先日我が母校の記事を書きましたが、その近くに手作りのカバン屋さんがあります。いつもその前を「いつかはここでカバンをつくりたいなぁ～」と思いながら通学してました。
それから数えて十数年、念願かなってそこで笛のケースを作ってもらいました。自分で図面を引いて「こういうの作ってください！」ってお願いしたら快く引き受けてくれたのです。うれしかったですね。しかもずい分と安い値段で。でも完成時の電話で「いや～、思ったよりもかかっちゃって・・・。今後はこの値段ではできないよ～。ホントは倍近くの費用がかかるよ～。」なんて言われて恐縮した思い出があります。工房の中も見せてもらったりして・・・。自分の作ったものに対する責任と愛情が感じられました。
久しぶりにそのお店の前を歩いてみたら上の写真のように一つのカバンが店頭に飾ってありました。そこには「このカバンはあるお客様が数十年前に作ったカバンです。どうぞ手にとって見て下さい。」とのメッセージが。
心を込めてカバンを作る人とそれを大事に何十年も使い続ける人。使い捨ての時代へのアンチテーゼですね。
（このカバンを「アジがある」とみるか「キタナイ」と見るかは意見がわかれるでしょうが）
便利だけれど冷たいこの時代に、作り手と使い手が信頼しあって一つのモノを通してつながり、そして大事にし続けるってことになんだか心が暖かくなりました。
もちろん私もその笛ケースを大事に使ってますよ。
ちなみに、このお店は「ＨＥＲＺ（ヘルツ）」といいます。
決して高級ブランドではありませんが、質実剛健・無骨で頑強なところは他に類を見ません。壊れればいつでも修理してくれますし。私にとっては世界一のブランドですね。
