毘沙門堂の後に安祥寺に来ました。この春に京都古文化保存協会の非公開文化財特別公開で初めて門戸が開かれました。
今後の公開予定が全くわからないお寺だけに貴重な機会です。













京都国立博物館に行かれた方はご存知でしょうが平成知新館1階の中央におられる五智如来像5体は安祥寺の所蔵でここ京博に寄託されています。令和元年に国宝に昇格されました。
創建は嘉祥元年(848)と伝わり、貞観の末には山の「上寺」、麓の「下寺」両所に伽藍を構え、塔頭の坊舎は700余りを有する大寺院でした。
しかし、応仁、文明の乱の戦火で荒廃し、江戸時代初めには廃寺寸前の状態でしたが徳川家康の命により旧境内地の一部が還付され現在に至っています。

「上寺」には多宝塔の基壇が残って往時の姿が偲ばれます。


本堂(観音堂)のご本尊は十一面観音菩薩立像(重文)で高さ252.5cmもある榧木(かやのき)の一木造りで非常に美しい観音さまです。




その他、地蔵堂と大師堂が残り、それぞれ地蔵菩薩坐像と弘法大師像がお祀りされています。
帰りに寺務所に立ち寄り五智如来さまの御朱印を授与して頂きました。

前にある鐘楼堂の梵鐘は豊臣秀吉の朝鮮出兵時に陣鐘として供出され、やがて戻されますが、誤って返納されたようで梵鐘には"摂州渡邉安曇寺の銘があります。
次に山科疎水をさらに西へ、日蓮宗寺院本圀寺へと向かいます。
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