
昨夜来の雨は早朝まで降り続いていた。


昼前には雨も止み、薄日も漏れて暖かい一日だった。
久々の雨と暖かさで、街路樹のケヤキやヤナギの芽吹きが進み、一足早く新緑の季節が始まった。

学校で習わない「日本の近代史」を、ようやく読了した。
明治維新から日清・日露戦争、満州建国から日中戦争、太平洋戦争に至る歴史が、多くの資料や写真と共に綴られている。

真珠湾攻撃からアリューシャン列島、南太平洋迄戦線が拡大していく。
緒戦こそ有利に進めていたが、ミッドウェイ海戦の敗北を皮切りに、各戦線での敗北や玉砕が相次いでいく。
その間に特攻攻撃や集団自決など悲惨な戦闘を繰り返しながら、本土空爆から広島長崎の原爆投下と多大な犠牲を払って無条件降伏に至った。
縦軸に明治維新から昭和までの歴史を辿り、横軸に欧米列強の覇権・植民地主義による侵略と第一次、第二次世界大戦に置き、多くの資料と写真が網羅されている。
日本は日清・日露戦争から日中・太平洋戦争への泥沼の道を辿り、確立した近代国家も崩壊していく。

人類は幾たびも戦争の悲劇を体験しながら、その歴史に学ぶことなく、未だに世界の各地で戦争や紛争が続いていることに虚しさを感じる。
著者はこの真実を、特に若い人に理解してほしいと言っているが、これから社会に出る孫にもぜひ読ませたい一冊だと思った。