こぐま経済研究所ブログ

やさしく金融情報をお伝えします

米個人消費0.8%増 7月予測上回る 雇用改善が焦点に

2011-08-31 10:36:55 | 日記
米商務省が29日発表した7月の個人消費支出は季節調整済みの年率換算で10兆7508億ドル(約830兆円)となり、前月に比べ0.8%増えた。6月の0.1%減から2カ月ぶりのプラスに転じ、増加率は2月(0.8%)以来5カ月ぶりの大きさを示した。市場予測の平均(0.5%)も上回った。ただ所得や雇用の環境は厳しく、消費の基調の見極めには時間がかかりそうだ。

支出を項目別にみると、自動車や家電製品を含む耐久財が1.9%増と好調だった。耐久財は前月まで4カ月連続で落ち込んでいた。ガソリン高などを背景に慎重だった消費行動が、7月は反動で一時的に持ち直した可能性もある。

耐久財以外では、食糧などの非耐久財が0.7%増、サービスも0.7%増だった。

一方、個人所得は0.3%増となり、市場予測(0.4%増)をわずかに下回った。税金などを除いた可処分所得は0.3%増で、消費を支える所得の伸びは低めのままだ。貯蓄率は5.0%となり、前月の改定値に比べ0.5ポイント低下した。

日経 30日朝刊
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7月の個人消費は、民間機関の予想以上に回復しました。原油価格の下落によって市中のガソリン価格も下落したことが一因とも記事には書かれています。この動きが8月以降も続き、雇用統計も改善してくれば、景気の先行き不透明感もいくらかは解消されるものと思われます。金融危機後の金融緩和で経済立て直しを図り、QE2終了後の7月において個人消費が回復したのはいい兆しかもしれません。

債務問題に警鐘鳴らす 現実直視したラガルド氏

2011-08-29 22:04:33 | 日記
米ジャクソンホールでの経済シンポジウムで今年最も重要な発言となったのは、各国中銀の金融政策ではなかった。

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、各国政策担当者が目を背けてきた問題を公式に取り上げ、先進国が直面する債務問題が深刻な危機につながると警鐘を鳴らした。

ラガルド氏が問題の所在を明らかにし、行動を呼びかけたのは称賛に値する。だが、解決のためには発生した損失の落とし所も必要だ。同氏は納税者が負担すべきだと言うが、それは誤りだ。

ラガルド氏は世界経済回復の脅威となる2つのリスクを挙げた。欧州銀の弱体化がさらなる信用収拾くを招く危険と、米住宅市場の低迷だ。

ラガルド氏の発言で歓迎すべき点は、両方の問題に抜本的な対策を直ちに講じるよう促したことだ。欧州銀に対しては、より厳格なストレステストの実施と収支改善への毛旺盛措置の導入を支持した。本誌が賛成できないのは、ラガルド氏が民間投資家の代わりに納税者に金融システム救済の負担を負わせることを認めた点だ。債権者から他者へのリスク転換は過去の例でも成功しておらず、ユーロ圏外にも影響を及ぼす。とは言え、ラガルド氏は少なくともこの議論の口火を切った。政治家も勇気を奮い起し、現実を直視する必要がある。

日経 29日朝刊(29日付 英FTより)
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主要先進国の財政問題に、IMFラガルド氏が警鐘を鳴らす。各国の政治家・中央銀行は公の場では、自国の課題は表に出したくないもの。でもそれは隠し続けることはできません。債務返済不能状態のギリシャや格下げされた米国・日本など第三者からのメスが入りました。それでも、自国は自国でなんとかするという気持ちが強く感じます。しかし、この債務問題、簡単には解決できません。経済成長、為替、雇用、物価など、先進国及び新興国も交えて自国の利益最優先ではなく、互いに協議し解決策を模索していく必要があると考えています。

NY株5週ぶり上昇 金続伸、円は76円台半ば

2011-08-28 23:04:01 | 日記
注目されたバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受け、26日の米株式増場は反発した。ダウ工業株30種平均の終値は前日に比べ134ドル72セント(1.2%)高の1万1284ドル54セントで引けた。週間では466ドル(4.3%)高と、5週ぶりに上昇した。

