天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

多摩川から競艇場へ歩く

2018-04-23 12:36:08 | 身辺雑記
きのうの日曜日、家に籠っていると身体によくないと思い立ち、自転車で多摩川へ行った。およそ7キロ、是政橋のたもとに自転車を置いて歩きだす。
暑い。もう春草というより茂った麦のような青草が美しい。道かどうか知らぬがそれらしい筋がついていてそこを歩いて水辺へ。草はかなり濡れていて靴に水が染みないうちに抜ける。




青草の吹き分けられし道幽か

草踏みて行く白鷺の発つ方へ

是政橋付近の河川敷の野球場を経て500mほどの下流は水の流れに表情が出るところ。右岸から左岸へ水流が急転、浅い川床を勢いよく水が流れて音を立てる、典型的なせせらぎ。



水を行く泡見て飽かず春の昼

水溜り泡の匂ひや春暑し

なんとも生臭いところでもある。しかし、尺鯉も悠然と泳ぐ釣人の集まるところでもある。

釣る人と絵を描く人と柳かな

河は暇人が集うところ。稼ぐ人、何かに抗議したい人は街へ行く。

行春や眼鏡に羽虫こびりつき

羽虫はやっかいなものだが彼らも生きている。眼鏡を外して吹き飛ばすが、付着したのは拭き取る。



春愁や大河をわたる送電線

送電線はどこへ行くのか。多摩の丘陵のほうへ向かって伸びていき霞んで先は見えない。
去年、お世話になった桑の木も若葉。すでに青い実がたくさんついている。毛虫のようにとげとげが出て頼もしい。あとひと月したら食える。

げぢげぢのごときも付いて桑若葉


今年もよくついてくれた桑の実





河川敷はニセアカシヤの名所。アカシヤはもっと暑いところに咲き、日本のものはニセアカシヤ(ハリエンジュ)。歳時記によると夏だがもう満開。なんでも書物の通りに実際はなっていない。

花アカシヤ西田佐知子はいま如何に

50年以上前、西田佐知子が歌った「アカシアの雨がやむとき」もニセアカシヤだったろう。日本の歌だから。西田は細表、細身の美人だったがまだ存命だろうか。ひと昔どころではない大昔の美人のことをこの花は思い出させる。
多摩川のアカシヤは河川敷に森を成して幻想的。

そこここに蕊降る水輪春惜しむ

春というよりもう夏を感じさせる熱さ。



多摩川競艇場は100円で入れことができる遊び場。競馬場と違い入場券を売る人員がいない。人件費の削除は合理的で、駅の改札のような装置に100円玉を入れと扉が開く。
多摩川競艇は寝坊助で早起きの小生には合わぬ。
10時に行ったのにまだ入場不可。第1レースがなんと、11:14分発走。
この日、三国競艇場のレースは第6レースが11:16。三国は「GⅢオールレディース」という企画をやっていて全12レース、72名が全員女子選手。女子は朝から勤勉なのか。下手なことをいうとセクハラになるなあ、と思いつつ華やかな三国のお知らせを仰ぐ。


三国競艇場、第5レースの告知

鳥雲に競艇場の青味泥

端っこに魚がいるかどうか見るが水が濁っていて不明。端に水を入れるパイプがあり絶えず水を注入しているがそれも濁っている印象。
したがって次のような句ができてしまう。

競艇場水の疲れし春の暮

競艇の疾走白し風光る



始まりの遅いのは早起きの小生にはおもしろくないが、「展示航走」で楽しませてくれる。
展示航走とは、本番レースの直前に、レースに出走する各レーサーが、予想の参考やボートやモーターの調子をお客様に見てもらうために、コース取りとスタートの練習を行い、全速力でレースコースを2周する。
競馬のパドックとは異なり、試走を各艇はほぼ全力でやって見せる。したがって1レースでもそうとうたくさん見た気分になる。それは競艇の豊かなところ。

春、夏は多摩川の流れや競艇の水しぶきが身近だが、ここまで自転車で行き歩き回るとげっそり痩せる。エンゲル係数がかさむ季節になった。
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