銘柄選択につなげています。

具体的には、化石燃料の限界、世界的な人口増加、都市化の進展などを背景にエネルギー/資源効率関連銘柄。生産年齢人口の急減、新興国での賃金上昇などを背景に生産自動化(ファクトリー・オートメーション)関連銘柄。その他、ヘルスケア、新興国の消費拡大などに影響ある水資源・食糧・衛生事業関連銘柄に、長期的な成長性が見込まれる予想を立てています。

先日設定したアジア・オセアニア諸国に投資するファンドでは、公募ファンドで500億円の資金を集めたとのこと。日本の成長銘柄が、このファンドを構成しています。

投資信託のほとんどが日本を見捨てて外国債券などに投資するものが増えている現在ですが、低迷している日本市場だからこそ優良銘柄を発掘し、長く大きく育ててほしいと思います。

こぐま経済研究所


こぐま経済研究所2012年9月期セミナー開催しました。

2012-09-17 10:48:41 | 日記
9月15日19時から、茅ヶ崎勤労市民会館でこぐま経済研究所の9月期セミナーを開催させていただきました。
御参加いただいたみなさま、ご清聴ありがとうございました。

今回は、投資信託のしくみと現在の投信マーケット状況について、今一度投資信託の仕組みをお話させていただいた後、
現在の投信市場がどのようになっているのか説明させていただきました。

そもそも個人の資産運用の代表商品として投資信託は位置付けられていましたが、最近では短期運用の投信も出てくるなど、その利用形態が変わってきました。通貨選択型投信のように高分配の投信は市場の環境が変わると、すぐに損失が発生する可能性があります。長期保有に適さない商品も多く設定されています。

現在の投信全体の純資産は約58兆円、設定ファンド数は約4500本。純資産10億円に満たないファンドも数多くあります。私としては、利用目的別に投信を分類して、長期保有に適した商品を個人投資家が購入しやすくしてあげることが必要かと思います。販売会社の手数料稼ぎのために、個人投資家に損失を強いることになっては、本末転倒。あくまでも投資家の立場、さらには日本の金融市場の立場で、どのように商品を提案していくことが重要なのか、販売会社各社で考えて欲しいと思います。

この20年で、投資信託の個人金融資産に占める割合は、8%前後であまり変化ありませんでした。金融資産全体も約1400兆円と増えもせず、減りもせずといったところです。「貯蓄から投資へ」は、やはり必要だと思います。金融知識を備えたアドバイザーが金融機関と個人投資家の間に入って、中立的な立場からアドバイスしてあげられる環境づくりが必要ではないでしょうか。

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来月は10月27日(土)を予定しています。
詳細がきまりましたら、ブログで連絡します。