こぐま経済研究所ブログ

やさしく金融情報をお伝えします

こぐま経済研究所 金融セミナーを実施しました

2011-10-29 22:41:49 | 日記
本日18時30分から、茅ヶ崎勤労市民会館で金融セミナーを開催しました。題目は、REITファンドの今後の見通しです。先日、参加したファンドマネージャの講演内容などを踏まえ、インデックスの動きなど説明させていただきました。

海外REITへ投資するファンドは、最近の売れ筋でしたが、欧州金融危機などの影響で、9月のリターンは減少。重ねての円高で円ベースで換算した基準価額はかなりの下落です。

この状態で毎月一定額の分配金を支払うのはかなり難しいものと想定されます。ただし、分配金を減額すれば今度は資金が逃げて行きます。

運用会社としてもつらいところですが、運用状態を明確、詳細に報告し、個人投資家に現状を正しくわかってもらうことが大変重要と認識しております。

なお、来月のセミナーは11月26日(土)18時30分から、茅ヶ崎勤労市民会館で行います。「投資信託の現状と売れ筋」についてです。

ご参加ください。

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失業率改善4.1% 被災3県含む 求人倍率も上昇 9月

2011-10-28 22:32:27 | 日記
総務省が28日発表した9月の完全失業率(季節調整値、全国ベース)は4.1%となり、前月に比べて0.2%改善した。厚生労働省が同日発表した有効求人倍率も0.67倍と、4カ月連続で上昇した。東日本ファイ震災の復興需要やサプライチェーン(供給網)の回復などで、雇用情勢は持ち直しの動きを続けている。

総務省の労働力調査は震災の影響で、8月分まで岩手・宮城・福島を除いて公表していた。9月分からは被災地の8割で調査が再開できたため、全国ベースで数値を公表する。前月と比較可能な被災3県を除く失業率も同じ4.1%だった。

完全失業率は「被災3県を除くベース」で254万人になり、2カ月連続で前の月を下回った。就業者は5973万人で、前月に比べて30万人増えた。8月は定年や職探しをあきらめて労働市場から退出した非労働力人口が20万人増えたが、9月は減少に転じた。ただ厚労省がまとめた9月のハローワークでの職業紹介状況によると、新規求人数は1.5%減の66万人。3カ月ぶりのマイナスだった。

日経 28日夕刊
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失業率が被災3県を含めても改善基調にあることは、とてもうれしいことです。被災地の仕事も少しずつ戻りつつあるということです。サプライチェーンが回復し、被災地の雇用が復旧することは、日本の経済成長に欠かせないことです。同日発表の鉱工業生産は、震災後の回復を受けて、9月は4.0%低下しました。来月以降の順調な回復を期待します。

個人のドル買い膨らむ

2011-10-27 21:56:02 | 日記
外国為替証拠金(FX)を利用する個人投資家が積極的な円売り・ドル買いに動いている。外為市場で連日、円相場が市場最高値を更新するなか、ドルに割安感があると判断した個人投資家が円を売ってドルを買っている。外為市場では1ドル=75円台の円高が続くようなら政府・日銀が円売り介入に踏み切るとの観測が出ており、介入後の円安をにらんだ投資も活発になっている。

FXはレバレッジ(証拠金倍率)を使ってわずかな元手で多額の外貨を運用する仕組み。東京金融取引所のFX取引「くりっく365」では、25日時点のドルの買越残高が36万3273枚(1枚は1万ドル)となり、8月3日以来の高水準になった。21日に続き、25日の海外市場でも円相場が最高値を更新したことで「ドルに値ごろ感があると判断した個人のドル買いが相次いでいる」。

円相場は26日にも再び最高値を更新し、75円71銭まで上昇。個人のドル買いが今後さらに膨らむ可能性がある。

個人投資家がドル買いを進めているのは円売り介入への思惑が出ているからだ。相次ぐ最高値の更新を受け、安住淳財務相は「必要があれば断固たる措置を取る」と、介入を示唆する発言を繰り返している。

(後略)

日経 27日朝刊
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円高が進むとドルを買う人が多いですよね。100円から90円台になった時も日本の銀行からドルがなくなったと報道されたこともありました。日本人は円高が進むとドルを買う習性があるようです。それは、すべてもう下がらないだろうから、ここで買っておこうというもの。結果的には裏切られ円高が進んできて、ついに最高値を更新しました。ここでも、その習性は懲りることなくドルを買い続けています。介入で少しでも円安に振れたところでサヤを取ると言った感じですね。

伝統的資産運用がパフォーマンスを落とす中、FXで一攫千金を狙う人が多いように思えます。でも相手はプロのディラーであり、ヘッジフォッグたちです。取引は慎重にお願いします。現在、FXの為替取引は全体の約2割を占めるまでになりました。個人投資家が為替に影響力を持つ時代になっているんですね。

欧州包括戦略

2011-10-25 22:04:16 | 日記
欧州金融危機の着陸地点がなかなか見えません。26日に発表する欧州包括戦略について、ほぼ全容がまとまったようです。ギリシャの金融支援を2020年まで延長、EFSFの強化、金融システムの強化が3本柱。でも、ギリシャの金融支援を2020年まで継続するということは、ギリシャ国債を多く保有している欧州金融機関の評価損拡大による破たんの懸念もあります。ギリシャ以外にも南欧諸国の国債価格低下も懸念されています。金融機関に影響がでるようになれば、今度はEFSFが補てんしていく形です。

でも、一番の問題は、財政悪化の国々がまずは自ら再建に尽力することです。これがなくては、2020年が2030年になる可能性もあります。ギリシャは国民全体に公務員の占める割合が非常に高いと聞きます。さらに、観光収入が中心の国。自前の産業を今から起こすことは難しいかもしれませんが、単純にデモを行うだけではなく、国民一人一人が、責任を感じて行動することが必要なのではないでしょうか。

今の現状を見る限り、収束するようには思えません。

こぐま経済研究所

貿易赤字1.6兆円 4~9月震災響き上期で最大 9月は黒字

2011-10-24 22:58:43 | 日記
財務省が24日発表した2011年度上期(4~9月)の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆6666億円の赤字となった。赤字はリーマン・ショックが直撃した08年度下期(1兆5274億円)以来5期ぶり。東日本大震災による部品調達の混乱で、自動車などの輸出が急減したため。9月の輸出は前年同月比2.4%増と、2カ月連続で前年を上回った。

11年度上期の輸出額は前年同期比3.8%減の32超8104億円だった。減少は4期ぶり。サプライチェーン(供給網)の寸断で自動車が2割減少したほか、家電販売の世界的な伸び悩みで半導体など電子部品も16%減った。

輸入は12.1%増の34兆4771億円。原子力発電所の停止に伴い、火力発電用の液化天然ガス(LNG)が4割増加。国際価格の高止まりで原油の輸入額も伸びた。上期の貿易赤字は第2次石油危機の影響で輸入が急増した1979年度下期(2兆3471億円)に次ぐ過去2番目の大きさ。

(後略)

日経 24日夕刊
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上半期の貿易赤字が、第2次オイルショック以来の大きさになりました。9月は黒字となったものの、いかに震災の影響が大きかったことが分かります。ここにきて、サプライチェーンの回復、被災工場の立ち直り(場合によっては生産移管)もあり、輸出産業ももとの生産体制に立ち直りつつありますが、今度は急激な円高にさらされています。企業が工場の稼働率を正常状態に回復しても、円高が追い打ちをかけてはひとたまりもありません。今度は業績悪化で設備投資等を控えてしまいます。

政府・日銀の円高への施策を期待したいところです。