ワイオミング州ジャクソンホールでのバーナンキ議長の講演では具体的な金融緩和への言及がなく、ダウ平均は失望売りで一時220ドル超下落した。ただその後は議長が緩和の可能性を排除しなかった点を評価する買いが入り、午後にかけて上昇が鮮明になった。日中の高値と安値の差は400ドル弱と相場は乱高下した。

講演では9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)を2日間に延長すると表明。「9月に追加緩和をきめる可能性が高まった」などとの見方が広がり、相場を押し上げた。

今週の米株式相場では前週までの株安を受けた値ごろ感が優勢だった。世界の株式市場もやや落ち着きを取り戻し、投資家の安心感が広がった。


ニューヨーク金先物相場は続伸。前日比34.1ドル高の1トロイオンス1797.3ドル(12月物)で終えた。米景気の先行き不安や今後の追加緩和の観測から実物資産の裏付けがある金にも資金が流入した。

日経 27日夕刊
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はっきりとQE3を断言しなかったことで失望売りが進み、その後、9月緩和の可能性が見えそうになると一気に値を戻す。前々から、NYダウというのは値動きが激しい指数だとは思っていましたが、最近は本当に安定しないですね。財政政策での有効手段が見えない限り、金の高騰は続きそうです。

投資信託の設定額・解約額

2011-08-27 22:48:48 | 日記
投資信託の純資産は、投資家からの資金の入りである設定額、資金の出となる解約・償還額さらに運用による増減を要素に決定されます。純資産自体は取引日の翌日に発表されますが、設定額と解約・償還額は、翌月中旬ころに投資信託協会から、概況として、投信全体の情報として公開されています。

この概況はホームページに公開されますので、どなたでもみることができるのですが、個別の投資信託の設定額・解約額は一般の方には公開されておらず、見ることができません。

そこでこの数値の概算値を求める方法があります。前日および当日の基準価額と純資産額から求めます。

①前日純資産額÷前日基準価額=前日の受益権口数
②前日の受益権口数×当日の基準価額 ~ 前日の口数に変化がなかった場合の純資産額
③当日の純資産額-②=当日の純流入額(マイナスの場合は流出額)

案外、近い結果が出ます。

この数値を見ると、投資家の資金がどのようなファンドに流れているか、よくわかります。試してみてください。

こぐま経済研究所

消費者物価0.1%上昇 ガソリン高で2年7カ月ぶり デフレ圧力なお 7月

2011-08-26 23:01:28 | 日記
総務省が26日発表した7月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、値動きが激しい生鮮食品を除くベースで99.8となり、前年同月比0.1%上昇した。ガソリン高の影響で2年7カ月ぶりのプラスとなった。ただ薄型テレビなどのデジタル家電の価格は大きく下落しており、需要不足によるデフレ圧力はなお根強い。

CPIは7月分から基準年を05年から10年に切り替えた。最近の消費動向を反映し、値下がりが目立つ情報家電の割合を高めた。与謝野馨経済財政担当相は同日の閣議後の記者会見で「依然として緩やかに物価が下落している」と述べた。

消費者物価が上昇したのは、資源高が生活必需品の価格を押し上げたのが主因だ。エネルギーではガソリン価格が10%、電気料金が3%上昇した。小麦の国際価格の上昇を受け、食パンの価格が2%上がった。耐久財の価格は下落基調が続いている。食糧とエネルギーを除いたCPI(欧米型コア)は0.5%下落した。下落率は6月の0.8%より縮まった。ただ、薄型テレビの価格が3割低下し、ノート型パソコンも値下がりした。

日経 26日夕刊
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99.8という数値は前月と同じ、前月と同水準という発表でした。前年比は0.1%の上昇となったが、基準年の切り替え効果もあり、単純比較は難しい。デフレ脱却には、CPIの適切な上昇が必要ですが、今回の押し上げ効果は、ガソリン価格(10.2%)や電気料金(3.2%)の上昇が寄与しているようです。これに反して、耐久財の下落基調は続いていて、個別に見ると、テレビ-29.7%、冷蔵庫-25.7%です。

総務省の消費者物価資料はこちらを参照ください。