「龍笛」です。雅楽で使われる笛ですね。
実は龍笛の稽古をしてもうずいぶんと長いことになります。
こんなに習い事が続いたのは子供の頃も含めて初めてです。
それまでは趣味と言えるものもなく、ただ毎日職場と家の往復で「仕事が趣味」
みたいなつまらない奴でした。きっかけは師匠との運命的な出会いだったのですが
はじめてみると実に奥が深い。伊達に聖徳太子の時代から続いていませんよ。
「龍笛は心の鏡」と言われます。「上手く吹こう」とか雑念・邪念があるとホントに
鳴ってくれません。無心で笛と一体にならないとダメなんです。それだからこそ
笛に対してこの上ない愛着が湧いてくるんでしょうね。義経や敦盛が戦場にも
笛を持って行った心情がわかります。
この笛は京都の笛師さんに作ってもらったものです。この笛師さんは先祖代々
笛を作っていて、ご先祖様が義経の笛も作っていたかもしれないとのこと。
まあ、事実はどうだかわかりませんが・・・。 現在では龍笛を作ることの出来る
笛師は数えるほどしか居らず、ここでも技・伝統の継承が危ぶまれています。
でも雅楽自体は宮内庁で継承されていますから日本の天皇制が廃止されない
限り絶えることはないでしょうけど・・。
笛師については新田次郎氏の小説「笛師」に詳しいのでここではあまり語りません。
いずれにしても龍笛は寿命の長い楽器で、作られてから100年後くらいが一番
いい状態になるんだとか。ということは私の孫か曾孫の時代か。
家宝として子から孫へ受け継いでくれたらいいな~、なんて思ってます。
大層なことを書きましたが、いまだこの笛のポテンシャルを100%引き出せて
いません。それこそ息の長い修行が必要です。