◆〜市民文芸の選者ってどんな人?~◆
こんにちは。市民レポーターの植松です。
甲府市広報誌の7月号「とびだせ!市民レポーター」にて、市民文芸コーナーの3人の選者を紹介しましたが、
今回は誌面に書ききれなかった「こぼれ話」をブログで紹介します。
☆短歌の選者を務める三枝浩樹さん

三枝さんは現在、甲府市広報誌の市民文芸コーナーをはじめ新聞や短歌大会の選者を務めるかたわら、短歌の講座の講師も務めています。
短歌という日本固有の文学の専門家である三枝さんですが、実は大学は文学部英文科を卒業されています。
卒業後は高校の英語の教師として定年まで教壇に立ちました。
また、三枝さんは5人兄弟の5番目だそうですが、実は4番目のお兄さんが山梨県立文学館の館長を務めている三枝昂之さんです。
短歌を始めたのは兄・昂之さんより早く、中学3年生の時でした。昂之さんは、浩樹さんが始めてから半年後に始めたそうです。
日本短歌界の最高賞である「迢空賞(ちょうくうしょう)」は、昂之さんも受賞されていますが、この賞も実は、昂之さんは浩樹さんの2年後に受賞されています。
三枝さんは、「短歌は一期一会、心の日記であり、ささやかなことが実は大きなことかもしれないと気づかされることもある」とその魅力を語っています。
そして「日々の暮らしの中で感じたことを素直に表現してほしい」と、短歌を作る人たちにエールを送っています。
☆俳句の選者を務める井上康明さん

日本を代表する俳人、飯田蛇笏・龍太の俳誌『雲母』の流れをくむ『郭公』の主宰者である井上さんは甲府市在住で、ご自宅で『郭公』の編集を行っています。

『郭公』は毎月発行されていますが、句を寄せる会員は、北は北海道から南は九州鹿児島までのほぼ全都道府県に及んでおり、遠くはカナダのトロントからも句が寄せられています。
『郭公』の編集者は、主宰の井上さんを含め全部で5人、毎月2回編集会議を開き、110頁前後に及ぶ俳誌の構成を検討したり、企画の投稿者を決めたり、印刷所とのやり取りや俳誌の発送など実に煩雑な作業を行っています。

こうした俳誌刊行の作業以外にも自身の俳句を俳誌へ投稿したり俳句講座を受け持ったりと、実に日々多忙な俳句人生を送っています。
その井上さん、『郭公』に対しては「ベテランと若手がともに活躍する舞台にしていきたい」と語る一方、俳人としては「情熱的な俳句を作った蛇笏が好きで、飯田龍太に学び自分の俳句を作ってきた。だから龍太・広瀬直人・福田甲子男の伝統的な俳句の魅力を後世に伝えていきたい。」と抱負を語っています。
☆川柳の選者を務める深澤弘(ひろむ)さん

双葉町出身の深澤さんは、酒屋を経営するため「酒類販売業」の免許を取得し、28歳の時に甲府市で酒屋を開店しました。
酒屋は50年間経営していましたが、78歳の時に店を閉じました。
そのお店のあったご自宅には今、深澤さんがこれまでに獲得した各種川柳大会での入賞の盾がずらっと並んでいます。

65歳の時に川柳を始めた深澤さんは、75歳の時に池田地区文化協会川柳部門の部長に就任。
そして昨年、山梨県川柳協会の会長に就任しました。
そんな深澤さんは、毎月1回、地区の公民館で仲間と川柳を楽しむかたわら、川柳普及のため今年の1月と2月には合わせて3回にわたり、山梨県生涯学習センターで川柳の公開講座を開催しました。
また毎年、各県持ち回りで開かれている国民文化祭の川柳部門に応募しており、これまでに最高賞の特選を2回、準特選を1回受賞されています。
深澤さんの特選の作品と準特選の作品をご紹介します。
■国民文化祭 川柳部門
2014年 秋田大会 特選 米一粒流した母の独り言
2019年 新潟大会 特選 通帳を開き余生を組み立てる
2019年 新潟大会 準特選 ごめんねが言えたら楽に生きられる
「短歌」「俳句」「川柳」いずれも未経験という方、是非一度どのジャンルでもよいので気軽な気持ちで挑戦してみませんか?
年齢がいくつになっても新たな自分の発見があることは間違いありません。