金色銀色茜色

生煮えの文章でゴメンナサイ。

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白銀の翼(四面楚歌)132

2012-04-26 20:47:43 | Weblog
 連戦錬磨の西楚軍は音も立てず、手早く撤退の準備を進めていた。
それを反項羽連合軍の前線にある各陣所の者達は気付かない。
合唱で手一杯。
 だが、ただ一人が気付いた。
劉邦の本陣の奥深くにいた張良だ。
西楚軍の陣所の上に漂う気から、その下で軍勢が躍動しているのを感じ取った。
昨夜までの沈滞している気とは明らかに違った。
どうやら出撃するらしい。
 張良は劉邦の元に急いだ。
「お人払いを」
 劉邦に否はない。
直ぐに側周りの者達を退出させた。
「で、どうした」
「どうやら項羽殿が動く気配です」
 劉邦は目を見開いた。
「本当か。
どこの陣所からも、それらしい知らせが来ないぞ」
「すぐに分かります」
「んー」と劉邦は一旦上を仰ぎ見、
張良を見直して、「軍師の言葉を疑って済まん」と頭を下げた。
 張良は拱手で返した。
「囮の一隊が突出して我等の注意を引き、その後に本隊も動くでしょう」
「我等はどう動く」
「おそらく囮を率いるのは項羽殿。
だとしたら、ここへまっしぐらに向かって来る筈です。
ですが我等は何もしません。
ここは高台になっているので、無理に攻め上ってこないでしょう。
相手は騎馬隊ですからね。
下の陣所は踏み潰されるでしょうが、我等はここで高みの見物をしています」
 劉邦は怪訝な顔で問う。
「下が踏み潰されるのを見守るだけなのか」
「はい。大事の前の小事。
囮に項羽殿が居るのを確認してから我等は動きます。
今回は慎重の上にも慎重に動きます。
ここで仕留めます。楚国には生きて戻しません」
「前もって分かっているのなら、罠を仕掛ければどうだ」
「項羽殿なら罠の気配を読み取るのは容易いでしょう。
だから、敢えて何も仕掛けません。
ここまで出て来て貰えれば充分です」
「諸侯の軍勢にも知らせぬのか」
 張良は劉邦を正視した。
「はい。今の話しは王も忘れて下さい」
 劉邦はクスクスと笑う。
「困った軍師殿だな。
話しはそれだけではないんだろう」
「はい、よくお分かりで。
・・・。
項羽殿が囮で現れたら諸侯の陣所に使者を走らせます。
目指すは項羽の首一つと。
敵本隊は見逃します。
西楚軍十万も、項羽殿が率いての強兵。
我等は百万。
項羽殿がいなければ、いつでも潰せます」
「それもそうだが、項羽の首を確実に獲れるのか」
 張良は珍しく顔を赤らめた。
「獲ります。ここで獲らなければ、全てが無駄骨です。
楚に逃げられたら地の利は向こうにあります。
絶対にここで獲ります。長江は渡らせません」
「そう興奮するな。
いつもの張良でなくては項羽には勝てないぞ」
 張良は苦笑い。
「申し訳ありません。
・・・。
諸侯の陣所に使者を走らせるにあたって、一つ提言があります。
封建を行なっては如何でしょう」
 功績のあった諸侯に領土を分け与えるのは王の中の王の仕事。
かつては秦の始皇帝がそうであった。
そして最近は西楚の覇王、項羽が行なった。
が、項羽の場合は不評で、それが反項羽連合軍結成にまで行き着いた。
「まだ俺は漢の王でしかないぞ」と慌てる劉邦。
「口約束で宜しいのです。
使者に口上を述べさせます」
 劉邦は顔色を曇らせた。
「しかし俺はただの漢王、反感を買わないか」
「お忘れですか。
項羽殿と我等の戦いに横槍を入れる奴が居ることを」
「黒曜家騎馬隊だな」
「はい。
諸侯のうちの誰かが黒曜家騎馬隊の背後にいるものと思います。
黒曜家騎馬隊がいくら強くて中華を支配する力はありません。
所詮は少数の異民族。
それを承知で我等の戦いに絡んで来るのは、何らかの密約があるものと。
項羽殿の首を獲った瞬間、その者が正体を現わすかも知れません。
黒曜家騎馬隊と示し合わせて前後から襲う恐れがあります。
その先手を打つ意味で封建を行なうのです。
領地の広さまでは約束できませんが、本拠となる城塞くらいは確約できます。
聞いた諸侯にも悪い話しではないと思います」
 間を置いて劉邦は答えた。
「封建の真似事で牽制する分けだな」
「如何にも真似事です。
大半の諸侯が漢王の封建を受け入れれば、そいつは裏切ろうにも裏切れません。
周り中が敵に回る分けですからね」
「裏切り者が封建を受け入れて動かなかったら、どうする。
そのまま臣下として受け入れるのか」
「項羽殿の首させ獲れば、あとは時間はたっぷりあります。
ゆっくりと炙り出しましょう」
 劉邦は思案の末、頷いた。
「軍師殿に委細は任せよう」




小沢サンに無罪判決が出ました。
でも変。
争われたのは、土地購入代金の計上が翌年度にずらされたこと。
脱税した分けでなし。
日付は違うが記載はしてる分けだし。
こんな小さな事で無駄に税金を遣って欲しくはありません。
 おまけに、検察審査会の起訴議決を有効とした点も変です。
事実に反する捜査報告書で検察審査が行なわれたのに、
起訴議決を有効にするとは、・・・。
前提が間違っていれば、社会常識としては無効でしょう。
起訴そのものを門前払いにしてもよかったと思います。
 巷で噂される、「官僚組織による小沢潰し」が真実に見えます。
たぶん、これからも小沢サンには難題が次から次に降りかかります。
艱難辛苦、・・・。
官僚組織は裏表に通じているので、攻める材料には事欠きません。
怖いですね。
公僕のはずの官僚組織。
まるでマフィアか、フリーメイソンです。
それに野党や民主党の反小沢派が乗っかります。
そして壮大で無駄な闘争を続けます。
 いい加減、市民を向いた政治をして欲しいものです。




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